鳶に油揚げをさらわれる:トビにアブラアゲをさらわれる #102 辞書の生き物
鳶に油揚げをさらわれる
「トンビにアブラゲをさらわれる」とも言いますが、自分のものになると思っていたものや大事なものを、不意に奪われてしまうことを意味することわざです。 また、奪われて呆然としている様子を指すこともあります。
鳶は普段は上昇気流に乗って悠々と円を描くように飛んでいますが、ひとたび獲物を見つけると素早く空から降りて来て獲物をさらっていくイメージからできた言い回しです。
さらわれるものがなぜ油揚げなのかですが、鳶の好物が油揚げというわけではなく、人が神社に供えるものとして油揚げがあり、それを鳶が奪って食べたことからといわれています。
お稲荷さん
油揚げのお供えと言うとお稲荷さんを思い浮かべますが、お稲荷さんのキツネはご本尊ではなく神様のお使いです。また、キツネの好物が油揚げという訳ではありません。キツネの好物はネズミで、穀物や蚕を食べるネズミを捕ってくれるということで、神様がキツネを遣わしたとのことです。
神社ネズミを供えるわけにいかず、代わり米俵に見立てた稲荷寿司を供えるようになったという説があります。
自分の大事な油揚げをさらわれないように気を付けましょう。