葬儀屋で起業はやめとけ?需要・将来性をデータとイラストで可視化してみた【市場分析】
どもー。
分析太郎です。
色んな仕事の将来性を
分析しています。
今回は葬儀屋の
市場分析レポートです。
最近は、フランチャイズで
葬儀屋を始める人も増えている
みたいですよ。
ただ、仕事の将来性を把握する上で
市場分析は必要不可欠です。
起業するにせよ転職するにせよ、
将来性を把握しておかないと、
キャリア選択で痛い目を見ます。
なので分析太郎が、
データとイラストを駆使して、
将来性を分析しました。
それでは、見ていきましょう。
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葬儀屋の将来性
まずは需給バランスを理解する
前編では、葬儀屋業界の
将来性を確認していきましょう。
その前に、需給バランスについて説明します。
世の中には様々な市場があり、
その中でお金が取引されています。
そして市場の中には、
供給(事業者)と需要(お客様)が
存在します。
これらを釣りで例えるなら、
市場=釣り堀
供給=釣り人
需要=狙っている魚
と言えます。
そして、需要と供給にはバランスがあります。
イラストにするとこんな感じです。
本レポートでは、
葬儀屋市場が4つのうち
どこに分類されるかを、
行政機関と業界団体のデータを
フル活用して考察していきます。
それでは、本題に話を移しましょう。
葬儀屋市場の供給の推移
それでは、葬儀屋市場の
需給バランスを確認しましょう。
まずは供給から確認します。
供給に関しては
・葬儀屋数
・葬儀屋従業者数
の2点について見ていきます。
まずは葬儀屋の数について。
経済センサス(総務省・経済産業省)の
データによれば、葬儀業の事業所数は
増加傾向でした。
グラフを作成しました。
葬儀場の数は
増加傾向にありました。
12年間(2009~2021)で
2,054事業所(24.6%)増加していました。
では、従業者数はどうでしょうか。
グラフを作成しました。
従業者数はそこまで変わってないです。
つまり、事業所は小規模化してるようですね。
1事業所あたりの従業者数の推移を
グラフにしました。
少数の人数で
事業を始める人たちが
増えているのかもしれません。
葬儀屋市場の供給については、
従業者数は横ばいですが、
事業所数は増えている認識で
間違いないようです。
従って現時点では、
先ほどの四分類では
このどちらかに分類されるのでは
ないでしょうか。
では、需要はどう
推移しているでしょうか。
確認していきましょう。
葬儀屋市場の需要の推移
それでは、
葬儀屋市場の需要が
どう推移しているか
確認していきましょう。
まず予め、平均寿命を
確認することにしましょう。
厚労省の報告書から最新情報を
引用しました。
男女ともに80代ですね。
そしてご周知の通り、
日本では高齢化が
ぐんぐん進んでいます。
80歳以上人口の数と割合の
推移をグラフにしてみました。
80歳以上の方は
10人に1人の割合でいるみたいです。
まぁまぁびっくりですね。
ほんで、
社会の高齢化に伴い、
亡くなられる方も増加傾向です。
グラフを作成しました。
うおー…。
死亡数は年々増加傾向にあり、
2023年には150万人を超えました。
つまり不謹慎を承知で言えば、
2030年には最多で
150万回程度のお葬式が催された
可能性があるということです。
では、このペースが
いつまで続くのでしょうか。
国立社会保障・人口問題研究所は
死亡数の将来推計を公表しています。
この中から、
死亡数の将来推計データを
グラフにしました。
死亡数は2040年に
ピークを迎えるようです。
記事作成時点は2024年なので、
あと10〜15年間は葬儀ニーズの基盤は
堅いと言えるでしょう(人口推計は最も
外さない統計とも言われますので)。
じゃあ葬儀業界は
今後も安泰かと言われると…
案外そうでもなさそうです。
実は、葬儀屋さん1事業所あたりの
売上高は年々減少傾向にあります。
グラフを作成しました。
あれまあれま…。
2000年は1事業所あたり
平均4.8億円の売上があったのに、、、
2023年は1事業所あたり平均2億円、
つまり2000年時点の半分以下に
減少しています。
死亡数が増えているのに、
なぜこんなことになるのでしょうか。
深掘りしていきます。
事業所あたりの売上高が減っている理由は?
想定される理由は2つです。
1つは、事業所数の増加。
これは冒頭説明した通りです
(2009~2021・12年間で2,054事業所増加)。
そしてもう一つは、
案件単価の減少が考えられます。
こちらがどう推移しているか
確認してみましょう。
葬儀案件の平均単価の推移を
グラフにしてみました。
ありゃりゃ…。
23年は前年比で回復が見られますが、
全体としては減少傾向にあると言えます。
コロナ禍は3密の影響により、
大規模な葬儀をあげることができず、
結果として単価が急減したことは
しょーがない部分かと思いますが…。
ただ、2006年から
コロナ前の2019年の時点で、
既に単価は減少傾向に
あったようですね。
つまり、平均単価減少の原因は
全てコロナのせいではないため、
従ってコロナ渦が落ち着いたからといって、
右肩上がりに回復するかは
わかりません、ということです。
じゃあ、なぜこんなに単価が
減少しているのでしょうか。
世間的には「葬儀の小規模化」が
原因だと言われているようなので、
それが本当かどうか確認してみます。
2017年の報告書ですが、公正取引委員会が
『葬儀の取引に関する実態調査報告書』
という貴重な情報を公表してくれているので、
これを元に深掘りしていきます。
この報告書では、
葬儀の種類を5つに分類しています。
概要と特徴を整理しました。
で、まず大事になってくるのが、
5つの種類それぞれの平均単価です。
表にまとめました。
平均単価が100万円を超えるのは、
社葬と一般葬でした。
逆に100万円を下回るのは、
家族葬、一日葬、直葬でした。
事業主目線で言えば、
当然社葬や一般葬などの単価の高い
葬儀が増えて欲しいと考えます。
で、公取委は
葬儀業者に直近5年間でどの様式の葬式が
増えたか減ったかアンケートを
取ってくれてました。
結論から言うと、
多くの事業者が、社葬や一般葬など
単価の高い葬儀は「以前より減った」と
回答しているようでした。
表を作成しました。
その逆で、
家族葬や直葬などの
単価の安い葬儀の件数は
「以前より増えた」と
多くの事業者が回答しているようです。
表を作成しました。
また、この報告書では、
直近5事業年度の葬儀1件当たりの
売上高の増減傾向についてアンケートを
実施しています。
その結果、
約8割の葬儀業者が
1件あたり売上高は減少してると
回答しました。
表を作成しました。
う〜ん…。
現場の声から見ても、
やはり葬儀の小規模化は
進んでいるようですね。
実際どんなもんか
検索で一番上に出てきた
葬儀屋さんのサイトを調べてみたら、
最安だと79,000円〜で葬儀できますと
謳っていました。
ぶっちゃけ薄利多売です。
利益出るんすかねこれ…。
結構しんどい気がしますが…。
さて、一通りデータが出揃いましたね。
それでは、結論に入ろうと思います。
分析太郎の結論
まとめると、
葬儀屋市場の
需給バランスはこうです。
【供給】
従業者数は9万人前後で横ばいだが、事業所数が12年間(2009~2021)で2,054事業所(24.6%)増えていることから、葬儀屋市場の供給力は増えていると言える。
【需要】
高齢化に伴い死亡数は増加傾向にあり、また2040年まで増加するとの見込みから、葬儀需要は引き続き増えると言える。ただ、葬儀の小規模化に伴い案件単価が減少し、1事業所あたりの売上高も減少傾向にあることから、決して安泰とは言えず、継続的な営業活動が必須である。
結論を出しますね。
需給バランス四分類で言えば、
ここに当てはまりつつあるのでは
ないでしょうか。
釣り堀(=葬儀屋市場)の中で、
釣り人(=事業所数)が増え、
魚(=高齢化・死亡者数)が
増加傾向にあることから、
このような結果になりました。
ただ、魚の大きさ(=案件単価)は
減少しつつあるので、
その点は考慮した上で
事業運営する必要があります。
僕が確認した全ての
葬儀フランチャイズの広告で
「需要は確実にあります!」と
謳っていましたが、、、
案件単価の減少や、
1事業所あたりの売上高の減少に
言及している企業は1社も
ありませんでした。
この点は、マジ気をつけてくださいね。
いかがでしたでしょうか。
今回は、葬儀屋の市場分析を行いました。
ただ、これは日本全体の需給バランスであり、
当然ですが地域によって偏りが生まれます。
日本は他国と比較しても、
地域によって文化が特色が
段違いに異なります。
従って、
日本全体だけでなく、
さらにお住まいの地域についても
詳しく分析する必要があります。
そこで後編からは、
葬儀屋市場のレッドオーシャン・
ブルーオーシャンな都道府県を
特定していきます。
ここまで読んでくださった皆様が、
キャリア選択で後戻りできない、
取り返しのつかない状況にならないことを、
心から願っています。
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