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【疲れやすい人の食事 いつも元気な人の食事】/柴崎 真木

疲れやすい人の食事 いつも元気な人の食事

新規性  :★★★☆☆
有益性  :★★★★☆
おすすめ度:★★★★☆

■この本で解決できること

健康を保つためには、食事・睡眠・運動の3つが重要と言われますが、
その中でも食事にフォーカスし、どのような食べ物や食べ方がパフォーマンスを最大化するうえで重要なのかが分かります。

■この本で伝えたいこと

●疲れやすい人の食べ物 いつも元気な人の食べ物

疲れやすい人は「エネルギー不足」の状態です。
エネルギーとは一般に炭水化物というイメージがあると思います。

炭水化物について

体内で消化吸収されてエネルギー源になる糖質と、ヒトの消化酵素では消化されにくく、エネルギーとしてほとんど利用できない食物繊維の2つに分けられます。

さらに糖質には、糖類(単糖類、二糖類)、オリゴ糖、糖アルコール、多糖類その他があります。食物繊維にも、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。

エネルギーである糖の吸収スピードは、
単糖類>二糖類>多糖類
となり、ごはんやパンなどの穀類はゆっくりと吸収される多糖類と糖質の吸収を穏やかにする食物繊維の働きで、血糖値がゆっくりと上がるためエネルギーが持続しやすいです。
そのため、疲労感を感じにくくなります。
(血糖値が急激に下がることで疲労感を感じる)

また、炭水化物をエネルギーに変えるのはビタミンB1やB2などのビタミンB群であり、これは雑穀や玄米に豊富に含まれるため、白米より雑穀米、玄米のほうがエネルギー効率が良いと言えます。
(一方で砂糖は体内のビタミンB群を消耗させます)

ラーメンを食べる人は特に男性に多いかと思いますが、
ラーメンにはビタミンB群が少なく、炭水化物がエネルギーに変わらないことと、ラーメンのスープは脂肪が多く、消化に時間がかかることも問題です。

食後は消化のため胃腸に血液が集まり、脳の血液量が少なくなることによって酸素不足の状態となり、眠気を催したりぼーっとしたりするのです。
つまり脂肪が多い炭水化物を食べると、食後は眠くなりやすいと言えます。

一方でそばは食物繊維が多く、ビタミンB群も多く含まれるため血糖値がゆっくり上昇する&エネルギー効率が良い食事です。

卵を加えればタンパク質により血糖値の上昇がより緩やかになります(ビタミンB群も含んでいる)ネギを加えればビタミンB1の吸収を助けるアリシンによりさらに良い食事になります!

だしの効能

だしの成分は、
・グルタミン(アミノ酸の一種)…魚介類や昆布、きのこに含まれる
・イノシン酸…肉や魚、かつお節や煮干しに含まれる
・グアニル酸…しいたけに含まれる
となっており、これらは疲労回復に役立つと言われています。

また、グルタミンは胃の中でセロトニンの分泌を促し、副交感神経の働きを活発化させることから、だしにはリラックス効果があるともいわれています。

飲むものの注意点

栄養ドリンクやエナジードリンクが疲労回復に役立つと思い、多用してる方もいるかと思いますが、
これらには糖類が非常に多く含まれているので、血糖値の急上昇と、これを下げようとするインスリンの働きにより血糖値が急降下します(血糖値スパイク)

この血糖値の乱高下は体内の糖化を招くと言われています。
糖化は細胞を老化させることで、しわやしみの原因となります。

一方で炭酸水は胃腸を整える効果があるので、100ml~200ml程度であれば食欲増進にも効果があります。
※500ml以上飲むとお腹が膨れて食事がとれなくなるのでNG

野菜ジュースはビタミンCがあまり含まれていないことと、不溶性食物繊維が消失されていることが多いのが残念な点です。できるだけホンモノの野菜をとることを意識しましょう。

緑黄色野菜に多く含まれるビタミンCやビタミンEやβ-カロテンは抗酸化作用があり、疲労回復に効果的です。

脂肪の種類

飽和脂肪酸を取りすぎると、血液中のコレステロールが増加します。
その結果、動脈硬化が進み、脳梗塞や心疾患の原因になることもあります。
お肉もタンパク質よりも脂肪が占める割合のほうが高いので、タンパク質を取りたいときは大豆などが良いでしょう。大豆に含まれるイソフラボンは中性脂肪やコレステロールを下げると言われています。

また、トランス脂肪酸と呼ばれる不飽和脂肪酸が変化したものは肥満の原因になります。これはマーガリンやショートニングに含まれます。

一方でn-3系は身体に良い脂肪と言われており、魚の油に含まれるEPA(イコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)や、アマニ油に含まれるα-リノレン酸は血流の改善、脳や神経細胞の活性化、睡眠の質向上などの効果があります。ただし、n-3系は酸化しやすいので加熱しないことがポイントです。

ドコサヘキサエン酸は学習や認知機能の維持に効果的かつ、セロトニンを増やすのでストレスを和らげたり、アレルギー症状の改善が見込めます。

 ●疲れやすい人の食べ方 いつも元気な人の食べ方

朝食と睡眠

1日は24時間ですが、体内時計は24.5時間です。
この30分を毎朝リセットする必要がありますが、これに効果的なのが朝食と朝の日光です。朝食にはタンパク質が効果的で、消化時間が早い半熟卵が理想的と言えるでしょう。

食事感覚は3~5時間が良いと言われており、朝食からは12時間以内に1日の食事を終わらせることが、体内時間の調整には重要です。

脂肪や糖分の多い食事を続けることで睡眠の質が低下し、睡眠不足によりさらに脂肪や糖分の多いものが食べたくなるという悪循環に陥りますので、まずは睡眠時間をしっかり確保することを心掛けてみましょう。

インスリンが血糖値を下げるときに膵臓から分泌されますが、血糖値が下がりすぎるとそれを基に戻そうとするホルモンが働きます。このホルモンがイライラ感や落ち着きがない状態を引き起こします。(=低血糖症)

また、カフェインは鉄分の吸収を阻害するので、貧血の疑いがある人は食後は取らない方がよいでしょう。

食べ方

食べ方という点で重要なこととして「よく噛む」ことも挙げられます。
「ひみこのはがいーぜ」という標語を紹介します。
ひ:肥満も防止 胃から脳の満腹中枢に信号が伝わるのに20分→満足感を得やすい
み:味覚の発達
こ:言葉の発達 顔の筋肉が鍛えられ、発音が良くなる
の:脳の発達
は:歯の病気の予防 唾液には殺菌作用や抗ウイルス作用があるので虫歯や歯周病を防ぐ
が:がんの予防 食品の発がん性物質から生成される活性酵素を消す(唾液中の酵素が)
い:胃腸快調 胃腸への負担を減らすため
ぜ:全力投球 全身の活力を生む?

食べる時間帯

夜10時から深夜2時ごろまでは脂肪を合成するタンパク質である「Bmall」が昼間の20倍にも増加するため、食事のエネルギーの75%を志望に変えてしまいます。。。
深夜の食事には気を付けましょう。

 ●やせにくい人の食べ物 太りにくい人の食べ物

やせるために重要なことは、エネルギーバランスです。
単品ダイエットをするとエネルギーは減りますが、必要な栄養素を取り切れないため、減ってほしい体脂肪が減らず、筋肉や血液など減ってはいけないものが減ります。

筋肉が減少するとますます脂肪が落ちにくくなりますので、栄養素はまんべんなく取り、筋肉を落とさずに3か月くらいかけて体脂肪を減らしていくことが良いダイエットと言えます。

また、脂肪燃焼がダイエットに必須ですが、食事をとったときに身体が熱くなる現象をDTI反応と呼びますが、これは1日のエネルギー消費の10%に当たると言われています。

タンパク質>炭水化物>脂肪 の順でエネルギーを消費しますので、
ぜひタンパク質は筋肉を落とさないという意味でも、エネルギー消費を増やすという意味でも積極的に取りたいですね。

 ●やせにくい人の食べ方 太りにくい人の食べ方

カロリーだけがものさしじゃないことを頭に入れておくと良いでしょう。
栄養素密度が低いものほど、甘く、油が多く、口当たりが良いです。
それらはカロリーのわりに栄養素密度は低いので、取らないことが重要です。

一方で栄養素密度の高い食品は、緑黄色野菜、青魚、赤身肉、大豆製品、卵、乳製品、雑穀などが挙げられます。

また、トレーニング後は乳製品がおすすめです。
理由としては乳製品に含まれるタンパク質のアルブミンは水分の回復効果があり、カルシウムは骨づくりに大切だからです。

■この本から得た教訓

気づき

食べるものはもちろん大事だが、食べ方や食べるタイミングも疲れにくくするものや、太りにくくするものがある。
(野菜を先に食べるのは、食物繊維をとることによって血糖値の上昇をゆるやかし、午後のパフォーマンスを上げるため)

明日からできること

・朝食に半熟卵を食べる
・ごはんは五穀米にする


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