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乳幼児のワクチン同時接種後の死亡事例

厚労省のサイトで、「ワクチンに関する死亡報告一覧」が公開されています。その中には乳幼児の死亡事例もあり、何種類ものワクチンを同時接種していることに驚きました。日本小児科学会は「同時接種をより一般的な医療行為として行っていく必要がある」と言っていますが、様々な組み合わせで同時接種されているワクチンの安全性を、どうやって確認しているのでしょうか。

乳幼児の予防接種スケジュール

下記は、日本小児科学会が推奨している予防接種スケジュールです。こんなにたくさんのワクチンが、本当に必要なのでしょうか。乳幼児期にこれをすべて接種するのは、無理があると思います。


https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20240401_vaccine_schedule.pdf

日本小児科学会のサイトには、同時接種についての考えも公開されています。

以下、一部引用です。

日本小児科学会の予防接種の同時接種に対する考え方
日本小児科学会 2020 年 11 月 24 日 改訂

日本国内においては、2 種類以上の予防接種を同時に同一の接種対象者に対して行う同時接種は、医師が特に必要と認めた場合に行うことができるとされている。一方で、諸外国においては、同時接種は一般的に行われている医療行為である。特に乳児期においては、多くのワクチン接種が複数回必要である。日本の子どもたちをこれらのワクチンで予防できる病気(VPD: Vaccine Preventable Diseases)から確実に守るためには、必要なワクチンを適切な時期に適切な回数接種することが重要である。そのためには、日本国内において、同時接種をより一般的な医療行為として行っていく必要がある。

同時接種について現在分かっていることとして以下のことがあげられる。
1)複数のワクチン(生ワクチンを含む)を同時に接種して、それぞれのワクチンに対する有効性について、お互いのワクチンによる干渉はない。(注)
2)複数のワクチン(生ワクチンを含む)を同時に接種して、それぞれのワクチンの有害事象、副反応の頻度が上がることはない。
3)同時接種において、接種できるワクチン(生ワクチンを含む)の本数に原則制限はない。
注:例外として、13 価結合型肺炎球菌ワクチンと髄膜炎菌結合型ワクチン(メナクトラ®)の同時接種で、一部の血清型の肺炎球菌に対する抗体価の上昇が減弱することが報告されている。

http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/doji_sessyu20201112.pdf

死亡事例を見ると同時接種の組み合わせは人によって様々であり、その全ての組み合わせによる安全性の確認なんて製薬会社は行っていないはずです。それでも、「複数のワクチン(生ワクチンを含む)を同時に接種して、それぞれのワクチンの有害事象、副反応の頻度が上がることはない」と、なぜ言えるのでしょうか。

ワクチン同時接種後の死亡事例


厚労省のサイトでは、ワクチン接種後に死亡した乳幼児の事例も公開されています。

資料2-34  ワクチン接種後の死亡報告一覧

詳細不明なものもありますが、詳しく書かれている事例もあります。今回は、同時接種後の死亡事例3件を取り上げます。

(症例 No.3)
Hib(インフルエンザ菌 b 型)、肺炎球菌、ロタウイルスワクチンの同時接種。ワクチン接種後30分以内に、死に至る体調不良が睡眠中に突然出現し、翌日に死亡。

https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001280826.pdf


報告内容
(1) 事例
2カ月(接種時)の男性。
2024年1月23日午後3時30分、A医院にて、乾燥ヘモフィルスb型ワクチン(担体たん白質結合型)1回目、沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)1回目及び5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン1回目が同時接種された。接種前診察で異常及び感冒症状は認められなかった。

接種後、車で帰宅され、自宅前に停車し、車内で授乳後、自宅に入った。自宅に入った直後は普段通りであり、枕無しで仰臥位に寝かしつけられた。午後4時頃におむつを替えようとしたところ、顔色不良、嘔吐痕及び鼻出血が認められた。発見時、顔及び身体には何もかぶされておらず、呼吸が認められなかったため、母親がすぐに心臓マッサージを開始した。午後4時6分、救急要請された。午後4時15分、救急隊到着時、ジャパン・コーマ・スケール300、体温36.2℃及び両眼瞳孔5 mm/5 mm
で明らかな外傷、出血及び気道内異物は認められなかった。

午後4時24分、自宅を出発し、救急隊により胸骨圧迫が行われながらB病院へ救急搬送された。午後4時29分、B病院到着時心静止が確認された。気管内挿管が行われ、初回の吸引物はミルク様であった。アドレナリンが5回投与され、自己心拍が再開した。胃内チューブが挿入され、多量のミルクが吸引された。血液検査では、逸脱酵素の上昇及び乳酸の上昇が認められた。血球数は大きな問題なく、C反応性蛋白の上昇及び高カリウム以外の電解質異常は認められなかった。また、インフルエンザ
ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、アデノウイルス、RSウイルス及び新型コロナウイルスの迅速抗原検査は全て陰性であった。胸部レントゲン検査では、左肺野の軽度の透過性低下及び胃内ガスの貯留は認められたが、心拡大、胸水貯留及び肺浸潤影は認められなかった。コンピューター断層撮影検査では、低酸素性脳症及び両側性肺炎が認められた。その後、徐々にアシドーシスの進行が認められ、1月24日午後5時43分、死亡が確認された。

1月26日、剖検が実施された。高度の脳浮腫、動脈管開存、卵円孔開存及びリンパ節発育不良が認められ、脾臓にはリンパ濾胞が認められず、腸管浮腫及び損傷は認められなかった。

(2) 接種されたワクチンについて
乾燥ヘモフィルスb型ワクチン(担体たん白質結合型)(サノフィ V1E77)
沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)
(ファイザー GR2681)
5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン(MSD X010825)

(3) 接種時までの治療等の状況
在胎週数は37週で出生体重は2461 gであり、一絨毛膜二羊膜双胎であった。出生前及び出生時の異常は認められなかった。発育及び発達の異常は認められず、1カ月児健診においても問題は認められなかった。基礎疾患、既往歴、アレルギー歴、副作用歴、家族歴及びワクチン接種歴はなかった。無呼吸及びチアノーゼ発作の既往もなかった。定頸は未完了であった。普段の就寝時の着衣は普通で、体位は仰臥位であった。栄養方法は混合栄養であった。双胎同胞の乳幼児突然死症候群(SIDS)またはSIDS疑い及び原因不明の乳幼児突発性危急事態は認められなかった。

・ワクチン接種との因果関係についての報告医等の意見
嘔吐痕と気管内挿管後の吸引物がミルク様であったことから、窒息の可能性が考えられる。嘔吐に至った直接的な原因や前後関係ははっきりしない。ワクチンとの関連性は不明であるが、完全に関連性を否定することは出来ない。

・専門家の評価 γ(情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係が評価できない)
ワクチン接種後30分以内に、死に至る体調不良が睡眠中に突然出現した。発見時、嘔吐と鼻出血が認められたが、その原因や死亡におよぼした影響は不明である。乳幼児突然死症候群の可能性も否定はできない。ワクチン接種との時間的前後関係から、その関与を否定はできないが、原因として積極的に肯定する所見も無い。

https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001280826.pdf


(症例 No.5)
B型肝炎、Hib(インフルエンザ菌 b 型)、肺炎球菌、4種混合ワクチンの同時接種。接種翌日に死亡。

https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001280826.pdf


報告内容
(1) 事例
6カ月(発症時)の女性。
2023年11月24日午後2時30分頃、組換え沈降B型肝炎ワクチン(酵母由来)1回目、乾燥ヘモフィルスb型ワクチン(担体たん白質結合型)1回目、沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)1回目及び沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ混合ワクチン1回目が皮下に同時接種された。接種前体温は37.0℃であった。身長は64.9 cmで体重は8.61 kgであった。接種前後に感冒症状等の異常はみられなかった。接種後30分間、状態が確認され、問題がなかったため午後3時00分頃、帰宅した。帰宅後も普段通りに過ごし、哺乳は良好で発熱は認められなかった。

11月25日午前1時00分頃、患児の様子が母親によって確認され、問題はなかった。午前7時00分、自宅寝室にて冷たくなっている状態で母親に発見された。発見時は、仰臥位の状態であった。添い寝ではなかった。午前7時23分、救急要請され、午前7時32分、救急隊が到着した。救急隊到着時、父親によって心臓マッサージされ、四肢硬直及び広範囲の死斑が認められた。救急搬送時、仰臥位で嘔吐はみられなかった。搬送中、バッグバルブマスク換気及び心臓マッサージが行われた。午前7時42分頃にA病院救急センターに到着した。インフルエンザ及び新型コロナウイルス抗原は陰性であった。午前8時21分、蘇生措置が行われたが
反応なく、死亡が確認された。

日付不明、死亡時画像診断が行われ、異常所見はみられなかった。剖検が実施され、乳児突然死症候群(SIDS)とされた。

(2) 接種されたワクチンについて
組換え沈降B型肝炎ワクチン(酵母由来)(MSD X004692)
乾燥ヘモフィルスb型ワクチン(担体たん白質結合型)(サノフィ V1E01)
沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)
(ファイザー GG1281)
沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ混合ワクチン
(阪大微研 4K47A)

(3) 接種時までの治療等の状況
在胎週数は37週6日、出生体重は2780 gで正常正期産児であった。出生時に病院受診が間に合わずに自宅出産となったが、患児の身体所見に問題はみられず、新生児室から退院された。発育及び発達の異常は認められなかった。基礎疾患、アレルギー歴、副作用歴、家族歴及びワクチン接種歴はなかった。寝返りは可能であった。普段の就寝時の体位は仰臥位であった。栄養方法は、人工乳の後、離乳食が開始されていた。同居家族の喫煙歴はあった。同胞は1名で既往歴はなかった。
2023年、ワクチン定期接種の目的で受診されていたが、何度か感冒症状等があり、ワクチン接種を延期していた。

・ワクチン接種との因果関係についての報告医等の意見
年齢的に SIDS と判断。急変を予測出来る症状はなかった。接種後 24 時間以内の発現であるため、関連なしとは断定出来ない。

・専門家の評価
γ(情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係が評価できない)
接種後17時間以内の突然死である。乳幼児突然死症候群の可能性があるが、時間的な前後関係からワクチンの関与を否定することはできない。また現状の情報からは、ワクチンの関与を積極的に肯定するものもない。

https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001280826.pdf


(症例 No.7)

麻しん・風しん混合、水痘、おたふくかぜワクチンの同時接種。接種9日後に反応がない状態で発見され、10日後に死亡。

https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001280826.pdf

報告内容
(1) 事例
1歳(接種時)の男性。
2024年3月26日、Aクリニックにて、乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン1回目、乾燥弱毒生水痘ワクチン1回目及び乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン1回目が同時接種された。接種前後の異状は認められず、その後も異状は認められなかった。

4月4日午前中、初めての慣らし保育に参加し、特段変わった様子はみられなかった。午後8時頃、就寝しようとしている姿が家族に確認された。午後11時頃、腹臥位で身体の上に布団がかぶさり、反応がない状態で両親に発見された。午後11時10分、救急要請が行われた。救急隊到着時、心肺停止状態であり、チアノーゼが認められた。心電図上でも心拍は認められなかった。B病院にドクターカーの出動要請がされた。気管挿管が施行され、気管挿管時の観察にて口腔内に多量の吐瀉物が認められた。骨髄路が確保され、胸骨圧迫、バッグバルブマスクによる用手換気及びアドレナリン投与が行われながら救急搬送された。午後11時55
分、C病院に到着した。到着時、心肺停止の状態であり、ジャパン・コーマ・スケール300であった。気管挿管による気道確保がなされた状態で心肺蘇生が行われ、静脈路の確保及び計10回のアドレナリンが投与されたが心拍は再開しなかった。超音波検査にて心嚢液貯留は認められなかった。採血が困難であり、血液検査は実施されなかった。

4月5日午前0時30分、死亡が確認された。死亡時画像診断としてコンピューター断層撮影検査が実施され、気管内閉塞が認められたが蘇生処置の影響の可能性が考えられ、その他に異常所見は認められなかった。
4月、剖検が実施され、死因は乳幼児突然死症候群(SIDS)とされた。

(2) 接種されたワクチンについて
乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン(武田薬品工業 Y320)
乾燥弱毒生水痘ワクチン(阪大微研 VZ356)
乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン(武田薬品工業 G950)

(3) 接種時までの治療等の状況出生前及び出生時の異常は認められなかった。在胎週数は38週0日で出生体重は2626 gであった。1カ月、2カ月、4カ月及び7カ月時に乳幼児健康診査があり、発育及び発達に異常は認められなかった。7カ月児健康診査時(生後6カ月30日)の体重は6410 gであった。基礎疾患、既往歴、アレルギー歴、副作用歴及び副反22応歴はなかった。家族歴はなく、同胞のSIDS又はSIDS疑い及び原因不明の乳幼児突発性危急事態もなかった。

・ワクチン接種との因果関係についての報告医等の意見
1歳1カ月児は突然死症候群の頻度は乳児よりも少なく、本児は基礎疾患のない児でもあり、SIDSとしてよいか疑問が残ります。生ワクチンの潜伏期間に相当する時期での突然死であり、ウイルス感染による臓器所見がないか検討を要するのではないかと考えています。9日前に接種された3種類の生ワクチンが関連している可能性は高いとは言えないが、副反応が出てもおかしくないタイミングであり、ワクチンの関連が完全には否定できません。

・専門家の評価
γ(情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係が評価できない)
3 種類の生ワクチン接種 9 日後の突然死で、乳幼児突然死症候群の可能性がある。現状の情報からは、ワクチンあるいは他の要因ともに積極的に肯定できるものは見当たらない。

https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001280826.pdf

3件とも専門家は、「ワクチンの関与を積極的に肯定するものはない」と言っています。つまり、ワクチンの関与を否定しているわけでもないのです。

このような事例があるのに、なぜ日本小児科学会は「複数のワクチン(生ワクチンを含む)を同時に接種して、それぞれのワクチンの有害事象、副反応の頻度が上がることはない」と言えるのでしょうか。

同時接種していればどのワクチンが原因かもわからないですが、もし単独で死亡事例がないなら、同時接種が原因の可能性があると考えるはずです。「複数のワクチン(生ワクチンを含む)を同時に接種して、それぞれのワクチンの有害事象、副反応の頻度が上がることはない」と言うなら、単独でも死亡する可能性があるということになると思います。

乳幼児用のワクチンも「劇薬」

乳幼児に接種されているワクチンの添付文書も、PMDAのサイトで公開されています。一例として、沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ(セービン株)混合ワクチン「テトラビック皮下注シリンジ」の添付文書(一部)を見てみます。


添付文書PDF(2023年04月01日)


https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/630144_636140DG1021_1_18


https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/630144_636140DG1021_1_18

これだけでも4種類入っていて、No.5の事例はこれとB型肝炎、Hib、肺炎球菌も同時接種しているので、体内でどんな反応が起きているかなんて、誰もわからないのではないでしょうか。

2024年度からは、4種混合にHibがプラスされた5種混合が定期接種に入っています。こんなにいろいろ混ぜて、本当に大丈夫なのでしょうか。


03 資料1ー1 5種混合ワクチンについて[1.2MB]


https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001139473.pdf


添付文書や審査報告書は、下記のページから検索できます。