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「あなた」を金額換算せよ 〜最強の数値化エクササイズ〜 (前編)

数値化とは、数値になっていないものを数値で表現すること。いわば数値に置き換えることです。このマガジンではこれまでたくさんのアプローチでその「数値に置き換える」スキルを学んできました。

仕事柄、こんなことを考えます。

「最強の数値化エクササイズ」ってどんなものだろう?

難問です。何をもって最強か、正解はありません。しかしビジネスパーソンがするべき数値化の最終到達点は何かと考えたとき、私にはある答えが浮かびました。

「ビジネスパーソンとしての自分自身を数値化できること」

これができるなら、ビジネスにおける様々な事柄も数値化できる人材になっているのではないでしょうか。そこで今回はもっとも難しい(と私は思っている)テーマを題材にし、数値化というテーマをいったん締めくくることにします。

【問題】
ビジネスパーソンとしてのあなたはどれくらい価値のある存在なのでしょうか。具体的な金額に換算してください。

いくつか前提があります。

この問いに対して「プライスレスだ」とか「価値を金額で測るなんてナンセンスだ」とお感じになる方も多いでしょう。私はそれを否定しません。一方で、それはとても情緒的な視点であるとも思います。

現実的な視点で考えてみてください。ビジネスパーソンである以上、社会において価値を創造することが求められます。もしあなたが会社員なら、企業は価値を創造してくれることを期待するからあなたを雇用しています。もしあなたが独立したりフリーランスとして活動しているなら、あなたのしていることに価値があるからお客様はお金を払ってまで仕事を依頼するのです。

プロのスポーツ選手の世界は、ご存知のように誰もがその価値を金額換算されます。本来はあれが正しい姿であり、私たちビジネスパーソンも同じではないでしょうか。

私はあなたという人間の価値を金額で測れと申し上げていません。あなたというビジネスパーソンの価値を金額で測って欲しいと申し上げています。どうかここをお間違えないようお願いいたします。

そして、実際に考えてみるにあたり細かい設定はあなたにお任せいたします。たとえば1年間でどれくらいの経済効果を生み出すのかという問題に定義していただいても良いですし、勤務している会社に対して1日あたりいくらの貢献をしているかを計測する問題と定義しても良いでしょう。出来るだけ考えやすい問題に設定していただくのがよろしいかと思います。










では、シンキングタイム、スタートです!












さて、いかがだったでしょうか。私たちはビジネスにおいて数値化していくことを求められます。そして実際に数値化を実践しています。そんなあなたにとってもっとも身近なもの、つまり「あなた」を数値化することが実はもっとも難しいのではないでしょうか。私が「最強の数値化エクササイズ」とした理由です。

実際に企業研修などで実施すれば、皆様は大いに頭を悩ませ、思考停止に陥るでしょう。しかしそれでも汗をかき、どうにかして数値という言語に変換しようと知恵を絞ります。実に様々なアプローチが考えられ、「なるほどそれは面白い」と思えるアイデアも生まれます。結論となる数値が大事なのではありません。そこまでのプロセスがとても大切なのです。そういう意味で、先ほどの問題はひとりではなく複数人で取り組んだ方が発見や楽しさがあるのかもしれません。

さて、ここからはもっともシンプルで典型的な手法をご紹介しましょう。

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