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無茶々園の農業体験、地域ごとまるっと味わえる充実の日々。泊まるところや仕事内容、おいしいものをご紹介!
愛媛で有機みかんといえば……西予市明浜町にある「無茶々園」。
生産、加工、販売、さらには福祉分野、そして海外にも圃場があるなど、幅広く展開しているので、いったいどういう組織なのか気になっていました。ジュースは全国各地さまざまなお店に置かれているので、その名前を見たことがある人もいるかもしれません。
根っからのみかん好き、そして最近の有機栽培への興味が相まって、2月下旬〜3月頭にかけて短期研修で受け入れていただきました。体験は、随時HPで募集されています。お金は出ませんが、滞在中は基本お金がかからない仕組みです。
到着した日、「明日から2日間は石積み予定です」とさらっと言われた時は「めっちゃハードやん!?」とどうなることやらでしたが、単なる作業だけでなく地域性にも触れることができてあっという間の充実した日々でした。
ちょっと体験行ってみたいけど、どんな雰囲気かわからない方が、「これなら大丈夫そうだ!」と思えるような紹介ができたらと思います。なんせ、みなさんエネルギッシュで温かい…!
写真だけでも眺めていただけたら嬉しいです。
泊まるところ
何よりも、ここが一番気になるところだと思います。仕事から帰ってきて、ゆっくり休めないと辛いですもんね。
いくつか候補はあるようですが、私がお借りした社宅の2階はきれいで清潔感がありました。襖仕切りの部屋が2つあるので、時期が被った場合は同性でシェアハウス的に使うことになります。
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個人的に嬉しかったのは、シャンプーや石鹸、洗剤などが無添加製品だったこと! 滞在中に地域の人と話していて思ったのは、これは人体への優しさというよりは、環境への優しさを考えてのことなのかな、と。海が近い分、水に流したものはそのまま海に流れるという意識が強く、できるだけ化学的なものは使わないようにしているようでした。自然との距離感の違いは生活にも反映されるのだなと、興味深い発見でもありました。
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キッチンも調味料がそろっていて自炊できるし(食べ物についてはまた後ほど)、トイレもお風呂も問題なく使用できました。
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作業について
初日からの石積みに気構えた私でしたが、杞憂でした。幅広く展開している無茶々園だからこそ、さまざまな経験ができて楽しかったです。
DAY1,DAY2 石を積んで石垣を直す!
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みかん畑の急斜面には石垣が作られていて、狩浜の段々畑は重要文化的景観にも選定されています。石垣は見るものだと思っていましたが、まさか自分が作れるなんて!というか、私なんかが作っていいのか??しかも、初日から無茶々園社長の畑らしい…お偉いさんの畑にお邪魔して、大丈夫なのかー?
なんて思いつつ、石垣積みに魅せられた、若き地域おこし協力隊の女の子と一緒にLet’s 石積み!まずは崩壊した石垣をある程度まで削って、石垣の壁になる大きな石を決めて積み、その後ろ側にひたすら小さい石(グリ)をかませて固定させていきます。もちろん石の置き方にはおさえるべきポイントがあって、頭ではわかっていてもなかなかクリアするのが難しい。「正解はないけど、これはダメっていうのは言える」とのことでした。
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ちゃんとルールを守ってやれば、300年もつらしいです。自分が作った石垣が、遠い未来まで残るなんて…逆に言えば、今あるこの石垣は、かなり前に作られたものということ。感慨深いと同時に、最初の最初は石を運ぶところからスタートしたわけで、昔の人のすごさを実感しました。大きすぎて、どうやって運んだのか謎な石さえありました。
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石はなかなかに重かったけれど(とはいえまだまだ初級でしょうが)、どんどん石垣が出来上がっていく達成感は大きく、ふと後ろを振り返ればきれいな海。絶景に癒されながら、途中も休み休みやっていたので楽しい気持ちが上回りました。
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一つ年下だけど、もはや師匠のさや姉、貴重な体験をありがとう!
DAY3 無茶々園のパンフレット作り
この日は事務所にお邪魔して、無茶々園がユーザー向けに送っているパンフレット類を、ひたすら重ねる内職作業!会報「天歩」は執筆編集も自分たちでやっているようで、そういうところにも親しみを感じます。恐るべし無茶々園のファンづくり。
(参考までに、2023年3月発行の天歩はこちら)
ひっきしりなしの注文や問い合わせ対応など、販売担当の皆さんは忙しそうにしていました。そんな中でも休憩時にはコーヒーを入れてくださったり……優しさに触れました。ありがとうございました。
合間には受け入れ担当の方が無茶々園の説明をしてくださり、会社自体についての理解も深まりました。
DAY4,5 テンポ印で切り干し大根づくり&甘夏収穫
無茶々園はひとつの農園の名前ではなく、いろんな組織が集まって構成されています。農業組織のひとつ「テンポ印」では、野菜加工品などを製造販売しています。
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まさか大根を干すことになるとは思っていませんでしたが、海風に晒されながら大根を広げた時の、かじかんだ手の感覚は忘れません。あと、つまみ喰いした大根もみずみずしくてとてもおいしく感じました。
ハッピー最高!の社長・村上さんも愉快で、話しながらの作業は楽しかったです。
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テンポが管理している甘夏畑では、出荷できる大きさを満たした甘夏をひたすら収穫!猿のように木に登りながら、落ちないように頑張ってはみたものの、ベテランスタッフさんの手早さには到底勝てませんでした。
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休憩時間に頬張る甘酸っぱい味は、採れたてだからこその贅沢。畑に広がるフレッシュな香り、サイコーでした。
DAY6 みかんの苗木植え
これから無茶々園で管理するという畑に、スタッフさんたちと一緒に苗を植えました。
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石がゴロゴロ上から転がってきそうな斜面に、ひたすら穴を掘ってポット苗を植えていきます。といっても、私はほぐされた土をスコップですくって穴を広げていただけで、苗運びとか大変なことはすべて男性陣にお任せ……すみません。
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木が植えてあればそれを掴んでよじ登れますが、まっさらな斜面は本当に歩くのだけで精一杯。数年後には実がなるけれど、収穫するのも大変そう〜。でも、楽しみ。
DAY7 枯れ枝切り&雑草抜き
最終日は無茶々園の名付け親、斎藤 達文さんの息子さんの満天くんにお世話になりました。年下だけど、なんだか思慮深くて、これからのことをいろいろ考えていて単純にすごいな〜と思いながら会話しました。
作業内容は、枯れ枝につく病原菌があるらしく、それを阻止するために枯れ枝を切りまくり、草刈機で刈れない木の周りの雑草をひたすらむしり、菜の花も抜いて抜いて抜いて、暑かったこともあり最終日にして一番疲れたかもしれません(笑)
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できるだけ農薬を使わずにと言うのは簡単だけれど、実際は根気強く向き合う忍耐力がかなり必要であることを実感しました。時間と手間がかかる有機栽培、そこそこ良いお値段がするとしても、買うことで応援していきたいなと心から思いました。
巡り合ったおいしい食べ物
魚好きの私にとって、パラダイスな毎日でした!地域の人たちはみんなよそ者に寛容で、夜ご飯を一緒に食べようと誘ってくださることもしばしば。農家さんのおうちでおいしいお料理をご馳走になりながら、さまざまなお話を聞くことができて毎日が濃い時間となりました。
有機栽培をしているだけあって食にこだわっている人も多く、できるだけ添加物のないものを選んでいたりと、価値観が一緒で居心地も良かったのです。
時と場合によると思いますが、明浜に来たらこんなおいしいものと出会えるかもよ〜というのを紹介しておきます!旅の思い出は、食の思い出。
牡蠣
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1日目の到着時間が遅かったので、迎えにきてくださった方のご好意で、初日からご馳走にありつけました。愛媛でも牡蠣がとれるらしいです。臭みがなく、ぷりっぷり。
谷口鮮魚のお弁当
石積みの時にご用意いただいたお昼ご飯、なんと「特選」幕の内弁当!
2日とも海の目の前で魚を眺めながら食べるという最高のロケーションにて。贅沢幸せなお昼休みでした。
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谷口鮮魚のお寿司
お呼ばれした時にご用意くださった豪華なお寿司たち。見るからに新鮮ピチピチで、もちろん食べても美味でした。淡白なイメージしかなかった白身魚ですが、「こんなに甘くてコキコキするんだ…!」と感動しました。普段出会えないおいしさに食いしん坊精神が爆発し、1.5人前は食べてしまった気がします。
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ゆうぼくのしゃぶしゃぶ
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西予市にあるお肉屋さん「ゆうぼく」のお肉をわざわざ買ってきてくださり、お野菜たっぷりのしゃぶしゃぶでいただきました。何枚食べたかわからりません。とにかくお肉の甘さと旨みを堪能し尽くしました。
お刺身盛り!!
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地域の方が、卯之町にある「いそき屋」というお店に連れていってくださり、地元の食材を堪能しました。創作料理な感じで、どれも絶品!でも、やっぱりお刺身のおいしさに感動です。
てんぽ屋のお弁当
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週に1度だけ、地域のおばちゃんたちが集まってお弁当を作っていて、お昼にご用意いただきました。「自分たちで育てた野菜を使っているのよ〜」と、野菜を栽培するところからおばちゃんたちの愛情もりもりです。優しい味付けで、おばちゃんたちの笑顔を思い出しながら、ほっこり食事タイムとなりました。
ナマコ
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「食べたことないの!?」と驚かれましたが、ありませんでした。関西圏だとお正月などに現れるようですが、関東だとあまり出回っていませんよね。見た目はちょっとぬめぬめした感じですが、食べてみると全くクセがなくて食べやすく、コキっと食感が楽しかったです。
あけはまーれのしらす丼
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町内唯一の飲食店、といって連れていっていただいた「あけはまーれ」。郷土料理から普通の唐揚げ定食など、メニューはいろいろありました。
志ぐれ
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食べるのが好きな私のために、和菓子好きの奥様がわざわざ買ってきてくださった「志ぐれ」。大洲名物らしいのですが、宇和島では「こうの」というお店がおすすめらしいです。もっちりした甘さ控えめの羊羹のようで、新食感!いろんなお店の志ぐれを食べ比べてみたくなりました。
ぶりカマ煮付け
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ぶりの養殖が盛んで、養殖イカダから逃げたぶりがたまに釣れることもあるそうな…笑
近くの集会所で行われた文化祭の最後のお楽しみ抽選会にて、まさかのぶりカマが当選!ぶり大好きで嬉しかったものの、こんなに大量にどうしようかとブツブツ言っていたら、無茶々園のスタッフさんから「煮付けてあげようか?」とありがたき御言葉が!お言葉に甘えて煮付けてもらい、ぶりの旨みとスタッフさんの温かさを噛み締めました。
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最後に
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来るもの拒まず、去るもの追わず。
時期によってやることも景観も異なるとは思いますが、少しでも興味を持った方はぜひ、無茶々園を、明浜を訪れてみてください!
行ってわかる良さが確実にあります。逆に言えば、自分が動かなければその良さは味わえません。
短い間でしたが、今回出逢ってくださった方々、本当にありがとうございました!お一人お一人が心に刻まれ、良い想い出です。
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たくさんの柑橘を頬張りながら、楽しいひとときをありがとうございました
無茶々園の商品は、オンラインショップでお取り寄せもできるのでぜひ!
個人的おすすめは、柑橘はもちろんなんですが、ベトナムの圃場で作っている黒胡椒! すごく香り高くて、ぱらっとかけるだけで料理に深みが生まれます。
〜おまけ〜
現地でお会いした、地域おこし協力隊の発酵りぃちゃんのせとかを後日お取り寄せしました!トロトロで甘くて激うま!!あっという間になくなって即リピでした。(2023年分は完売とのこと)
幸せのせとか、ありがとうございます!
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