見出し画像

〇〇市のコロナワクチンに関するQ&A、「運び屋」のブログが参考文献!?

地方自治体が制作しているコロナワクチン接種に関するチラシなどは、企業なら違反となるような表現が使われているものが多数あります。多くはテレビ同様に、接種のメリットばかりを強調した偏った情報です。接種後の健康被害が起きていることは「事実」なのに、「事実」として伝えようとしないのはなぜなのでしょうか。

香川県調査の感染予防効果「94%」とは?

先日の集団免疫に関する記事で、香川県のチラシを取り上げました(下記参照)。

裏面

https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/27043/20210922_panel5.pdf


拡大

https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/27043/20210922_panel5.pdf

この「香川県調査」というのが気になったので調べてみたら、下記のページに詳細がありました。


https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/22091/0907vaccinekouka2.pdf

約94%というのは、ここからでてきた数字でした。けれども、このデータには足りない情報があり、明らかに接種への「誘導」だと感じます。

まず、感染の基準が書かれていません。PCR陽性を感染者としてカウントしたと思われますが、自己申告か受診記録なのかなどがわかりません。また、ワクチン未接種または1回接種済で感染者としてカウントされている人たちの内訳が書かれていません。なぜ2回接種済みだけ、内訳を出しているのでしょうか。1040人の中には、無症状が何人いたのか知りたいです。そもそも、ワクチン未接種と1回接種済が同じ括りなのもおかしいと思います。

また、期間も8月1日~8月20日と短いです。効果がどれくらい維持されるかはわかっていないのに(下記参照)、短期間でのデータであることをあのチラシには書いていません。

コミナティ筋注(ファイザー社製) 添付文書より

そもそも、感染予防効果や重症化予防効果、集団免疫効果があるとは、添付文書には書かれていません。

94.4%減少というのは、ファイザー社が出した有効率と同じように計算されたと思うので、ファイザー社の臨床試験結果を見ておきましょう。

ファイザー社 コミナティ筋注 添付文書より

臨床症状:発熱、新たな咳嗽又は咳嗽の悪化、新たな息切れ又は息切れの悪化、悪寒、新たな筋肉痛又は筋肉痛の悪化、新たな味覚又は嗅覚の消失、咽喉痛、下痢、嘔吐

https://www.pmda.go.jp/drugs/2021/P20210212001/672212000_30300AMX00231_A100_6.pdf

ファイザー社のC4591001 試験では、上記の症状を1つ以上認め、PCRで陽性になった人を感染症確定としていました。
審査報告書 「7.R.2.1 有効性の評価項目について」より

ワクチンの効果は、ワクチン接種群とプラセボ接種群を比較して評価するため、発症した人の割合がプラセボ接種群より少なければ、発症を予防する効果があったものと判断できるとのこと。

なので、「プラセボ群での発症割合(162/18,325)を100%」とした時の「ワクチン投与群の発症割合(8/18,198)」を算出すると、発症が約95%抑えられたという評価になるそうです。

けれども、発症しなかった人の割合を見ると、ワクチンを接種していなくても約99%の人が発症していません。その事実も、あわせて伝えるべきではないのでしょうか。

私はこの結果を見たときに、接種しなくてもそんなに変わらないのだと思いました。発症する可能性を0.884%から0.043%にしたから「有効率が95%」だと言っても、そもそも発症した人の割合はどちらも1%以下だったのです。

どのように捉えるかは、個人の考え方によるでしょう。けれども、「有効率95%」という表現だけだと、このワクチンがものすごく効果があるように見えます。これが臨床試験での評価の仕方なのでしょうが、私には数字のトリックのように思えました。

一般人には馴染みのない評価なので、誤解されないようにわかりやすく説明する必要があったと思います。きちんと説明している自治体がないか調べていたら、新潟県の「20歳以下の新型コロナワクチン接種に関する陳情」に、私と同じように考えている人がいました。

長いので一部だけ引用します。

(略)
ワクチンの有効率「95%」は、私たちに馴染みのある計算方法ではない。分母を「接種者」「非接種者」をそれぞれにして計算すると、接種してもしなくても99%以上は発症しない計算になる。同じ結果でも、見せ方を変えると印象は大きく変わるが、その事を私たちは伝えられていない。
(略)
ついては、貴議会において、次の事項に配慮されたい。
1 中国武漢患者からの、新型コロナウイルス(SARS-CoV−2)の存在証明(単離)を示すこと。
2 ワクチン接種の効果を検証し報告すること。
3 偏りのない、正確な情報が伝えられていない為、20歳以下のワクチン接種を中止すること。
4 冷静にデータを見て判断し、20歳以下のワクチン接種を中止すること。

https://www.pref.niigata.lg.jp/site/gikai/r0402-tinnjyou11.html

「ワクチン接種の効果を検証し報告すること」は当然のことだと思うのですが、この陳情は、令和4年3月25日に不採択となっています(下記参照)。

他にも、「こどもの新型コロナウイルス感染症罹患後と同ワクチン接種後の健康状態調査を求めることに関する陳情」「新潟県における新型コロナウイルスワクチンの接種後の副反応の状況の公表と予防接種健康被害救済制度の周知を求めることに関する陳情」なども、不採択となっていました。調査や報告、周知などは当然するべきことだと思うのですが、なぜ不採択なのでしょうか。

話を香川県に戻します。

香川県の場合も、接種してもしなくても、99%の人が発症していないのに、接種した方が感染率がものすごく低いような印象を与えています。内訳が書かれていませんが、もし未接種でも感染者の中に無症状が多かったなら、受ける印象も違ったでしょう。

この調査について、県民からの提言もあったようです。

受付年月日:2022年06月08日 
以下、一部引用。国の不正とは、接種日不明者を接種歴なしに計上していた問題です。

香川県のホームページには、香川県におけるワクチン接種の効果としてワクチンを打った方が感染しないように掲載していますが、国と同じやり方で不正はしていませんか?県民が安心してワクチンを打てるように、確認し、不正がなくてもあっても発表すべきです。

また、データが昨年(2021年)8月のものとなっていますが、現在のウイルス株とは異なるウイルス株の時期のものであり、最新のデータを公表すべきです。今のままではオミクロン株に対しても効果があるように見えてしまい、県民が効果を誤認したままワクチン接種をするかしないかの判断をしてしまいます。

https://www.pref.kagawa.lg.jp/kocho/kocho/koe/k0216040608.html

回答年月日:2022年06月14日
以下、一部引用。

香川県のホームページに掲載している、新型コロナワクチン接種の効果に関する資料につきましては、デルタ株流行時に、昨年(2021年)8月1日から8月20日までの本県の感染者(12歳以上)となった方に聞き取りなどの調査を行い、ワクチンを2回接種した方とそうでない方に分類し、それぞれの全体の人数における感染者数の割合を分析したものを、昨年8月20日時点の情報としてお示ししているものです。

ご指摘の最新のデータに基づく資料につきましては、オミクロン株による新規陽性者数の急激な増加などに伴い、ワクチン接種歴などの正確なデータの把握が困難であることから作成しておりませんので、ご理解ください。

https://www.pref.kagawa.lg.jp/kocho/kocho/koe/k0216040608.html

「聞き取りなどの調査を行った」とありますが、やはり「感染」の基準や未接種者の感染に関する内訳などがわかりません。

新潟県も香川県も、県民の命や健康についてちゃんと考えて対応しているのでしょうか。これらの回答や不採択であることを見る限り、接種を勧めるために回答しているだけとしか思えません。

愛知県小牧市のQ&Aページは偏りすぎ

さらに、いろんな意味で驚きの自治体を発見。

愛知県小牧市のHPに、市民からの質問とその回答が書かれているページがありました。その中から、いくつか引用します。

質問2. たった1年で作られ、長期毒性の検査は終わっていないこと(そのために正式な認可が下りません)というように指摘する情報を見ましたが事実ですか?

質問3. 今回は動物実験を飛ばし、長期毒性の経過をみることも飛ばし(通常ワクチン製造まで5-10年ほどは経過を見るもの)、歴史上初めて人間の体に使われていること(人体実験の段階)。すべては試験管の中で実験されたものでしかないことというように指摘する情報を見ましたが事実ですか?

http://www.city.komaki.aichi.jp/admin/korona/35003.html

このような疑問を持っている方は多いと思います。これに対して小牧市は、下記のように答えていました。

【質問2,3の回答】mRNAワクチンは、基礎研究、動物実験、治験が省略されることなく実施され、リスクを上回る臨床的に意味のある有効性が確認されています。

その上で、いつまで効果が持続するかという長期の有効性を確認するための治験が継続して行われています。
衆議院議員 河野太郎公式サイトより

http://www.city.komaki.aichi.jp/admin/korona/35003.html

なんとリンク先は、私も何度か取り上げている、元ワクチン担当大臣のブログ「ワクチンデマについて(2021.06.24)」です!
デマを否定している記事ですが、事実さえもデマだと言っています。

何度読んでも腹立たしいのですが、デマとして挙げられているものを2つ引用します。

「長期的な安全性がわからない」
mRNAは半日から数日で分解され、ワクチンにより作られるスパイク蛋白も約2週間以内でほとんどがなくなります。

mRNAワクチンが遺伝子に組み込まれることはありません。
mRNAワクチンでもアナフィラキシーが起きることがありますが、症状が出るのは接種してから2日以内に限られます。
これまでのワクチンでも、ほとんどの副反応が6-8週間以内に起きることが知られています。

以上のことから、コロナワクチンの長期的な安全性について特段の不安があるということはありません。

ワクチンデマについて より

「mRNAは半日から数日で分解され」とありますが、ファイザー社はラットで行った48時間までのデータしか出していませんし、ヒトで調べたデータも出していません(下記参照)。

「長期的な安全性がわからない」というのは事実です。審査報告書にも書いてあります。


審査報告書 より


「ADE(抗体依存性増強現象)が起きる」
ワクチンや過去の感染により作られる抗体が、ウイルスの感染を増強してしまうことをADEといいます。
デング熱ワクチンやSARSワクチンでこのようなことが起きたことがあります。
しかし、ファイザー社とモデルナ社のmRNAワクチンでは、高い中和作用がある抗体とバランスのよいリンパ球の動きが確認され、動物実験でもADEは観察されず、大規模な治験においてもADEの報告はないことから、新型コロナワクチンに関して、ADEの可能性は考えにくいとされています。

ワクチンデマについて より

疾患増強についても、「可能性は考えにくいとされています」と言っていますが、ファイザー社のリスク管理計画書には「重要な潜在的リスク」として挙げられています。

ファイザー社提出のリスク管理計画書 より

本剤の臨床試験において報告されていないものの,以下の報告を踏まえ,本剤の接種を受けた者が SARS-CoV-2 感染症に罹患した場合,VAED/VAERD により重症化する可能性があると考えられることから重要な潜在的リスクとした。

https://www.pmda.go.jp/RMP/www/672212/844b8dfe-491e-470f-ab0f-31f68e867f5e/672212_631341DA1025_022RMP.pdf

ファイザー社が「VAED/VAERD により重症化する可能性があると考えられる」と言っているのだから、「わかっていない」だけで「デマ」ではないはずです。

このブログをずっとそのままにして、訂正しないことにも呆れますが、これを参考文献として使っている小牧市にも驚きました。

小牧市のHPには、他にも驚くようなことがたくさん書かれています。

ワクチンは若者の健康、命を守る
(略)
しかし、私たちは臨床試験(https://www.nejm.org/ doi/10.1056/NEJMoa2107456)でワクチンに高い有効性を確認できました。これは本当に幸運なことです。ワクチン接種を受け、免疫ができることによって、感染や発症の確率を大きく減らすことができるのです。
(略)

http://www.city.komaki.aichi.jp/admin/korona/35003.html

「これは本当に幸運なことです」ってビックリです。さらに、自治体のHPとは思えない文章が続きます。

高齢者や持病のある家族を守る
また、ワクチンが守るのは、接種を受ける本人だけではありません。自分自身がワクチン接種を受けることで、感染しにくくなり、仮に感染してしまってもウイルスの量を低く抑える効果(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2107058?query=TOC&cid=NEJM%20eToc,%20July%201,%202021%20DM126402_NEJM_Non_Subscriber&bid=527418551)が知られているため、同居する家族や日常的に接する友人、同僚を守る効果も期待できます。身近に重症化リスクの高い持病のある人や高齢者がいれば、なおさらワクチンが重要になると言えるでしょう。

逆に言えば、ワクチンを接種しないことで、あなただけではなく周囲の人を危険にさらしてしまうかもしれません。実際に、600人以上の子どもが参加したサマーキャンプで200人以上の感染者が出て、そこから48人に二次感染が広がり、4人の大人の入院が生じたという事例報告(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2031915)もあります。
隣の席に座った高齢者、持病のある人は、皆誰かの大切な人であることを忘れないでください。ワクチン接種は周囲の人を守ることにもなるのです。

http://www.city.komaki.aichi.jp/admin/korona/35003.html

これはもう、「脅迫」に近いと思います。他にもいろいろ、驚くようなことが書かれていました。

どんなに論文が発表されていても、添付文書の効果効能は「SARS-CoV-2による感染症の予防」だけで、感染予防効果も重症化予防効果も追記されていません。特例承認で申請された効果は「発症予防効果」だけなのです。

添付文書に書かれていないということは、製薬会社が認めていないということだと思うのですが、なぜ勝手にこんなことまで言えるのでしょうか。

企業だったら、「医薬品等適正広告基準」に引っかかるレベルだと思います(下記参照)。


https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000179263.pdf
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000179263.pdf

小牧市のQ&Aは、論文なども調べているようですが、メリットばかりに偏っていると感じました。そして、メリットとデメリットのデータを揃えるのではなく、「ワクチンを接種しないことで、あなただけではなく周囲の人を危険にさらしてしまうかもしれません」などと言って、接種しないことが悪いことのように思わせる文章がとても恐ろしいです。

このような文章を載せてもいいと、誰がOKを出しているのでしょうか。

担当者は何を見て制作しているのか?

他の自治体でも、コロナワクチンに関するチラシやHPのQ&Aには、企業なら違反とされる表現を使っているものが多々あります(下記参照)。


地方自治体の担当者は、何を見てチラシやポスターを作っているのでしょうか。このような制作物は、一次情報を確認して文章を考えることが基本だと思います。

日本語で読める一次情報として、特例承認の審査報告書と添付文書(下記参照)は読むべきでしょう。それらを読んだら、このような表現はできないと思うのですが、読んでいるのでしょうか。また、情報のアップデートとして、厚労省が公開している「副反応疑いの報告」には、目を通しているのでしょうか。それらを読んだら、効果や安全性に疑問を持つと思うのですが・・・。

審査の報告書はページ数も多いですし、私たち一般人には難しい内容なので、それを県民や市民の代わりに読んで、内容を伝えるのが知事や市長の役目なのではないのでしょうか。わかりにくい厚労省のサイトで公開されている「副反応疑いの報告」にも目を通し、県民や市民にリスクを伝えるのも知事や市長の役目だと思います。それらを行っている知事や市長は、何人ぐらいいるのでしょうか。

私が知る限り、高齢者の接種が始まった早い時期からリスクも伝えていたのは、大阪府泉大津市の南出市長だけでした。

南出市長は、子どもの接種が始まったときも、リスクが高いことを厚労大臣の発言や厚労省の資料などから読み取って、きちんと市民に伝えています。

下記は、2022年3月1日に公開されたABCテレビ(朝日放送テレビ)ニュースの動画です。約6分の動画ですが、他の自治体との違いがよくわかります。


他の自治体は、なぜこんなにも偏った情報しか伝えないのでしょうか。一因と思われる資料があったので、次の記事で取り上げたいと思います。

追記:続きを書きました。