前門の虎、後門の狼;ぜんもんのトラ、こうもんのオオカミ #173 辞書の生き物
前門のトラ、後門のオオカミ
一つの災難から逃れたあとに、続いてもう一つの災難に見舞われてしまうことのたとえです。
トラとオオカミはそれぞれやっかいな災難を表しています。
由来は中国の書物「評史」の表現で「前門に虎を拒ぎ(ふせぎ)後門に狼を進む(表門で虎の侵入を防いだあとに、裏門からは狼が入ってくる)」から作られた慣用句です。
「前門の虎、後門の狼」と並列で書いてあるように読めますので、同時に虎と狼が前後から迫ってくる「挟みうち」状態だと解釈して、2つの災難が同時に降りかかっているように使われることがありますが、間違いになります。
災難が連続して起こってくる状態のことを指しますので、ご注意ください。
一難去ってまた一難
連続して起こる災難という意味では、「一難去ってまた一難」が類義語として使えるでしょう。