辞書の生き物 #389 寄り鯨:よりくじら
寄り鯨
座礁鯨(ざしょうくじら)とも言われますが、クジラが何らかの原因で浜辺に打ち上げられる現象です。イルカの場合は座礁イルカと呼ばれるようです。
最近、浜辺にクジラやイルカ、あるいはイワシの大群などが打ち上げられるというニュースを耳にする機会が増えた気がします。
イワシなどの小魚は、肉食魚に追われてパニックになって集団で浜辺に押し寄せることがあるようですが、大型のクジラやイルカの場合、エサを追って誤って浅瀬に来たという場合や、潜水艦のソナーの音で迷わされたというケースもあるようです。
打ち上げられたクジラが救出されるケースもたまにありますが、多くはそのまま死んでしまい、埋められたり、骨格標本になったりするようです。
打ち上げられたクジラを有効活用した研究もあります。
漂着したクジラの死体を深海に沈めて、どのように深海生物に食べられていくか調査した映像が残っています。
サメなどの肉食系の魚だけでなく、カニや軟体動物、最後は骨までエサにする虫や菌までやってきて、クジラはきれいに利用されました。
エサの少ない深海での生き物の連鎖が確認できた研究です。