コロブチカの流れる街(ショートショート)
「風邪ですね、薬を出しておきます」
「ありがとうございますテトロ先生。ただ……」
「何でしょうか?」
「この薬は効き目があまりよくなくて……他の薬はないでしょうか?」
「イーストタウンの物資不足は深刻なもので……心苦しいですが、こんな薬しかないのです」
「そうですよね……では、ありがとうございました」
「お大事にしてください。また何かありましたらお越しください」
これ以上の処置はできないことを知りつつも、つい毎度のことのように言ってしまう。言い換えれば、『何もできないが、頼り