見出し画像

畳職人はやめとけ?需要・将来性をデータとイラストで可視化してみた【市場分析】

残り10

どもー。
分析太郎です。

色んな仕事の将来性を
分析しています。

今回は畳職人の
市場分析レポート
です。

仕事の将来性を把握する上で
市場分析は必要不可欠です。

起業するにせよ転職するにせよ、
将来性を把握しておかないと、
キャリア選択で痛い目を見ます。

なので分析太郎が、
データとイラストを駆使して、
将来性を分析しました。

それでは、見ていきましょう。

【※】
こちらの記事は1件購入ごとに
300円値上がりするよう
設定されています。

おかげさまで、
記事の総購入数が125件を超えました。
いつの間にか値上がりしてしまう前に、
早めのお買い求めがお得です。


ポップアップをスクショしました




【前編】畳職人の将来性


まずは需給バランスを理解する

前編では、畳職人業界の
将来性を確認していきましょう。
その前に、需給バランスについて説明します。

世の中には様々な市場があり、
その中でお金が取引されています。

そして市場の中には、
供給(事業者)需要(お客様)
存在します。

これらを釣りで例えるなら、
市場=釣り堀
供給=釣り人
需要=狙っている魚
と言えます。



そして、需要と供給にはバランスがあります。
イラストにするとこんな感じです。



本レポートでは、
畳屋市場が4つのうち
どこに分類されるかを、
行政機関と業界団体のデータを
フル活用して考察していきます。

それでは、本題に話を移しましょう。


畳屋の市場規模

それでは最初に、
畳職人業界の
市場規模を確認しましょう。

H24,H28年の
経済センサス(総務省・経産省)の
データによれば、H28の畳小売業の
市場規模は453億円
推移は減少傾向でした。

グラフを作成しました。


畳小売業の市場規模推移(2012~2016・4年間)
出典①:H24 経済センサス 活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:H28 経済センサス 活動調査(総務省・経済産業省)


4年間で5.8%減少していました。
これはちょっとイタいですね…。



こんなお叱りが来そうです。
確かに2016年はちょっと古いですよね。

経済センサスは2021年度版が最新
なのですが、「畳小売業」という
詳細分類がなくなっていて、
「家具・建具・畳小売業」という
大きな分類に包括されていました(泣)。

では、計算して予測してみましょう。

2016年の「家具・建具・畳小売業」の
市場規模は、1兆5,847億円でした。
そのうち「畳小売業」が占める割合は
2.9%
です。

では、2021年データを見てみます。
2021年の「家具・建具・畳小売業」の
市場規模は、1兆4,935億円でした。
もし仮に、2021年も「畳小売業」の占める
割合が2.9%だとするならば、
2021年の畳小売業の売上は426億円になります。

表にするとこんな感じです。


2021年畳小売業の市場規模予測
出典①:H28 経済センサス 活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:R3 経済センサス 活動調査(総務省・経済産業省)


これは机上の空論ですが、
2021年・畳小売業の市場規模は
縮小している可能性があります。
改めてグラフにするとこんな感じです。


畳小売業の市場規模推移(2012~2106は実測値、2021年は予測値)
出典①:H24年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:H28年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典③:R3年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)


これは地域の畳屋さんにとっては
ぐむむ…という感じですね。

これをざっくりイラストにすると
こんな感じですね。



同規模の市場には
下記が挙げられます。

  • ベビー加工食品(440億円)

  • ポテトサラダ(450億円)

  • 麻雀(480億円)

国内市場の立ち位置としてはこのあたりです。


国内市場における畳小売業市場の立ち位置
出典:市場規模マップ


この市場で、需給バランスは
どうなっているのでしょうか。



確認していきましょう。


畳屋市場の供給の推移

それでは、畳屋市場の
需給バランスを確認しましょう。
まずは供給から確認します。

H24,H28年・経済センサス(総務省・経産省)の
データによれば、H28の畳小売業の数は
5,249事業所、推移は減少傾向でした。

グラフを作成しました。


畳屋の事業所数の推移(2012~2016・4年間)
出典①:H24 経済センサス 活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:H28 経済センサス 活動調査(総務省・経済産業省)


かなり減少しているようです。
では、畳屋で働く人の数は
どうでしょうか。
グラフを作成しました。


畳屋の従業者数の推移(2012~2016・4年間)
出典①:H24 経済センサス 活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:H28 経済センサス 活動調査(総務省・経済産業省)


働く人の数も減っているようですね…。
これはぶっちゃけイタいですね。イタい。

では、
先ほどと同様の方法で
2021年の事業所数を
予測してみましょう。

2016年の「家具・建具・畳小売業」の
事業所数は、19,141事業所でした。
そのうち「畳小売業」が占める割合は
27.4%
です。

では、2021年データを見てみます。
2021年の「家具・建具・畳小売業」の
事業所数は、15,922事業所でした。
もし仮に、2021年も「畳小売業」の占める
割合が27.4%だとするならば、
2021年の畳小売業の事業所数は
4,366事業所になります。

表にするとこんな感じです。


2021年畳小売業の事業所数予測
出典①:H28 経済センサス 活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:R3 経済センサス 活動調査(総務省・経済産業省)


これも机上の空論ですが、
2021年・畳小売業の事業所数は
縮小している可能性があります。
改めてグラフにするとこんな感じです。


畳小売業の事業所数推移(2012~2106は実測値、2021年は予測値)
出典①:H24年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典②:H28年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)
出典③:R3年 経済センサス活動調査(総務省・経済産業省)


畳屋さんはどんどん減ってるようです。

供給のデータを
簡単にまとめると、こうです。

・畳屋さんの数は減少傾向
・畳屋さんで働く人も減少傾向


畳屋の事業所数の変遷予測(2012~2021・9年間)


つまり、
畳屋市場の需給バランスは、
需要に傾きつつあるのではないでしょうか。



では、需要はどう
推移しているでしょうか。
確認していきましょう。


畳屋市場の需要の推移

それでは、
畳屋市場の
需要を確認しましょう。

まずは、畳の原材料である
い草の国内生産量がどう推移しているか
確認してみましょう。
グラフを作成しました。


い草の国内生産量の推移(1926~2018・92年間)
出典:作物統計調査(農林水産省)


生産量は1980年代以降、
減少していますね。
特に、2000代に入るタイミングで、
急減していることがわかります。

最も生産量が多かったのは
1964年の141,100トンでした。
直近の2018年の生産量は
7,500トンでした。
つまり、94.6%減少していることになります。
驚くほど減ってますね…。

ただ、このグラフを見て、
「畳の需要は減少してるんだな」
と考えるわけにはいきません。

なぜなら、
国内生産量が減少している理由は
いぐさ(畳表)の輸入が拡大したからです。

※畳表:いぐさを横糸に、糸を縦糸にして製織したござ状のもの

神戸大学・大学院の個別論文には
下記の記載があります。


畳表は、1961年に輸入が自由化された。 〜 畳表の輸入量は1991年頃か ら増加し始め、1994年にピークに達したあと、いったんは減少したが、 1998年から再び増加に転じている。

『中国からの畳表の輸入急増が国内の産地に与えた影響と政策対応』


つまり、
畳表の輸入量が増え続けているならば、
国内の畳需要はまだあるんだなと判断できる
のではないでしょうか。

では、その推移を確認してみましょう。
グラフを作成しました。


畳表生産枚数の推移(1996~2022・26年間)
出典:いぐさ(畳表)をめぐる事情(農林水産省)


なんと…。
輸入量まで減少してるじゃないですか😭

国内で生産される量も減り、
外国から輸入する量も減っている。
こりゃイタいっすね。イタイっす。

では、もう少しミクロの視点で
分析してみましょう。

一世帯あたりの畳の張り替え枚数の推移を
確認してみます。

グラフを作成しました。


 1世帯当たりの畳替枚数(1989~2022・33年間)
出典:いぐさ(畳表)をめぐる事情(農林水産省)


世帯あたりの張り替え枚数も減少傾向です。
2年住んでる今のマンションにも和室ありますが、
畳の張り替え全然必要ないですもんね…。
あと、どのタイミングで依頼すればいいかも
あまり分からないんですよね…。

需要のデータを
簡単にまとめると、こうです。

いぐさ(畳表)の国内生産量が減少傾向
いぐさ(畳表)の輸入量も減少傾向
世帯あたりの畳替え枚数も減少傾向

さて、データが出揃いましたね。
それでは、結論に入ろうと思います。


分析太郎の結論

まとめると、
畳屋市場の
需給バランスはこうです。

  • 供給:・畳屋さんの数は減少傾向。働く人も減少傾向。

  • 需要:いぐさ(畳表)の国内生産量が減少傾向。いぐさ(畳表)の輸入量も減少傾向。世帯あたりの畳替え枚数も減少傾向。

結論を出しますね。
冒頭の需給バランス四分類で言えば、
ここに当てはまりつつあるのでは
ないでしょうか。




釣り堀(=畳屋市場)の中で、
釣り人(=畳屋、畳屋で働く人)も
魚(=世帯あたり畳の張り替え枚数、その他)も
減少していることから、
このような結果になりました。

いかがでしたでしょうか。
今回は、畳屋の市場分析を行いました。
ただ、これは日本全体の需給バランスであり、
当然ですが地域によって偏りが生まれます。

日本は他国と比較しても、
地域によって文化が特色が
段違いに異なります。

畳屋の数や張り替え枚数も、
当然地域によって異なるでしょう。

従って、
日本全体だけでなく、
さらにお住まいの地域についても
詳しく分析する必要があります。

そこで後編からは、
畳屋市場のレッドオーシャン・
ブルーオーシャンな都道府県

特定していきます。

ここまで読んでくださった皆様が、
キャリア選択で後戻りできない、
取り返しのつかない状況にならないことを、
心から願っています。

ここから先は

3,001字 / 9画像
この記事のみ 残り10/10 ¥ 900
期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?