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「ビジネスモデルが崩壊したら起こること」#10

 企業が売上や利益を生み出す仕組みのことをビジネスモデルと言います。これがなかったら、事業を行うことはできません。また、ビジネスモデルを理解することは、事業を継続し発展させていくことに必要不可欠です。就活をする際にも、志望する業界や企業のビジネスモデルを理解することが重要です。

 それくらい重要なビジネスモデルですが、もしその仕組みが崩壊してうまく回らなくなってしまったら、一体どうなってしまうのでしょうか?

 今回は、ビジネスモデルの崩壊について山口豪志さんにお話ししていただきました!


【目次】
①ビジネスモデルが崩壊したら?
②実はビジネスモデルを立て直していたあの大企業


ビジネスモデルが崩壊したら?

 簡単に言えばその企業は潰れてしまいます。

 例えばAが書いた文章を、Bが契約して500円で買っているとする。さらにそれをBは出版社に5000円で売り、9割の利益を得ています。
 しかし出版社がその文章を買うのをやめたら、Bは売り先がなくなってしまいます。売り先がなくなれば、AがBに文章を売るのもやめてしまい、仕入れ商品もなくなってしまいます。そうなるとBは商売ができなくなってしまう。

 これがビジネスモデルの崩壊です。


実はビジネスモデルを立て直していたあの大企業

 残念ながら、基本的に一度崩壊したビジネスモデルの立て直しは難しいです。でも、立て直した会社も少数存在します。そのうちの一つが富士フイルム株式会社です。

 富士フィルムはデジタルカメラの普及でフィルムを使う機会が非常に少なくなってしまったことで、ビジネスモデルが一度崩壊します。しかし、フィルムの仕組みをなんと化粧品の技術として応用したのです。

 聞いたことがある人も多いかと思いますが、”アスタリフト”という化粧品ブランドです。写真時代に培ったコラーゲンやナノ化技術などさまざまな技術資産を化粧品事業へ応用した商品開発に成功しました。

美容パワーにあふれる赤い成分「アスタキサンチン」のナノ化に成功。デリケートな成分を独自のナノ化技術で安定・高濃度配合し、浸透力をアップ。ナノアスタキサンチンを配合した、赤いスキンケアシリーズ「アスタリフト」がついに誕生。
(アスタリフト総合ブランドサイト TOP>富士フイルムのテクノロジー)

  アスタリフトは2007年に誕生した比較的新しいブランドですが、質の高さと効果から、口コミ等で広がり、1万円以上する高額な美容液でも多くの人が購入するブランドにまで確立しました。

 総合ブランドサイトの「富士フイルムのテクノロジー」のページでは、アスタリフトシリーズの軌跡を見ることができます。今までどのように技術を応用し、ブランドとして成長してきたのかが分かり、とても面白いので是非一度見てみてください。

 ほかにも医薬品も含むメディカル・ライフサイエンス事業、ドキュメント事業など6分野を新たな成長の軸として据えたそうです。こうした大改革により、ビジネスモデルを立て直すことに成功しました。


 富士フイルムホールディングス会長・CEOの古森重隆さんは、新規事業を見極める際にしたことを次のように語っています。

会社には、技術基盤、財務基盤、ブランド力、質の高い社員という経営資源がある。まず自分たちがどのような技術や資源・強みを持っているのかを整理した。そして、それが適応できる市場、商品は何があるか。既存市場と新市場、既存技術と新技術で4現象のマトリックスを作り、それぞれの事業を区分けした。
(東洋経済ONLINE「富士フイルムはなぜ、大改革に成功したのか」2013/11/24)

 このように、自分たちのビジネスモデル、そしてその強みや弱みをしっかり理解することが大改革に成功した秘訣でした。

 山口さんも以前、「自分たちの強みを分かっている会社が強い」と仰っていましたが、本当にその通りなんだな、と感じました。


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そのための準備期間として、たっぷり時間のある大学生活で、少しでも社会のことについて理解しておきたい…!

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このnoteでは「働く」ことや「仕事」、「就職活動」について考えたはじめた大学生からの素朴な疑問に、山口豪志さんが答えます。

会社の選び方や働き方を、ビジネスモデルと関連させながら、解説していただきます。

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