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本日の「読了」

本日の「読了」

柳美里『JR上野駅公園口』(河出文庫 2017)
内海健『金閣を焼かなければならぬ 林養賢と三島由紀夫』(河出書房新社 2020)

前者は流行りもの? で手をだした。浮遊感のある読後感。おなじようなスタイルのものに(間違っているかもしれないが)島田荘司氏の『天に昇った男』がある。こちらはミステリーなので、Q.E.D.があるが、柳氏の著作はその辺が「御簾の中」なのでフワフワと。こういうのが「ブンガク」なのでしょうなぁ。

後者は精神科医による。萎縮の始まったおっさん脳には表面しか理解できないが、金閣放火焼失という事件とそれを題材にした文学に対する新たな見方を示してくれる。金閣を燃やすというと、現在の「金ぴか」を燃やすというだいそれたイメージがあるが、焼失当時は、そうではなかったことをあらためて認識。もちろん、だから燃やしてよいということではないのだが。

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