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角を出す:ツノをだす #71 辞書の生き物

角を生やす:ツノをはやす

 「ツノを出す」は女性が嫉妬 (しっと) する、焼きもちを焼くことを表す言葉で、「角を生やす」とも言います。
 能楽などで、嫉妬に狂った女性の生霊(いきりょう)が角の生えた鬼形になるというところから、派生した表現です。

角隠し:ツノかくし

 結婚式で新婦が日本髪を結った上に頭を覆うかたちで被る、帯状・幅広の白い布は「角隠し」と呼ばれます。
 嫉妬を象徴する「角(つの)」を隠すことで、おしとやかで従順な妻になるという意味が込められています。
 女性は嫉妬で鬼になるとされていたことから、鬼になるのを防ぐという願いも込められているようです。
 嫉妬する男性もいると思いますが、女性の嫉妬の方が激しかったのでしょうか。
 雨月物語や能楽など、古くから女性の嫉妬深さが題材にされていたようですが、逆にいうとそれだけ男性陣の浮気性が問題になっていたということかもしれません。


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