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クレベリンの景品表示法違反

空気中の細菌やウイルスを除去できるとした「クレベリン」6商品の広告表示について、消費者庁は景品表示法違反を指摘していましたが、大幸薬品がこれを認める見解を公表しました。


1月には差止訴訟で勝訴

大幸薬品のサイトには、下記のお知らせが公開されています。削除される可能性があるので、全文を引用しておきます。

                         2022 年1月 20 日
                         大幸薬品株式会社
「クレベリン置き型」に関する仮の差止めの申立てにおける勝訴と本日の措置命令について

当社は、クレベリン商品に関する消費者庁の措置命令に対する仮の差止めの申立てを行い、本年1 月 12 日、「クレベリン置き型」商品の空間除菌効果の表示について勝訴しております。

しかし、本日、消費者庁は、当社が即時抗告を申し立てた「クレベリン置き型」以外の 4 商品について、景品表示法に基づく措置命令を行いました。
当社としては、この措置命令は誠に遺憾と受け止めており、速やかに必要な法的措置を講じてまいります。
今回、措置命令を受けたことにつきましては、当社商品をご愛顧いただいておりますお客様と株主様をはじめとする関係者の皆様に、多大なご心配をおかけすることとなりましたことを、深くお詫び申し上げます。
以下、本日の措置命令までの訴訟の経緯と当社の見解をご報告いたします。

(1)「クレベリン置き型」に関する勝訴について
当社は、2021 年 11 月 26 日、二酸化塩素による空間除菌を目的とするクレベリン商品の表示が不当表示に当たるとして、消費者庁から、景品表示法に基づく措置命令案についての弁明の機会を付与されました。これに対して、当社は、同年 12 月 14 日、措置命令の差止訴訟を提起し、併せて仮の差止めの申立てを行いました。
その結果、東京地方裁判所は、2022 年 1 月 12 日、当社の主力商品である「クレベリン置き型」(60g 及び 150g)の 2 商品について、当社から消費者庁に提出した試験結果等が二酸化塩素による除菌・ウイルス除去効果の裏付けとなる合理的根拠に当たることを認め、措置命令の仮の差止めの決定をしました。
しかしながら、裁判所は、クレベリン置き型以外の4商品(スティック ペンタイプ、スティック フックタイプ、スプレー、ミニスプレー)の空間除菌効果に関する表示については、当社の主張を退けております。
これに対し、当社は、同月 13 日、東京高等裁判所に対して、即時抗告を申し立て、本日に至っております。

2)「クレベリン置き型」以外の 4 商品に関する措置命令に対する当社の見解
消費者庁は、本日、「クレベリン置き型」以外の 4 商品について、景品表示法に基づく措置命令を行いました。消費者庁の命令は、東京高等裁判所での審理が開始される前に行われたものであり、極めて遺憾に受け止めております。当社は、この命令に対して、速やかに必要な法的措置を講じてまいります。

https://www.seirogan.co.jp/internal/uploads/arrival/pdf_656.pdf

この後、大幸薬品と消費者庁の双方が控訴し、4月13日に 高裁の判断が下されました。


4月には景品表示法違反を認める

高裁では、4商品だけではなく、地裁では効果が認められていた置き型の2商品も「空間除菌をうたう合理的な根拠はない」と判断。それを受けて、消費者庁は下記のリリースを公開しました。

消費者庁の令和4年4月15日付けニュースリリースより。

消費者庁は、本日、大幸薬品株式会社(以下「大幸薬品」といいます。)に対し、同社が供給する「クレベリン 置き型 60g」と称する商品及び「クレベリン 置き型 150g」と称する商品に係る表示について、それぞれ、景品表示法に違反する行為(同法第5条第1号(優良誤認)に該当)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき、措置命令(別添参照)を行いました。
(中略)
(2) 対象表示
ア 表示の概要
(ア)表示媒体
商品パッケージ、「TAIKO」と称する自社ウェブサイト(以下「自社ウ
ェブサイト」という。)、地上波放送を通じて放送したテレビコマーシャル(以下「テレビコマーシャル」という。)及び「YouTube」と称する動画共有サービスにおける動画広告(以下「動画広告」という。)
(中略)
「空間に浮遊するウイルス・菌・ニオイを除去 ※」、「用途 空間のウイルス除去・除菌・消臭にご使用いただけます。」等と表示するなど、あたかも、本件2商品をリビング等の室内に設置すれば、本件2商品から発生する二酸化塩素の作用により、リビング等において、室内空間に浮遊するウイルス又は菌が除去又は除菌される効果等の同表「効果」欄記載のとおりの効果が得られるかのように示す表示をしている又は表示をしていた。
(中略)
消費者庁は、それぞれ、景品表示法第7条第2項の規定に基づき、大幸薬品に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社から資料が提出された。しかし、当該資料はいずれも、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないものであった。
(中略)
(3) 命令の概要
(中略)
室内空間に浮遊するウイルス又は菌が除去又は除菌される効果が得られるかのように示す表示をしている行為を速やかに取りやめること。
(以下略)

https://www.caa.go.jp/notice/assets/representation_220415_1.pdf

大幸薬品も自社サイトで、下記のリリース(2022年5月3日付)を公開。


 弊社商品の表示に関するお知らせ

 平素は格別のご愛顧を賜り、深く御礼申し上げます。 
この度、弊社は不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」)第7条第1項の規定に基づく措置命令(令和4年1月20日付及び同年4月14日付)に従い、一般消費者の誤認を排除するために、次のとおりお知らせいたします。 
弊社は、「クレベリン 置き型 60g」と称する商品(以下「本件商品①」)、「クレベリン 置き型 150g」と称する商品(以下「本件商品②」)、「クレベリン スティック ペンタイプ」と称する商品(以下「本件商品③」)、「クレベリン スティック フックタイプ」と称する商品(以下「本件商品④」)、「クレベリン スプレー」と称する商品(以下「本件商品⑤」)、「クレベリン ミニスプレー」と称する商品(以下「本件商品⑥」)の各商品(以下これらを併せて「本件6商品」)を一般消費者に販売するにあたり、例えば、本件商品①について、平成30年9月13日以降、商品パッケージにおいて、「空間に浮遊するウイルス・菌・ニオイを除去※」、「用途 空間のウイルス除去・除菌・消臭にご使用いただけます。」等と表示することにより、あたかも、本件6商品を使用すれば、本件6商品から発生する二酸化塩素の作用により、室内空間に浮遊するウイルス又は菌が除去又は除菌される効果等が得られるかのように示す表示をしておりました。 

かかる表示について、景品表示法第7条第2項の規定に基づく消費者庁からの求めに従い、資料を提出いたしましたが、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められず、本件6商品の取引に関し行った表示は、本件6商品の内容について、一般消費者に対し実際のものよりも著しく優良であると示すものであり、景品表示法に違反するものでした。 

この度の件で、対象となる商品をご利用いただいているお客様、お取引先様及び株主様をはじめとする関係者の皆様には、多大なご迷惑をおかけすることとなり、深くお詫び申し上げます。

https://www.seirogan.co.jp/info-corporate/202205/

実際のものよりも著しく優良であると示す表現


今回、クレベリンで問題となったのは、裏付ける資料がないのに「あたかも、クレベリン置き型をリビングなどに設置すれば、クレベリン置き型から発生する二酸化塩素の作用により、室内空間に浮遊するウイルスや菌が除去される効果が得られるかのような表示をしていた」ことです。

これが違反なのに、政府やメディアが使っている新型コロナワクチンに関する表現はよいのでしょうか。

例えば、交互接種に関するデータはないと製薬会社が言っているのに、「あたかも安全性が確認されているかのように」、政府やメディアは交互接種を勧めています。

以前、首相官邸のホームページで配布されている新型コロナワクチンに関するポスターについて書きました。下記の記事では、「医薬品等適正広告基準」などの視点で取り上げています。


https://www.kantei.go.jp/jp/headline/kansensho/vaccine.html
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どちらのワクチンでも十分な効果と安全性が確認されています」という表現は、「あたかも臨床試験で確認されたかのような表現」であり、完全にアウトでしょう。

ファイザー社 コミナティ筋注 添付文書(2022年4月改訂)より 
モデルナ社 スパイクバックス筋注 添付文書(2022年4月改訂)より

添付文書の最新版は、下記のサイトで見られます。改訂により、文章が変わる可能性があります。

ファイザー社もモデルナ社も、「他のSARS-CoV-2に対するワクチンの互換性に関するデータはない」と添付文書に書いています。

厚労省の副反応疑いの報告では、「予防接種の効果不良」「薬効欠如」の事例も多数あり、その中には3回目接種の報告もあります。

「社会全体のため」というのも、「あたかも、ワクチン接種をすれば、感染予防ができ、人にも感染させないと思わせる表現」だと思います。

接種に関するパンフレットには、「感染を予防する効果は評価されていません」と書かれています。

コミナティを接種する方とそのご家族へ

ワクチンを接種しても感染するし、人にうつす可能性はあると、「新型コロナウイルス感染症対策分科会」が認めています。

新型コロナウイルス感染症対策分科会 資料


https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000662188.pdf
令和2年8月21日 新型コロナウ イルス感染症対策分科会資料3

厚労省の資料でも、「感染予防効果は実証しにくく、臨床試験で確認することは稀。発症しない感染者が多数存在する新型コロナでは、実証はほぼ不可能と考えられる」と言っています。

そうであるなら、あたかも感染予防効果があるような表現については、どのような資料を出しても「裏付けとなる合理的な根拠を示すものであるとは認められないもの」ということなるのではないでしょうか。