たまむし

ラーメンをえさに育つネコ研究者です。 【研究分野】分子生物学・合成生物学

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マガジン

  • 信じた音を奏でよう

    音楽を少し深く掘り下げる🎸

  • 仕事をもっとおもしろく

    仕事で意識していること👜

  • アッセイを考える

    分子生物学的な感覚を養うための思考実験🧪

  • 本は人を耕す

    ゆったりと、真にカルチベートされた人間になる📚

  • 心をすっきり軽やかに

    日々を楽しく過ごす習慣☕

最近の記事

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独立系書店の存在意義がわかった日

 「本は港」というブックイベントに妻と一緒に参加した。  本は大好きだが、ジュンク堂書店や紀伊國屋書店など大型書店に行くのが好きで、独立系書店はあまり訪れたことがなかったのが実情だ。妻や知人の話を聴くにつけ、独立系書店で自分自身の生きづらさに寄り添った本が見つかって嬉しいという人が多いように思う。独立系書店自体が多くの人にとって意義があることは理解しつつも、「少なくとも自分自身にとっては存在意義はあるのだろうか?」と思うことが多々あったのも事実だ。 常識をぶち壊す漫画  

    • Thom Yorke EVERYTHING 11/15 東京

       トム・ヨークの初ソロツアーに参加してきた。場所は LINE CUBE SHIBUYA。昨年に羊文学のコンサートを訪れて以来、約1年ぶりの来場となる。  トム・ヨークと言えばザ・スマイルのボーカルとして現在精力的に活動しているが、何と言ってもレディオヘッドのボーカルとしてのキャリアが名高い。今回は公演の記録と感想をまとめたい。レディオヘッドに対する愛が溢れてしまうかもしれないが、暖かい目で見守っていただけると嬉しい。 会場に対して思うこと ペットボトルの持ち込みが禁止され

      • 利他の精神性

         Netflix で公開されている『グランメゾン東京』を1ヶ月ほどかけて見通した。品川「カンテサンス」の岸田周三シェフが監修を務めており、登場する料理全てがユニークで食欲をそそる。世の中にはこんな食材の組み合わせ方があるのか、と勉強になるとともに感心してしまう。  話は大きく変わるが、今年のゴールデン・ウィークに妻と浜松へ旅行する機会があり、そこでドロフィーズ・キャンパスという場所を訪れた。北欧風の街並みが特徴的なこの場所は、地元の建設会社である都田建設が主となって街作りを

        • 【アッセイを考える #6】必要なサンプル数はいくつ?

           「アッセイを考える」シリーズの6回目である。前回はハイスループットな定量試験で用いられるウェルプレート上で発生するグラデーションの実情とその原因探索について深堀りしてみた。  今回は、定量試験の延長として、アッセイのサンプル数($${N}$$ 数)に着目してみようと思う。盲目的に $${N}$$ = 3 でやってみることもよくやるが、それで不十分な場合もある。一方で、無限にサンプル数を稼ぐことはできるわけでもないので、目的に合わせた試験デザインが必要となる。 【問題6】

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        独立系書店の存在意義がわかった日

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        • 本当の意味を追い求めて
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        記事

          生活のノイズ

           2024年で話題にのぼることの多かった『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』。評論は労働史を扱ったものであり、その点でもユニークではあるのだが、「現代人が読書できない最大の要因は、読書がノイズで必要とされないからだ」という結論に、私は最も感心した。それを裏付けるような読書経験が、私の中にも確かに存在する。  今回は、「読書=ノイズ」論を筆頭に、生活におけるノイズを俯瞰し、ノイズとの付き合い方を思索してみたい。 実用書・ビジネス書に”逃げる”人 私は小説だけでなく、実用

          生活のノイズ

          健康を徐々に蝕む悪魔たち

           私は風邪を引くこともほとんど無いし、大きな病気を患った経験も殆ど無いので、比較的健康と思っていたのだが、「本当に健康なのか?」と問われると即座に頷けるものではない。自分の身体を 100 とした時に、40 ほどの大ダメージを受けることはなくても、5 〜 10 くらいのダメージは頻繁に受けていると思う。2024年はそれらをきっちり明確にして、自分の体を常に 100 付近に持ってこれるようにしようと思い始めたのだ。 耳垢栓塞(複雑なもの) ふとした時に妻に耳を覗かれ、耳垢の多さ

          健康を徐々に蝕む悪魔たち

          【アッセイを考える #5】ウェルプレート内のグラデーションの解決

           「アッセイを考える」シリーズの5回目である。前回は、物質の定量試験という、やや分析化学に近しい状況を題材に、夾雑物の影響を如何にして評価するか(添加回収試験)という観点で特に深く掘り下げてみた。  今回は、ハイスループットな定量試験で多用されるプレートリーダーに関して、そのトラブルシューティングを例に取り上げてみたい。 【問題5】  ウェルプレートを用いて各ウェルのシグナル強度を測定したところ、ウェルプレート内でシグナル強度にグラデーションが生じていた。何が原因と考えら

          【アッセイを考える #5】ウェルプレート内のグラデーションの解決

          【アッセイを考える #4】見たいものを正しく見る

           「アッセイを考える」シリーズの4回目である。前回は、2種類の基質を持つ酵素の反応速度論に迫り、酵素の性能を正しく知るための方法論をたどってみた。  今回も細胞アッセイを離れて、物質の定量に着目してみたい。どちらかというと分析化学に近い内容であるが、分子生物学とは切っても切り離せない関係にある。ルーチンで定量試験を回すことも多いと思うが、実は正しく定量できていなかったということも多い。正しく定量するとはどういうことか、考えてみたい。 【問題4】  血液サンプル中に含まれる

          【アッセイを考える #4】見たいものを正しく見る

          HIKARU UTADA SCIENCE FICTION TOUR 2024 横浜

           宇多田ヒカルのライブに参加した。記録として残してみたい。 セットリスト セットリストが Spotify で公開されており、まずは一覧を紹介しようと思う。  彼女のディスコグラフィをおおよそ時系列順に辿るような曲順になっている。気持ち的には全曲紹介したいところではあるが、その中でも思い入れ深い曲を取り上げていきたい。 宇多田ヒカルとの出会い 私が宇多田ヒカルを聴き始めたのは高校1年生の秋だった。『traveling』を初めて聴いた時、「これほど素晴らしい音楽を作れる人が

          HIKARU UTADA SCIENCE FICTION TOUR 2024 横浜

          アニメ『SHIROBAKO』をこれから何度も見返すと思う

           平日の夜の時間を使って約1ヶ月半かけながら、お仕事アニメの代表格『SHIROBAKO』を見た。私が学生の頃に放映されていたアニメであるが、社会人をある程度経た今だからこそ響くアニメのような気がする。名言がたくさん出て、私の過去の経験と重なるところも多かったので、記録してみたい。 杉江さんは基本があるから描けるんだよ 萌えアニメが描けない杉江茂は武蔵野アニメーションのお荷物的存在として描かれていたが、動物の原画の描写に困っていた安原絵麻を救ったのは、他でもない彼の助言だ。彼

          アニメ『SHIROBAKO』をこれから何度も見返すと思う

          製薬×データサイエンスMeetup2024 参加記録

           先日、以下のイベントにオンラインで参加した。  過去に創薬研究に携わっていたこともあるし、別分野ではあるもののドライ業務に携わっていることもあって、本イベントへの参加を決めた。  非臨床研究のみならず、CMC や営業などでの活用事例も紹介されており、創薬に携わる全ての人がデータサイエンスに関与できる可能性を提示している点が、とても意義深いと思う。それぞれの立場でデータサイエンスを通じて提供できる価値があり、研究者の間でもいまだに抽象的な文脈で語られがちなデータサイエンス

          製薬×データサイエンスMeetup2024 参加記録

          SUMMER SONIC 2024 東京1日目 ③タイムスケジュール・雰囲気

           サマソニの記事も第3弾である。①音楽、②服装・持ち物に続いて、③タイムスケジュールの組み方や会場の雰囲気について具体的に話していきたい。フェスの行程を組むうえで参考になれば幸いである。 タイムスケジュールの一例 参考までに私のタイムスケジュールを事細かに書いてみようと思う。 スケジュールを組む上で気をつけたこと昼食の時間帯・料理  入場した11:00頃の時点で、幕張メッセは以下写真のような混み具合であった。この段階だと移動は難なくできるし、昼食用の座席も空いていたので、

          SUMMER SONIC 2024 東京1日目 ③タイムスケジュール・雰囲気

          SUMMER SONIC 2024 東京1日目 ②服装・持ち物

           前記事の続きとして、この記事では音楽に関する内容を最小限にして、服装や持ち物の話をしてみようと思う。  猛暑真っ盛りの時期であり、初参戦ということで、様々な情報源にあたって入念に準備してきた。結論として、殆どが持っていって良かったもので、逆に不要な物を持っていかずに済んだと思う。特に今回は、開催前日に台風が吹き荒れ、当日は台風一過で37度近くを記録する異常な暑さだったため、暑さ対策は万全に行った。計画的に準備したい人向けの記事となっている。 服装 参加者の服装を見渡して

          SUMMER SONIC 2024 東京1日目 ②服装・持ち物

          妻の寝言を記録するという趣味

           結婚して約1年になる妻がいる。今回は妻に関する記事を初めて書いてみようと思う。 妻が教えてくれたもの 彼女はとても感性的で、日常のささやかな気づきをとても大事にしている。大抵の場合において理性的に物事を捉えてしまう私と対比して、妻はこれまで私が見てこれなかった世界をたくさん見せてくれるので、毎日が楽しい。例えば、恋愛リアリティショーやブックイベントは、妻が教えてくれて私がハマったものの一例である。  他にも、ミニシアターで映画を見たり、美術館に足繁く通ったりすることは、

          妻の寝言を記録するという趣味

          SUMMER SONIC 2024 東京1日目 ①音楽

           先日、人生初サマーソニックに参戦してきた。今回はその備忘録も含めて、①「音楽」、②「服装・持ち物」、③「タイムスケジュール・雰囲気」の3回にわたって記事を書いていこうと思う。今回は①「音楽」についてである。 Lauren Spencer Smith(ローレン・スペンサー・スミス) レディー・ガガやアデルを思わせる孤高のシンガーという印象で、圧倒的に美しいその歌声に聴衆はただただ釘付けになるしかなかったような雰囲気であった。途中でレディー・ガガのカバーを挟みつつ、代表曲『F

          SUMMER SONIC 2024 東京1日目 ①音楽

          わからなくても触れてみる

           文章を読んでも理解できない経験は、誰にとってもあるだろう。少し難しい専門書を読んだり、いわゆる古典的な名著を読んだりした時など、その例は枚挙にいとまがない。  私なりに大事だと思っているのは、わからないなりにもとりあえず読んでみるということだ。理解できなかったとしても、その時は字面だけを追ってみる。すぐには使える知識にならなくても、時間が経つ中でいつかストンと理解できるときが来る。その経過時間で様々な用語に触れ、様々な経験を獲得するからだと思う。知覚する世界の解像度を高め

          わからなくても触れてみる