見出し画像

国産でも安全とは限らない!第一三共のXBB.1.5対応ワクチンはヒトでの試験をしていない?!

東京都では、12月13日から第一三共のコロナワクチン「ダイチロナ」の接種が開始されます。このワクチンはレプリコンワクチンではなく、ファイザー社やモデルナ社と同じmRNAワクチンです。審査報告書を読んでみると、これから接種開始となる1価ワクチン(XBB.1.5対応)は臨床試験なしで承認されていました。

第一三共の「ダイチロナ筋注」

第一三共のコロナワクチン「ダイチロナ」は、7月に起源株で承認され、11月27日にオミクロン株XBB.1.5対応ワクチンが承認されました。起源株は承認だけで販売されなかったので、オミクロン株XBB.1.5対応が初めての接種となります。

下記は、起源株承認のときのリリースです。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する起源株1価mRNAワクチン「ダイチロナ®筋注」の追加免疫における国内製造販売承認取得のお知らせ(令和5年8月2日)

今回承認された本剤は、追加接種に用いられる起源株1価のmRNAワクチンであることから、供給を予定しておりません。

https://www.daiichisankyo.co.jp/files/news/pressrelease/pdf/202307/20230802_J.pdf

下記は、厚労大臣の会見(11月28日)からの引用です。


大臣:
 本日は、国内企業が開発に成功した新型コロナワクチンの薬事承認について、ご報告いたします。11月27日、月曜日の薬事・食品衛生審議会(医薬品第二部会)において、国産の新型コロナワクチン2品目について審議を行い、承認を可とするとの審議結果をいただきました。本日、第一三共社のオミクロン株XBB.1.5対応ワクチンおよびMeiji Seikaファルマ社の起源株対応ワクチンにつきまして、有効性・安全性が確認されたことから、薬事承認を行うこととしましたので、ご報告いたします。

https://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/0000194708_00626.html

11月27日の審議会で承認可となったはずですが、11月17日にはすでに下記の事務連絡が出ていました。

第一三共社の 12 歳以上用の新型コロナワクチン(オミクロン株(XBB.1.5)の1価ワクチン)の接種体制の構築、配送等について
(令和5年11月17日)

また、同ワクチンの供給が可能となる時期を踏まえると、本年12月以降、接種が開始できるようになると考えられます。
各都道府県及び市町村においては、これらの前提を踏まえて、接種体制の検討及び関係機関との調整を進めてください。
(中略)
なお、第1クールは 12 月4日週の後半に配送予定となります。第3クールについては、12 月 28 日まで配送を行います。
また、第1クールから第3クールのいずれのクールについても島嶼地域への配送は、交通状況などの都合により、やむを得ず希望いただいた配送週の翌週以降に配送される可能性があります。
その他、配送される第一三共社 12 歳以上用1価ワクチン(XBB.1.5)については、都道府県が市町村と協力して必要な調整を行い、ワクチンの偏在が不必要に生じないようにしてください。

https://www.mhlw.go.jp/content/001168368.pdf

まだ承認されたという報告がないはずなのに、配送スケジュールまで決まっていたのです。

起源株に関する審査報告書は、PMDAのサイトで公開されています。

審査報告書(2023年08月02日)


https://www.pmda.go.jp/drugs/2023/P20230803003/430574000_30500AMX00171_A100_1.pdf

これもMeiji Seikaファルマのワクチン同様、「優先審査」と書かれています(下記参照)。

第一三共の審査報告書は、私のPCで開いてコピペしようとすると文字化けしてしまい、コピペでの検索や引用ができません。Wordに変換してもダメで、変なPDFです。これは、私のPCの問題なのでしょうか・・・。

なので、審査報告書についてはあまり詳しく取り上げませんが、重要なものは掘り起こせました。

https://www.pmda.go.jp/drugs/2023/P20230803003/430574000_30500AMX00171_A100_1.pdf


https://www.pmda.go.jp/drugs/2023/P20230803003/430574000_30500AMX00171_A100_1.pdf

黒塗りは多めな印象です。

https://www.pmda.go.jp/drugs/2023/P20230803003/430574000_30500AMX00171_A100_1.pdf

添加剤は、使用前例がないものが入っています。

続いて、11月に承認されたオミクロン株XBB.1.5対応ワクチンの審査報告書です。これも、私のPCではコピペが文字化けのPDFでした。

審査報告書(2023年11月28日)


https://www.pmda.go.jp/drugs/2023/P20231128001/430574000_30500AMX00171_A100_1.pdf

こちらは起源株の承認からの「一部変更承認」ですが、「迅速審査」と書かれています。その2つについて医薬薬審発0905第3号と医薬薬審発1023第2号を確認したかったのですが、なぜか見つかりません。いつもなら、このようなお知らせはすぐにヒットするのですが、いろいろなルートから調べてもヒットしませんでした。

文字化けとヒットしないことに疲れてしまったのですが、そのような中で、怒りを通り越して呆れるような資料を見つけてしまいました。

XBB.1.5 対応ワクチンの審査報告書から、いくつか気になったところを取り上げます。

https://www.pmda.go.jp/drugs/2023/P20231128001/430574000_30500AMX00171_A100_1.pdf

2023年11月時点で、このワクチンは日本以外で承認されていません。つまり、臨床試験に参加した人しか接種していないということです。では、臨床試験は何人で行ったのでしょうか。報告書を読み進めていくと、2価(起源株/BA.4-5)の試験ありますが、これから接種される1価(XBB.1.5)の試験が見当たりません。

ここで、非常に重要なことに触れられています。

https://www.pmda.go.jp/drugs/2023/P20231128001/430574000_30500AMX00171_A100_1.pdf

「2023年5月8日時点で承認されているワクチンの抗原株の変更の承認に際しては、承認後にワクチンの品質、有効性、免疫原性及び安全性に関するデータが取得されることを条件として、品質及び非臨床試験の成績のみで受け入れられることが示されている」と書かれています。

ファイザーのXBB対応ワクチンなどは、これに当てはまりました。

けれども、第一三共の起源株が承認されたのは7月です。それでも・・・

https://www.pmda.go.jp/drugs/2023/P20231128001/430574000_30500AMX00171_A100_1.pdf

本剤の臨床試験成績は得られていないものの」「前述のICMRAのCOVID-19変異株ワークショップの議論を適用可能と考え」「品質及び非臨床試験成績に加え、1価(起源株)と2価(起源株/BA.4-5)の国内第三相試験成績に基づき」一部変更承認申請を行ったと書かれています。

つまり、1価(XBB.1.5)のワクチンをヒトに接種したデータはないということではないでしょうか・・・。

この「ICMRAのCOVID-19変異株ワークショップ」というのが何なのか、ものすごく気になったので調べてみたら、とんでもない団体でした!

ICMRAのCOVID-19変異株ワークショップ

審査報告書には、下記のURLが書かれています。

https://www.pmda.go.jp/drugs/2023/P20231128001/430574000_30500AMX00171_A100_1.pdf


ICMRA(International Coalition of Medicines Regulatory Authorities)とは、どのような団体なのでしょうか? PMDAのサイトに説明がありました。


 ICMRAは、規制当局による自発的、ハイレベルな支援組織であり、戦略的調整および指導的な役割を担っており、協働して以下の目的に取り組む
・ヒト用医薬品の規制と安全に関する既存ならびに新規の課題に対し、その権限と制度上の方法を以って、グローバルかつ戦略的に、透明性の高い方策を講ずること
・多くの規制当局のミッションに共通する分野や活動に対し、方向性を示すこと
・相乗効果を生み出せる可能性のある分野を特定すること
・可能な限り、既存の取り組みやリソースを活用すること

https://www.pmda.go.jp/int-activities/int-harmony/icmra/0001.html

「ハイレベルな支援組織」といっていますが、これだけではよくわかりません。読み進めて「COVID-19ワクチンの安全性に関するICMRAステートメント」が書かれたページにいくと、ハッキリと「WHOがオブザーバー」だと書かれています。

ICMRAは、WHOをオブザーバーとして、世界の全地域より38の薬事規制当局を集めた団体。

https://www.pmda.go.jp/int-activities/int-harmony/icmra/0029.html

ICMRAメンバー

オーストラリア(TGA)、ブラジル(ANVISA)、カナダ(HPFB-HC)、中国(NMPA)、欧州(EMA and DG-SANTE、EU)、フランス(ANSM)、ドイツ(PEI)、アイルランド(HPRA)、イタリア(AIFA)、日本(PMDA and MHLW)、韓国(MFDS)、メキシコ(COFEPRIS)、オランダ(MEB)、ニュージーランド(Medsafe)、ナイジェリア(NAFDAC)、シンガポール(HSA)、南アフリカ(SAHPRA)、スイス(Swissmedic)、スウェーデン(MPA)、英国(MHRA)、米国(FDA) 等

日本のMHLWは、Ministry of Health, Labour and Welfare、つまり厚労省ですね。PMDAは、医薬品医療機器総合機構。

審査報告書にあった5月8日のワークショップについては、下記のページに書かれています。


There was consensus that a platform approach can be envisaged for the approval of strain changes for currently authorized or approved COVID-19 vaccines. Such approach would only require confirmatory quality and pre-clinical data at time of authorization or approval, provided post-authorization commitments regarding quality, vaccine effectiveness, immunogenicity, and safety data are put in place.

https://www.icmra.info/drupal/covid-19/8may2023

現在認可されているCOVID-19ワクチンに対する株変更の承認については、承認時点で品質及び前臨床データの確認を要するのみでよいということが書かれています。

これよりも問題なのは、ステートメント(2023年6月26日)のページです。一部引用しますが、このページは日本語なのでぜひ皆さんもご一読ください。


お伝えしたいこと

・COVID-19ワクチンは、SARS-CoV-2の感染による重症化、入院および死亡のリスクを有意に低下させる。

・SARS-CoV-2は変異し続ける性質があることから、新しい変異株に対しても予防効果を維持し、世界中で何百万人もの命を救い続けるために、ワクチンの追加接種が必要となる可能性がある。

・COVID-19ワクチンは、世界中で行われた130億回を超えるワクチン接種のエビデンスから、あらゆる年齢層において非常に良好な安全性プロファイルを有することが示されている。承認されたワクチンには、起こりうるリスクをはるかに上回る利点がある。

副反応の大概は一過性かつ軽症である。一方で、安全性モニタリング(医薬品安全性監視)システムでは、非常にまれ(1万人当たり1人未満)だが重篤な副反応が確認されている。世界中の薬事規制当局は、これらの副反応による危害のリスクを低減するための措置を講じている。

・あらゆる医薬品の場合と同様に、COVID-19ワクチン接種後の事象(副反応の疑い)の報告を収集し、当局が継続的に評価している。これらの評価から、ほとんどの場合、報告された事象はワクチンによって引き起こされたものではなかったことが示されている。

・ソーシャルメディア上にある、COVID-19ワクチンの安全性に関する誤った又は誤解を招くような情報の多くは、副反応の頻度や重症度を誇張したものである。他にも、ワクチンに起因しない事象をワクチンに関連付けた誤情報もある。ワクチンの有害作用による死亡よりも、ワクチンの誤情報により個人がワクチン接種を忌避したことが、より多くの死亡をもたらした可能性が非常に高い。

COVID-19ワクチンがパンデミック中の超過死亡の要因となったエビデンスはない。超過死亡は、SARS-CoV-2の感染のピークとほとんど一致しており、特に、ワクチンが入手できなかった初期の頃に顕著である。実際は、COVID-19ワクチンが命を救い、SARS-CoV-2の感染に伴う重篤な危害を予防することを示す強力なエビデンスがある。

・​新たなエビデンスでは、ワクチン接種者ではCOVID後遺症が起こりにくいことも示唆されている。

https://www.pmda.go.jp/int-activities/int-harmony/icmra/0029.html

「承認されたワクチンには、起こりうるリスクをはるかに上回る利点がある」「副反応の大概は一過性かつ軽症である」「ほとんどの場合、報告された事象はワクチンによって引き起こされたものではなかったことが示されている」など、これ、いつの話?という感じです。

「何万人もの命が救われたエビデンスとしてあげられた論文」として、下記が示されています。

Global impact of the first year of COVID-19 vaccination: a mathematical modelling study

今回は論文を読む余力がないので、先に進みます。

十億回単位の接種規模を踏まえたCOVID-19ワクチンの安全性のエビデンス
(略)
ある事象が副反応の疑いとして報告されたことがすなわち、ワクチンがその原因であるという意味ではない。
(中略)
ワクチン接種者における事象の発生率と、パンデミック前およびワクチン未接種の集団における当該事象の発生率を比較している。規制当局は、この頑健かつ継続的な安全性モニタリングの一環として調査研究から得られたエビデンスなど、利用可能な他のあらゆるエビデンスも考慮する。副反応の疑いで報告されている事例は、ほとんどの場合、当該医薬品によって引き起こされたものではない。

https://www.pmda.go.jp/int-activities/int-harmony/icmra/0029.html

さらに、「心筋炎や心膜炎はmRNAワクチンの非常にまれな副反応である」とも書かれています。

ワクチン接種後に死亡した事例の報告は非常にまれである。何百万人もの人々がワクチン接種を受けている集団ワクチン接種事業中には、死亡事例がワクチン接種直後に偶然発生することが予想されている。ワクチン接種後の死亡事例が報告されていることがすなわち、ワクチンがそれらを引き起こしたという意味ではない。医療従事者は、ワクチンが原因であったのかが不明であっても、ワクチン接種後に発生した死亡事例を報告しようと思えばできる。非常に例外的な事例では、ワクチンによる死亡例が報告されている。(注1)
(注1)一例として、「COVID-19アデノウイルスベクターワクチンによる血栓性血小板減少症候群」が挙げられる。

https://www.pmda.go.jp/int-activities/int-harmony/icmra/0029.html

読んでいると、元ワクチン担当大臣を思い出します。このような見解の下で審査を行っていたら、どんなワクチンでも承認されてしまうでしょう。このような話を、国民が知らないところでしていると思うとゾッとします。

規制当局は、COVID-19ワクチンの利点と安全性プロファイルの確認に、集団ワクチン接種事業によって得られたリアルワールドデータを用いてきた。この情報は、臨床試験よりもばらつきが大きい条件下のリアルワールドにおける何百万人もの人々から得られたものである。
このリアルワールドデータにより、ワクチンが、基礎疾患を有する患者、免疫不全患者および妊婦のような特別な集団においても、一般集団と同様に安全であることが示されている。

https://www.pmda.go.jp/int-activities/int-harmony/icmra/0029.html

この人たちが住んでいるのは、別の世界なのでしょうか。どうしたらこんなデータが集まるのでしょうか。

リアルワールドデータというなら、救済制度で認定された方たちのことは、なぜもっときちんと調べないのでしょうか。

上記の中学生は、副反応疑いの報告で「接種との因果関係は否定できない」という評価となりました。

7月28日に開かれた部会で、去年8月、ファイザーの3回目の新型コロナのワクチンを接種した2日後に、心臓の筋肉や膜に炎症が起きる「心筋心膜炎」で亡くなったとされる14歳の女性について、「接種との因果関係は否定できない」としました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230728/k10014145771000.html



サリドマイドの薬害は、メカニズムが解明されるのに50年かかりました。メカニズムが解明されるまで、このような感じで言い逃れようとしているのでしょうか。

接種後に死亡した人や健康被害にあった人に起きたことをきちんと検証しようともせず、「ワクチン接種後の死亡事例が報告されていることがすなわち、ワクチンがそれらを引き起こしたという意味ではない」などと言っている人たちに従って行っている承認審査を信用できますか?

WHOに従うということは、今でさえこのような状況なのですから、パンデミック条約やIHR改正によって状況がよくなるとはとても思えません。