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夏が終わる/FROZEN QUALIA が好きな話

はじめましての方ははじめまして。そうでない方もはじめまして。
君の特別になりたいと願ったあの頃には帰れないぶろわどと申します。

みなさんFROZEN QUALIA ってサークルしってますか。知らないですよね。

2016年に初のCD「ロードムービー」を発表し、その後も等身大の女の子の良さと、強さと切なさのある、芯の強い曲をたくさん出しているサークルさんです(以後敬称略)。

ディスコグラフィはこっち。

とりあえずM'aider聴いてくれ。頼む。

僕の中では2016年の秋M3でFROZEN QUALIA の「カレイドスコープ」と「ロードームービー」を手にしたところから音楽って面白い!と曲を漁り始めるきっかけをくれた偉大なサークルさんです。
当時は伊ケ崎綾香の音が目的だった音フェチ勢なのに、ここまで音楽聴くとは思ってなかったです。

そんな僕の音楽における原風景ともいえるFROZEN QUALIAですが、昨年にまだ活動していることを知って7th Mini Alum「BLUE」を手に取りました。
振り返ると8年前。未だにkazukiと夢乃ゆきが現役で創作をしていることに、多大な感動とあの頃の青春が蘇って、2024年の春M3で全ての旧譜を買ってきました。どれも粒揃いですが、やっぱり僕の原点と言える「ロードームービー」が一番好きなのでオススメ。頼む。全部聴いてくれ。

夏が終わる について

サークル紹介はこの辺で終えて「夏が終わる」とはなんぞや?という話をします。
これは2024秋M3の新譜「祝祭」に収録されている楽曲ですね。
何故成立したのかは存じ上げませんがkazuki × 夢乃ゆき × 佐咲紗花 のドリームチームが成立したMini Albumです。怖い。

試聴用全曲ダイジェストもあるぞ!
ラストに収録されているのが「夏が終わる」です。

ぶろわどの思う「夏」について

ここでお気持ち表明をします。僕の感じる夏と「夏が終わる」の親和性が高すぎました。

僕の思う夏というのは「何をしても正しい季節で、何をしても正しくない季節」です。例えばレジャーやハイキング。恋愛に勉強。死者への弔い。自己研鑽。どれを取っても夏というのはそれを行うのに正しい季節です。他の季節のそれより、明らかに正しい行いが多いです。
しかしながら、夏は四季の一つでしか無く、一般的には7月と8月の精々60日しかありません(気温があれこれで二季とかいうのは黙って下さい)

そうなると、何をしても正しい季節で、何をしても正しくやりきった季節にはならない。理屈はこうです。全て消化するのに120日かかるのに、60日しか存在しない。これだけです。
物語ではこれを何度も繰り返すことで無理やり正しい季節にする事例もありますが、現実においてこれは不可能です。

つまり、どれだけ必死に尽くしても何か心残りや後悔は残る。暗い味わいのあるも季節だと思っています。自身の限界を意識しながらも正しくあろうと抗う。これは人間の本質のように思います。
だからこそ限りある今や人間関係を大切にして、正しくあろうとする努力を日常で行っているのだと思います。
それでも抗いきれず、あるいは美化された正しい夏と現状の対比に憂鬱になったり、自暴自棄になる人も居る。そうして老いや衰えを感じさせる。または周囲の人間に支えられている事を認識して再起する。
とても美しいですね。
夏というのは何をしても正しいが、何をしても正しくない。ここに夏が終わるとの関連を勝手に見出したのでつらつらと書いていきます。

ほんぺん

はい。「夏が終わる」は夢乃ゆきと佐咲紗花、そしてkazukiによる最高の音楽ですが、特に歌詞ついて掘り下げていきます。僕は歌詞が好きなので。

歌い出し
頬に当たる缶ジュースの冷たさで目を覚ます
--君の特別になりたいと願ったあの頃には帰れない どれだけ呼んでみても季節は返事もせず進む

このフレーズを摂取した感動は今でも鮮明に覚えています。解釈違いの可能性も十分にありますが目を覚ましたというのは過去の想い出話で、君に恋をしていた季節を呼んでみても、時間は過ぎるばかり。
君が缶ジュースを頬に当てて目を覚ます私。もうこれだけで青春ですよね。誰がどう見ても青春です。あるべき夏の姿です。
それなのに、私はそれに対する心残りがある。
--夏が終わる 心地よい微熱とシャボンの香りだけ残して

この節から佐咲紗花のパートになるんですが、
一番側で君を見ていた 君の近くにただ居たかった
思い返せば全て君で作られていた
君は少し勘違いしていた 疾うに君は特別な存在
そんなことすら伝えられずに夏が過ぎた

ここの疾走感本当に大好きです。悔やみと取れる詞をここまで鮮やかに歌い上げるセンス……佐咲紗花に惚れ込んだ理由はここに詰まってる……
君への想いの強さが反芻されていて切ないながらも力強い。FROZEN QUALIA らしいパートです。

--君の大好きになりたいと願ったあの頃には帰らない
続く詞がこちら。1番の歌詞との対比構造が美しいですね。

--夏が終わる 爽やかな後悔と淡い痛みだけ残して
同じ夢を描いたら拙い棘がちくり
どこまでも純粋な記憶
君の声が今でも聞こえる
これは僕のいう「美化された正しい夏」です。本当にどこまでも正しいと思っている夏です。正しいはずなのに、あの頃に帰りたい。心残りがあるわけです。尊い。

--完璧な日々 なんてありやしない
これでいいんだと 言い聞かせてる
子供のままでいたいのに 子供のままじゃいられない
正しい夏を過ごしていた若い時分と老い大人になった現在の対比構造になってると僕は思います。昔は出来ていた君との青春が今は過ぎ去って大人になる儚さが美しい。

--夏が終わる 永遠を謳った幻 ついに夏が終わる
幕引きさえ煌めいてどこか切なくなれば
むず痒いフレーズばかり
浮かび上がって青に背を向けた
「正しい夏」に決別を告げる。ニュアンスが正しいかは分からないけれど、そんなものは初めからなかったことを受容し、現在と向き合うことを意識させる詞。
ついに夏が終わる 青に背を向けた ここの夢乃ゆきと佐咲紗花のWコーラスは絶対に聴いてください。
決意の強さとラスサビに向けての高揚感が多分に含まれた最高の声です。

--夏が終わる 誰も知らない
夏が終わる 二人の季節
夏が終わる 宝石に出逢った
夏が終わる
「美化された正しい夏」は一つの想い出。誰も知らない二人の季節となりますが、君の大好きになりたいと願った私が居た事はきっと私しか知りません。君と過ごした夏はどこまでも正しいものであったが、その思いを告げられないことで正しい夏とは呼べない。これは、誰にでもある些事ともいえるのですが、曲を通してとても綺麗に誰にでもあるコンプレックスを刺激して、コンプレックスへの回答を出して受容し、成長しているのが最高です。

曲的な話をすると、ここ本当に美しくてですね……お二人の声の調和がとんでもないです。生で聴きたいよ~~~~~~!!!!

おわりに

ぶろわどの持つ夏観がどこまでも性癖染みていて書くかは大分迷ったのですが、夏が終わると価値観の一致度が凄まじく、流石に書きたくなったので書きました。読んだ人の中では夏というのはもっと明るい季節だと思う人が大多数だと思うのですが、こういう夏もあるし、僕はこういうのが好き!というのを綴りたいので書きました。

というか、これを機にFROZEN QUALIA に興味を持ってもらえたら嬉しいです!!!!明るい曲や前向きな曲、等身大の女の子。摂取出来ます!!!!
読者には小倉唯のオタクさんも多いと思うので、Intro Situationみたいな味わいの曲もあるし、Dearみたいな曲もあります!

余談ですが、DIALOGUE+の夏の花火と君と青も同じ成分が含まれていますし、小倉唯さんでいうとFARAWAYや、Get Overで、ゆいかおりで言うとRainy Day 全部好きな曲です。

正しく全てをやり切った。何の後悔や心残りの無い「正しい夏」
いつか過ごしてみたいものです(:3 」∠ )_

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