父を亡くして
私の父は急性腎不全で80歳で亡くなりました。
病名はついておりますが、老衰と言っていい歳です。
何より、自然死です。
仏教をかじったおかげで涙は出ないのですが、心の中には、自分では見えない悲しみがあるようです。
まず、イライラします。
数年やめていた煙草を吸ってしまいました。
父は、電気工事士でした。
居ても立ってもいられず、深夜の本屋に駆け込み、図柄の豊富な電気工事士の資格本を買いました。
生前、一時期父の工事の仕事を手伝っていたことがあり、深夜に目覚めると、その本を開きます。
ああ、親父はこうやって工事していたな、と写真を見ながら知らず知らず思い出をたどっている自分がいるのです。
吸っている煙草も、父と同じ銘柄。
自然死で、平素から仏教を通じて人の生き死にを見つめてきた私でもこんなに大変なのに、事故や犯罪で大切な人を亡くした方の悲しみはいかほどでしょうか。
とても受け止めきれるものではないかもしれません。
しかし、寄り添い、悲しみを癒すヒントを発見しましょう。
私の場合はそれが電気工事士の本でした。
そして、こうしてビジネスを立ち上げ、自分の思いを書くことが、何よりの癒しとなっています。
資格を取ろうなどという気持ちはないのですが、写真の豊富な電気工事士の本は、父を思い出す私の大切なアルバムとなりました。