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インプット中毒に陥りがちな自分へ
自分は気づかないうちにインプットに傾倒しがちであると思う。小説よりも実用書に集中したり、専門書に傾倒したりする時期がやってきて、気づかないうちに身を委ねてしまうのだ。そんな時は、いつもお決まりの思考回路を辿って、インプットとアウトプットのバランスを取っていこうと思い直すのだ。今回はその過程をまとめることで、自分のために、あわよくば同じ悩みを抱える方々にとっての支えとなることを期待する。
そもそもインプットできる量には限りがある
言われれば当たり前の内容に過ぎないのだが、インプットに没頭している身ではなかなか認識できないものである。知識も技能も、この世にあるもののうちのほんの僅かしか手に入れることはできないし、時の経過とともに失っていくから、自分の中に残るものは指折りで数えるほどになるだろう。しかし、その真理に絶望するには若すぎる。
人生の価値は、何を得るかではなく何を残すかである
社会起業家の田口 一成さんの言葉と動画を引用する。好きなTED動画のTOP3に入る動画であり、事あるごとに見返すようにしている。何かを得ることに集中していても、何かを残さなければ誰の目にも触れないまま終わってしまう。せっかく受けた生、何かを残したいと思うのは本能的な欲求だとも思う。
自分はこれから何を残したいのか?
何かを残すことは大事だと思うけれど、自分の場合は何を残したいのか。この問いはあまりにも大きいので、まずは自分の立場ごとに、そして残したい対象ごとに分解してみた。以下に一例を示したい。
<仕事>
as 研究者 to 世界:持続可能な社会に必要な技術を開発・実装する。(例:担当プロジェクト・新規研究提案)
as 研究者 to 社外:研究成果を公開する。(例:雑誌論文・特許・学会発表)
as 研究者 to 社内:研究成果を公開する。(例:社内成果報告書)
<仕事&プライベート>
as 人間 to 世界:悩んでいる誰かに向けて文章を綴る。(例:体験記・小説)
<プライベート>
as 人間 to 友人:新しい体験を形成する。(例:旅行・雑誌づくり)
as 夫 to 妻:かけがえのない時間を過ごす。(例:日常の些細な喜び)
どんなに些細なことでも良いと思うのだ。大切なことは、自分が何を残したいのか、言語化できていることだと思う。目的が明確ならモチベーションは自然と湧く。そして、自分がやりたいと思っていることに対して必要なインプットを重ねていく方が、身に残りやすいし、何よりワクワクするだろう。インプットは目的が合ってこそ活きるのだ。
終わりに
アウトプットの質や量が凄まじい人は、大抵インプットの質や量も凄まじい。しかし逆は必ずしも真ならず、だ。常に自分がやりたいことを明確化した上で、それに見合うインプットを誠実かつ謙虚に続けていきたいものだ。