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工具を持たない整備兵
三人の整備兵(青年)が寄り添って、天を仰ぐ姿が印象的な今作。
制作された年は第二次世界大戦の最中、国民の誰もが戦争に協力し、支持する行動が強いられていました。もちろん美術作品に関しても、産業や兵隊を鼓舞する内容のものがよしとされていたようです。
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今作を改めて見ると、とても戦争を鼓舞するような作風ではない気がします。「航空整備兵」というタイトルが付けられていますが、整備している様子を描いたものでもないです。
まるで、祈っているような姿をした像は寄り添い、天を仰ぎ、祈っているようにも見えます。長沼孝三先生の強い反戦への思いを象徴しているようにも感じ取れますね。
※現在、埼玉県所沢市の航空記念公園に、修復された今作が設置されています。