小噺「華麗なる転職」
乾物屋『宗元』大将:花菱幸太郎
「幸一、もう乾物屋の時代やない、何でもかんでも、スーパーで揃うからな、わざわざ乾物屋で買わなくても、ええからな」
息子:幸一
「ええっ、や、や、やめる?乾物一筋できてるのに何をやるんです?」
幸太郎
「眼鏡屋や」
幸一
「なに!メガネ、全然違う事できるのか?」
幸太郎
「いま、テレワークが増えて、みんなパソコンと向かい合ってる、目が悪くなってるらしい。特にパソコンから発するブルーライトをカットするメガネが売れてるらしい。メガネのおろしから仕入れて、陳列すればええだけや、1人だけ検査できる女子をどこかで引き抜いてこい」
幸一
「えー、乾物屋とメガネて、出来るんか?」
幸太郎
「ええか、わしは長年、目刺しを扱ってた。目をみたら、ええ目指しかどうかわかるねん。目のことはまかしとけ」
幸一
「⁇⁇」
おわり