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白鷺:シラサギ #46 辞書の生き物

白鷺城

 サギは美しいあるいは清々しいという意味をもつ「さやけし」が名前の由来とされており、姫路城には白鷺城という美しい呼び名が付いています。

 色の白いサギを「シラサギ」と呼んでいますが、正式な種名としてシラサギという鳥はいません。体の大きさによって、ダイサギチュウサギコサギなど大きさで区別されている白いサギの総称が「シラサギ」で、シラサギという種名の鳥は実はいないのです。大きさ以外に羽の色やクチバシの特徴で野鳥の会の方なら区別できるでしょうが、素人が水辺にいる白い鳥を見て、「あれはチュウサギだな」と特定するのは難しいでしょう。これからもシロサギと呼びましょう。

 ちなみに類縁の鳥で「ゴイサギ」がいますが、漢字では「五位鷺」と書きます。「五位」は宮中での位階の一つです。後醍醐天皇が庭の池にサギがいるのを見つけたところ、飛びたとうとしたので「待て」と言ったら飛び立たずにおとなしく捕まったため、命令に従った忠義な鳥として「五位」の位を授けたことに由来するとされています。

 1950年代に流行した高田浩吉の「白鷺三味線」の歌詞には 「白鷺は 小首かしげて 水の中」とありますが、作詞した西條 八十はどのシラサギのイメージだったのでしょうか。コサギくらいでしょうか。 

フィッシング詐欺

 警察関係の隠語として赤、青、黒、白詐欺という分類があるそうです。
アカサギ」結婚詐欺。
アオサギ」会社の書類、不動産関係の詐欺。
シロサギ」素人をだます詐欺。
クロサギ」詐欺師をだます詐欺。「クロサギ」というドラマになった漫画がありました。

 ネット上で横行するフィッシング詐欺にも警察の隠語があるのでしょうか。ここでのフィッシングの単語は魚を釣るFishingではなくPhishingです。魚釣り同様、偽のウェブサイトを釣りのルアーのように使って相手をだまして釣りあげようとします。気を付けましょう。


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