ジムで感じた日本人のデフレマインド
日本経済云々といった壮大な話ではなく、身近なところで感じた日本人のデフレマインドについて、今回は書いていこうと思います。
展開の早いフィットネス系ビジネス
コロナ禍のときは、運動不足解消のためにジムに申し込む人が急増しているとニュースを見聞きしていたけど、それから3年余り。
乱立したタピオカ店やテイクアウト唐揚げ専門店と同様に、サイクルの身近なトレンドに振り回されている印象のあるジムやフィットネス系。価格帯・場所での差別化による店舗拡大期から、統廃合期に差し掛かってきたなぁと感じています。
暗闇ボクシング、暗闇サイクル、ヨガ、セラピス、パーソナルジム、24時間ジム、サウナ付き、コンビニジムetc…
この数年で、業界内に多様な形態サービスが乱立しているのも、フィットネス系ビジネスモデルのマーケティングが非常にシンプルだからだろうなぁ…と思います。
新年/年度初め/GW太り/正月太り/夏に向けて/冬に向けてetc…
動機づけは季節性など絡めれば比較的メッセージが作りやすく、入会から2ヶ月継続したら料金半額(もしくは1ヶ月の料金無料)などのキャンペーンオファーを展開。
2:8の法則ではないけれど、新規獲得した2割の人はLTV12ヶ月に設定したら、8割の人はLTV3ヶ月サイクルで試算し、とにかく新規申し込みを継続して獲得し続けることで事業を拡大させているイメージがあるけど、どうやっているんだろう。ちょっと気になる。
幽霊会員も一定数生まれるので、半年サイクルとかでP/L計算して黒字化を目指すとかなのかな…これは予測ですが。
資源高による影響で月会費の値上げ、さらに…
ウクライナ戦争の資源高による影響で、ジムも値上げが4月あたりから多くなっているようです。
月数百円の値上げ。これは世の中がインフレしていく中でやむを得ないとは思いますが、消費者側への利益還元早くしてくれー!という本音はさておき。
ジムに行くと色んな備品があるのですが、そこでもコストダウンするための企業努力が垣間見えます。
・アルコールスプレーが、小パッケージから大容量詰替え用に変更
・使い捨てウェットタオルがなくなり、洗えるハンドタオルに変更
・備品でおいていたハンドソープ類が撤去
・スタッフ常駐だったところが、固定時間性になり不在時間が増える
他にもいろいろな点で、コストダウンを図っていると実感するのですが、今月に入って衝撃だったことが。
使い捨てペーパータオルが2/3サイズに
「使い捨てペーパータオルが無駄遣いされている」これはどこのジムでも起きていそうな問題だと思います。シャワールームに設置されているゴミ箱を見ると、「何に使った…?」と思えるような紙くずの山がゴミ箱に入っていたり。
確かに共有スペースに置かれているこの手の備品は無駄遣いされがちなので対策を検討するのはいいと思います。だけど、全部コスト削減を初めに考えてしまうのが、今の日本人に植え付けられてしまったデフレマインドなのでは?
コスト削減脳が生み出すデフレマインド
コスト削減を考えることは悪いことではないと思います。でも、今回のケースは考える方向性に違和感を感じています。
特にマイナス印象につながったのは、アクリルのケースに使い捨てペーパータオルが入っているのですが、ペーパータオルが小さくなったことでよくわからないスペースができていること。
「ペーパータオルが小さくなったのだからケースも小さくしたらいい」という話ではないです。今回やったらいいのに、と思ったことは「使う人からは多くお金を支払ってもらう」というシンプルな案です。
どうやらこのペーパータオル無駄遣いは、(ゴミ箱の量をみると)シャワールームで顕著におこっているようです。それならシャワールームを使うなら月1000円/人値上げをするだけでいいのでは。
施設の改修には費用もそれなりにかかるので、すぐ導入というのもむずかしそうですが、シャワールームは鍵がすでについているので使うときに貸し出しするといった方法だってあるはず。
手段はあとから考えればいいので、大事なことは目的設定の仕方。利益を残すために、コストを削減するのか、売上UPを目指すのか。
日本人のマインド的には、国民総中流的・国民総公共の福祉的な考えで、誰もが同じサービスを使えることが美徳、オプションでお金を払うことで目に見える差を設けることは、小賢しいようなネガティブなイメージが先行していそう。
でも今回のケースを紐解くと、「ジムを使うのは皆一律同じ料金。シャワーを使いたいならオプション料金」という何も違和感がないと思うんですが、なんでこうなった…
ついでに資源が高騰しているのなら、シャワーの温水を安定供給させるだけでも無駄な電気水道ガス代の削減になると思うんですが、そのあたりに意識向かないのかなぁ。
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