【今日コレ受けvol.108】読むは「私のための言葉」
7時に更新、24時間で消えてしまうショートエッセイ「CORECOLOR編集長 さとゆみの今日もコレカラ」を読んで、「朝ドラ受け」のようにそれぞれが自由に書くマガジン【今日コレ受け】に参加しています。
穴があったら入りたい、とはこのことだ。
「ゆうちゃんのお母さん!」と言われて笑顔でペコリとしたら、私の後ろに別の「ゆうちゃんのお母さん」がいたとき。
息子の名前はゆうたで、小学校の同学年に「ゆう」と名前のつくお子さんが多い。
だから間違えて、別の「ゆうちゃんのママ」とか「ゆうちゃんのお母さん!」という声に反応して、違ってしまった事件がときどき起こるのだ。
相手の「?」という困惑顔を前に、このペコリと笑顔をどうごまかすべきか……。
いきなり無表情になって立ち去るのもなんだか……と、半笑いを顔に貼り付けたままそろそろと後ずさっていく自分の姿を、写真や動画に撮られたくない。
翻って、昨日の『今日もコレカラ』。
この部分を読んで、まさに私のために書かれた言葉だと思った。
手痛い失敗をして、「次もうまくいかないんじゃないか」という不安に囚われていた真っ最中。
「心配するな、きっとうまくいかないから」
という言葉にホッとすると同時に、こわばっていた身体が動き出した。「たとえうまくいかなくても、やれることをやろう」と開き直れたのだ。
もちろん、私のために書かれた言葉ではない。
でも、読むことでそうなった。
半笑いで後ずさりしなくていい。
こっそり「自分のために書かれた言葉だ」と、思っていたっていいのだ。
誰もが当事者になれる。
それが「書く」と「読む」というコミュニケーションの良さなんだろう。
するり、と穴から這い出した。
今日も今日とてがんばろう。
大丈夫。きっとうまくいかないのだから。
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