<短編日記>MEMORIES
季節は忘れた
運転していると
時々水中にいる様に視界が歪む
車は傷が多い
生きている実感を何とか保っている
生きる屍のようだと 1日に何度も思う
すっかりサボり癖がついてしまっていた
どうしようもない気持ちになった時
会社から少し離れた海へ行く
松林を抜けた先の小さな浜辺
いつもの灰色の空と海
白く曇った空気
小雨が降ったり止んだり
車から降りて 階段を登り
まずは海全体を眺める
人気は少なく
人と会うときは大抵 犬の散歩か
同じようにサボる人たちが 車の中で寝ている