燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや:えんじゃくいずくんぞこうこくのこころざしをしらんや #242 辞書の生き物
燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや
前回、「烏有に帰す」で「烏:いずくんぞ」を解説しましたが、今回もその「いずくんぞ」が入っていることわざです。
人の器の大きさを鳥になぞらえた故事成語が由来の言葉であり、「小さな鳥(燕雀)には、大きな鳥(鴻鵠)の考えがわからない」という意味の言葉です。
そこから転じて「志を高く持つ者の考えは、そうでない小者には到底把握することができない」という意味を持つようになりました。
「燕雀」は小さい鳥の代表として、「燕」は「ツバメ」を、「雀」は「スズメ」のことを表し、転じて器の小さい人を指します。
そして「鴻鵠」は大物の代表として、「鴻」とは「オオトリ」を、「鵠」とは「コウノトリ」のことを呼びあらわし、そこから転じて器量の大きい人を指すようになりました。
「いずくんぞ」とは漢文用語で「なぜ」や「どうして」といった疑問や反語を表す際に使われる言葉です。
「小鳥のような狭い視野を持つのではなく、大きい鳥のように広い視野を持つことの大切さ」を説く言葉としても使われています。