辞書の生き物 #354 鶴の一声:つるのひとこえ
鶴の一声
会議などで、多くの人の議論や意見を取りまとめ、あるいはそれらを押しのけて、意思決定をさせる有力者・権力者の一言を表した言葉です。
普通の人が発する言葉よりも、権力を持つ人が発する一言の方が重みがあることの例えとしても使われます。
鶴の鳴き声は甲高く、遠くまで響き渡ります。力強く通りやすい大きい音声であることから生まれた慣用句です。
「社長のツルの一声でプロジェクトが始まった」などが例文になりますが、よく考えられた重みのある言葉の他に、周りの意見を聞かないワンマンなイメージで使われることもありますので、使うシチュエーションには注意しましょう。
鶴の一声は権力者などの重みのある言葉ですが、逆につまらない下々の言葉は「雀の千声:すずめのせんこえ」と表現されます。
雀が鶴に対する弱い方の代表として使われています。