閑古鳥が鳴く:カンコドリがなく #141 辞書の生き物
閑古鳥が鳴く
お客が入らなくて流行っていない店の様子や、商売などがうまくいっていない状態を表す慣用句です。
ここでの「閑古鳥」は鳥の「かっこう」のことで、漢字では「郭公」とも書きます。
学校で習った「かっこう かっこう しずかに」で始まる童謡の「かっこう」はご存じでしょう。この童謡の歌詞のように、「かっこう」の名前はその鳴き声からつけられたものです。
「かっこう」は、海外でも同様に鳴き声から命名されていますが、日本人とは聞こえ方が違うようで、英語では「cuckoo:ククー」と呼ばれています。
かっこうは街中と言うより野山で鳴いており、そのため少し物悲しい印象を持たれたのが由来のようです。
芭蕉の句にも「憂き我を 寂しがらせよ 閑古鳥」とあり、当時から寂しいイメージが定着していたようです。
寂し気なイメージを持たれた「かっこう」ですが、別の鳥の巣に卵を産んで育てさせる「托卵(note #47参照 )」という少々野蛮な習性を持っています。見かけだけでは本質は見えにくいものです。
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