顧客の信頼や愛着を数値化して、今後の収益拡大や課題改善に取り組もう!NPSについて
アンケートって普段答える側だと「そんな面倒な!」って思うことも多いですが、
答えてもらう側だと「頼むから答えて、すぐ済むから!」とお祈りにも似た感情になりますよね。
改めましてこんにちは、事業計画研究所です。
本日は先週10/8でも予告していました通り、顧客ロイヤリティを数値化したNPSについて記載したいと思います。
前回の記事で顧客ロイヤリティと関係性マーケティングを取り上げさせて頂きましたので、そちらもあわせてご覧ください。
NPSとは
NPSとはNet Promoter Score(ネットポロモータースコア)の略で顧客ロイヤリティを測る指標になる数値の一つです。
顧客ロイヤリティとは前回の記事でも記載しましたが、顧客が特定の企業や商品・サービスに対して感じる「信頼」や「愛着」のことです。
※ロイヤルティと表記される場合もありますが、どちらも標準的に使用されるため違いはありません。
これらが企業の成長率や収益性に相関があると考えられており、NPSを導入する企業が徐々に増えてきました。
NPSの具体的な測定方法は以下の通りです。
0~10の11段階に分けられた数字で、「あなたはこの企業をどのくらい友人や同僚に進める可能性がありますか?」という質問をするだけです。
このように、それぞれ三つのセグメントに分けることができます。
【批判者】
0-6点を付けた人たちです。
この集団は商品やサービスにネガティブなイメージを持っており、周りに批判的なクチコミを広めます。
日本においては、0-10の中で5を付けたくなる人が多い民族性であり、
グローバルベースで考えるとスコアが厳しくなりがちだといわれています。
国内の企業で比べる場合は問題ありませんが、国外企業との比較の際にはバイアス等の注意が必要です。
【中立者】
7.8と答えた人たちです。
現状に不満などはないが、自身が支払った金額に見合った程度のサービスや商品であると考えている集団です。
自身の「ほしい」を超えた商品ではないと感じている人たちということですね。そのため、他社競合へも揺らぎやすいといわれています。
【推奨者】
9.10と答えた人たちです。
商品やサービスに自身のほしいを超えた満足感を実感しており、企業の熱狂的なファンだと言えます。
周囲に好意的なクチコミを広めてくれる存在であり、企業の優良顧客です。
前回の記事で80%の売り上げは20%の顧客で構成されていると説明しましたが、その20%がこれに当たります。
これら3つのセグメントからNPSは計算することができ、下記の通りになります。
従って、ほとんどの場合においてNPSは(ー)の値になりますが
-100~+100のどこかにはあてはまるというわけです。
望ましいサンプル数は、
誤差±5%を目指すなら400以上、±2%なら2000以上といわれています。
NPSと顧客満足度のちがいは?
一見似通った指標のように感じるかと思いますが、わかりやすいように箇条書きで比較してみようと思います。
まだまだ違いはあるかと思いますが、重要だと思われるところだけ記載しました。
NPSはグローバルな基準であるため、
他社競合との比較も容易であり、設問も簡単なため集計が取りやすいということです。
設問は1つで完結しますが、フリーコメントのように質問を追加することももちろん可能です。
いたずらに質問を増やすのは得策ではありませんし、NPSでは極力質問数を減らすことが推奨されています。
ですが、【そのスコアを付けた理由はなんですか?】などの質問を加えることで、ロイヤリティの発生ポイントや課題点の把握・確認ができるようになったりもします。
すなわち、収益拡大の判断材料として利用できる可能性があるということですね。
一部ですが、業界別の調査レポートも無料で見れます
下記企業などでは業界別のNPSスコアを発表しており、一部は無料で閲覧することもできます。
このように外部企業に委託することも可能なので、自社での内部調査と合わせて行う場合もあります。
また、実際にどのように活用するのか記載したいところですが
長くなってしまうので見やすいと思った記事を紹介しておきます。
まとめ
NPSは推奨者の扱いを考えるだけでなく、批判者の扱いを考えることも重要になります。
批判者は一般的にコストのかかる集団かつ、クレーム処理などで企業体力を奪われやすいと言えます。
この批判者の集団を、推奨者へ移行する施策を取るのか。切り離して考えるかの見極めも必要になります。
商品やサービスはある一定層のターゲットに向けて販売してることが多く、そのターゲット層に合致していないだけというパターンもあるので注意が必要ですね。