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【猛毒解説】 2分で呼吸停止・6分で心停止させる即効性 青酸カリ

※本記事はYouTubeに投稿している動画のテキスト版です。※
※動画・音声付きで視聴されたい方はYouTubeでぜひご視聴ください※


導入

真実はいつもひとつ!
これは失礼しました。名探偵コナンを見ていました。
毎回発生する事件に、驚異の推理力で解決してしまうコナン君。
痺れますねー

コナン

ネット上で有名な一コマ ペロッ・・・これは・・・青酸カリ
こちらはコラージュで実際には麻薬をなめているのですが、ネットスラングとして有名になってしまいました。
今回はコナン君も大好き 青酸カリを紹介します。

青酸カリ


コナンのアニメ285話「中華街雨のデジャビュ後編」に登場している
青酸カリですが別名シアン化カリウムとも言い、シアン化物の一種です。

どのような毒性があるのか見ていきましょう。

毒ポイント1

大きな特徴は、その即効性です。
シアン化物が胃に入ると、青酸ガスが発生し、細胞呼吸ができなくなり、数分で死に至ります。
これは、青酸ガスが血液中のヘモグロビンと結びつき、酸素を運搬する機能を阻害する血液毒性を発揮するためです。

シアン化物による事件

シアン化合物


シアン化物は工業用に広く使われ、比較的入手しやすいこともあり、多くの犯罪で使われてきました。
1948年の帝銀事件 1977年の青酸コーラ無差別殺人事件 1995年の新宿駅青酸ガス事件 1998年のドクター・キリコ事件など いずれもシアン化物による犯罪です。

帝銀事件

帝銀事件

その中でも戦後間もない日本で起きた帝銀事件は、謎の多い大量毒殺事件です。
1948年1月 東京都防疫班の腕章をした男が帝国銀行の支店に現れたことから始まります。
東京都防疫班とは今でいう保健所のことです。
男は、近所で発生した集団赤痢の予防薬と称した薬を、行員たちに飲ませました。
その後まもなく行員たちは苦しみだし、12人が死亡、4人が重体になりました。
犯人は現金や小切手18万円を奪って逃走します。
現在のお金に換算すると1800万円ほどの大金です。
遺体や茶わんに残った液体を分析したところ、シアン化物の青酸カリを使用したことが発覚しました。
警察は、毒物に詳しい者の犯行という線で捜査を進め、旧日本軍の生物兵器関係者らを調べました。
しかし、事件から半年後、北海道在住の画家、平沢貞通が逮捕されました。
北海道で帝銀事件に似た毒殺未遂事件が起こり、犯人が使用した名刺のルートを探る中で、この人物へたどり着いたのでした。
当時、多額の現金を持っていたことや、以前にも詐欺事件を起こしていたことなどから、真犯人として逮捕。
平沢は一度は犯行を自白したものの、その後は一貫して無実を主張しつづけました。

事件の不審点

不審

1955年、平沢被告の死刑が確定します。
しかし、事件には不審な点が多く残されていました。
ひとつは殺害に使われたのが本当に青酸カリなのかという点です。

犯人は2度に分けて行員に毒物を与えていますが、そこには1分間の間隔があったことが分かっています。
しかし、青酸カリには即効性があるので、2回目を投与する前に倒れてしまうのではないか?という疑問です。
また、もし誰かが途中で苦しみだしたら、他の行員は飲むのをやめたはずです。
ですが、実際には16人全員が毒物を2回飲んで、ほぼ同時に倒れています。
犯人が毒物についての特別な知識を持っていなければ、成し得なかったはずです。
しかし、毒物の入手先を含めて、平沢被告が毒物に詳しい証拠は確認されませんでした。
一方、旧日本陸軍の元研究所員が、少々遅れて効果を発揮する青酸ニトリールという青酸化合物の研究が研究所で極秘に行われていたことを明かしたことから、犯人は軍の関係者ではないかという憶測が広がりました。
しかし、旧陸軍関係への調査はGHQによって突然、中止させられています。
そして、最初の自白と状況証拠以外に決め手となる物的証拠がないまま、
平沢被告は40年間死刑囚として拘置され、刑を執行されることなく1987年95歳で獄中で病死しました。
この事件の真相は永遠に謎のままです。

最後に

青酸カリについて学べましたか?
ちなみに青酸カリの解毒剤は亜硝酸ナトリウムです。
その即効性が故に解毒剤の使用も一刻を争います。

昔は、昆虫標本を作製するために、薬局や文房具店で容易に入手することができたそうです。
今回はここまでです。ご視聴ありがとうございました。

それでは、ぽいぽいずーん

#1青酸カリ完成版_Moment


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