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やっぱりヘンだよわが母校!/パクユソン・著『面白くてヤバすぎる!朝鮮学校』試し読み

「あぁ、俺の人生って、平壌で幕を閉じるんや…」
地獄の北朝鮮修学旅行!

やっぱりヘンだよ、わが母校!今日も戦う、在日コリアン芸人YouTube「パクユソンちゃんねる」のパクユソン氏・初著書!!小中高12年を過ごした朝鮮学校での非日常体験をリアルに語る!ベールに包まれた知られざる実態とは?

【“アレ”が発射されると集団下校になる?】
究極の一貫教育で「赤い人」爆増中?
○高校無償化で橋下知事とやり合った生徒はリアル
○修学旅行で垣間見た笑える北朝鮮、そして闇……
○黒板の上に飾られている金一族の肖像画は2パターン
○「日本語をしゃべってます!」って攻撃する“赤い女子”
○朝鮮学校の先生って本当に反日!?……など

この記事では2024年11月22日刊行の、パクユソン・著『面白くてヤバすぎる!朝鮮学校』より「はじめに」を全文公開いたします。



はじめに


僕が朝鮮学校の話をしようと思った理由

僕は小中高12年間を朝鮮学校に通い、高校卒業後は朝鮮大学校ではなく関西学院大学法学部法律学科に進学した。そして、大学を卒業してからは芸人になるための吉本興業のお笑い養成所(吉本総合芸能学院=NSC)に入学した。

芸人になりたくてNSCに入学するのは、関西に住む人なら当然の成り行きだ。ただ、お笑いを始めるにあたって、僕は朝鮮学校の話をお客さんの前ではしないようにしていた。なにせ前例がないし、朝鮮学校出身だと公言すれば嫌われるかもしれないと思ったからだ。

本名の「パクユソン」は名乗っていたが、日本出身の韓国人芸人と自己紹介して韓国語の漫談をしていたのだ。本当は朝鮮学校時代の話をしたかったが、ずっと仮面をかぶりながら活動していた。

そんな自分に嫌気が差してきた芸歴2年目。ピン芸人日本一を決めるR-1グランプリ(吉本興業が主催するピン芸人グランプリ)に出場した。満を持して挑んだグランプリの結果は、2回戦敗退。お笑いを始めてから何ひとつ結果を出せないでいた。まさに人生のどん底。

そんなとき、僕のことを「面白い」と褒めてくださる先輩芸人の方が飲みに連れて行ってくれた。当時、いただいた言葉を少ししてから、ふと思い出した。「パクは今、韓国語の漫談やってて楽しくなさそう。朝鮮学校の話を俺にしてるときが一番生き生きしてるしパクの良さが出てる。ほんまにやりたいのって、そっちちゃうん?」

すべて見抜かれていた。本当は朝鮮学校の話をずっとしたかったし、たまに朝鮮学校の話をしてウケているときが一番うれしかった。でも周りの視線を気にして自分の気持ちにウソをつき続けていたのだ。

——どうなるかわからないけど、人生をかけて朝鮮学校の話をしよう。そう決心したのだ。そして、この話こそ誰ともかぶらない唯一無二の芸人になれると思い、朝鮮学校の話をすることにしたのだが、これが想像以上の反響になった。

現在ではユーチューブ登録者数は14万人、インスタグラムは1.2万人、Tik Tok(ティックトック)は5.7万人の方に登録していただいている。しかも内容が内容ゆえに、多くのコメントがくる。ファンの方、アンチの方を含めてだ。とくにティックトックは「130万いいね!」をいただいている。

さて、朝鮮学校の実態は、日本社会ではベールに包まれている。高校無償化から除外され、補助金も年々打ち切りになっている朝鮮学校は、日本の一般の方々に向けて公開授業を行っているが、公開授業の数時間だけで朝鮮学校の本当の実態を知ることは不可能だと考えている。

そもそも日時もすべて決まったうえでの公開授業だ。ゆえに、授業内容やプログラムを綿密に練り上げることが容易なのだ。学生時代、友だちの家に泊めてもらった翌朝に、友だちのお母さんが作ってくれた朝ご飯が目を疑うほど豪華だった。しかし、毎日こんな豪華な朝ご飯を食べているとは到底考えられなかった。公開授業もこれと同じだ。

だから、僕が朝鮮学校に通っていた頃の思い出を話すことで日本の方々にリアルな朝鮮学校を知っていただけると思い、この本でも朝鮮学校の話をすることにした。

本書に記されている内容は、小中高12年間朝鮮学校に通った、あくまでも僕の実体験をつづったものだ。実体験なのだから脚色はいっさいない。ということで、友だちが家に遊びに来ていない日の朝ご飯をとくとご覧あれ。

2024年10月  パクユソン

目次


第1章 今も日本を惑わす“赤いきつね”たち
【朝鮮総連と朝鮮学校の公然の主従関係】

●朝鮮総連から朝鮮学校の高校の校長に命令が下った真相
●「朝鮮総連の学校への支配は存在しない」という発言について僕が思うこと
●朝鮮学校にそもそも自主性はございません
●「民族教育の自由」と朝鮮学校の民族教育は非なるもの
●金日成の肖像画=民族教育、金正日の肖像画は民族教育ではない理由
●“赤い人”に育てるための「学習班」という存在
〈コラム〉一生モノのクリスマスプレゼント

第2章 小中高の12年間、
日本にいながら別世界にいた僕
【知られざる朝鮮学校の日常生活】

●先生と赤い生徒の決まり文句
●学校では日本語禁止。何回しゃべったかを常にカウントされている
●朝鮮語の授業はもはや「在日朝鮮語」。“ルー語”が飛び交う授業
●朝鮮学校に給食はない。もみ消された食中毒事件
●朝鮮学校生はラジオ体操を知らない。「人民保健体操」って?
●朝鮮学校の変わった運動会
●朝鮮学校にプールはない。だから僕も泳げない
●洗脳か教育か?「朝鮮の歴史」は金一族の歴史から学ぶ
●音楽の授業は北朝鮮の歌。金一族か社会主義を讃える曲ばかり
●クラスの委員長は世襲制。学年で成績一番だった僕でもなれない社会
●朝鮮学校にしかない通知表の中身
●朝鮮高校受験の倍率は1.0倍。受ければ全員が合格する理由
〈コラム〉モノクロ

第3章 一度は……行かなくていい北朝鮮
【僕の北朝鮮修学旅行体験記】

●「朝鮮学校修学旅行記」はあくまで“僕の体験記”です
●関空から北京、北京から平壌へ。唯一食べられなかった高麗航空の機内食
●平壌到着後にスマホ没収は当たり前。スマホの存在を忘れるくらいの戦争博物館
●朝晩はホテルで食事。食事は美味しかったのかまずかったのか
●地獄のルーティン。バスの中でのあり得ないルール
●観光地・博物館・水族館……名所めぐりはVIP待遇!?
●博物館で「金日成・金正日のろう人形」を見た後に場を凍らせた出来事
●本音は言えない。とにかくつらかった夜のディスカッション
●軍事訓練所視察。「軍人の話を聞く会」で目をみはったもの
●北朝鮮の象徴「白頭山」へ。プロペラ機の恐怖
●提携校の中学校視察。男の子と恋人つなぎで1日過ごす修羅場劇場
●バスの運転手の親切は、北朝鮮の優しさ!?
●修学旅行後に朝鮮大学校進学希望者が増える恐ろしい実態
●無事に帰国できた飛行機の中。修学旅行中に付けていたあのバッジのゆくえ
〈コラム〉握手会

第4章 朝鮮学校で駆け抜けた“青春”
【高校無償化問題の奥底に隠された真実】

●学費がめちゃくちゃ高い朝鮮学校への高校無償化“強制ビラ配り”
●朝鮮総連・学校関係者の子どもは学費が援助される
●親友がツイッターで橋下徹さんとやり合ったという話
●ついに朝鮮総連のお偉いさんが登場。そこで放ったひと言
●僕が考える、朝鮮学校無償化がムリな理由
〈コラム〉よそ行きのアクアパッツァ

第5章 暴露ではない。
小中高12年間で感じた“疑問”の数々
【日本人が疑問に思う朝鮮学校のアレコレ】

●“アレ”が発射されると集団登下校になるのに批判はしない
●朝鮮学校の先生はやはり“反日”なのか?
●日本にはモノ言うが“北朝鮮にはモノを言わない”先生たちの心の中
●朝鮮学校では“南北統一”はどう教わるのか?
●朝鮮学校では“アメリカのこと”はどう教わるのか?
●朝鮮学校はスパイ養成所!?これも僕なりの持論です
●なぜ朝鮮学校出身の親は子どもを朝鮮学校に通わせたいのか
●朝鮮学校卒業後も続く先輩後輩の上下関係
●僕が朝鮮学校のグループLINEほか、すべてを切ってしまったのには理由がある
●もう同級生の結婚式にも出席しない

おわりに
今日も戦う、在日コリアン芸人

お読みいただきありがとうございました
続きはぜひ本書でお楽しみください!



\ 2024年11月22日発売!/
パクユソン 著
『面白くてヤバすぎる!朝鮮学校』

【電子書籍】は、Amazon Kindle版が
11月22日より順次配信されます

【書店店頭】では11月26日頃より
順次発売となります

パクユソン
1997年生まれ。兵庫県神戸市出身。小中高12年間を朝鮮学校に通い、関西学院大学法学部法律学科に進学。その後、吉本興業のお笑い養成所に入学(NSC大阪43期)。2021年からピン芸人として活動。2023年から自身のYouTubeチャンネル「パクユソンちゃんねる」で朝鮮学校時代の思い出話を始める。現在はYouTubeチャンネル登録者数14万人、TikTokフォロワー数5.7万人。SNSを主な活動の場にしており、毎月大阪の楽屋Aや舞台袖で独演会を開催している。本書が初の著書となる。

【YouTube】https://youtube.com/@paku_yuson
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