辞書の生き物 #317 濡れ羽色:ぬればいろ
濡れ羽色
水に濡れた烏の羽の色のように、しっとりとしたつやのある黒い色を表す表現です。
特に「烏の濡れ羽色:カラスのぬればいろ」として、黒くつややかな女性の髪の毛を形容する言葉として使われます。
個人的には女性の長い艶のある髪がイメージされます。
「カラスの濡れ羽色」と言われますが、カラスの羽の色は、実は真っ黒ではなく、青や紫っぽい光沢を帯びた色に見えます。
これはカラスの羽が、その表面に構造色を持つためです。
構造色は、微細構造により光の中の一部の波長の反射が起こったり干渉したりするために起こる発色です。
シャボン玉やCDの表面、コガネムシやモルフォチョウなどの光沢が構造食です。
表面のキューティクルがきれいで健康的な女性の髪の毛でも干渉色が見られ、美しい黒い色が現れます。