目に見えないものを形に。
時に長沼孝三先生は、「僕の作品は百年後に評価されるんだよ」と自分の作品について語っていました。それは皮肉ではなく、孝三先生なりの先見の明があっての言葉だったと思います。
改めて今作を見ると、描かれた女性は写実的ではないです。女性が持つ、可憐さや清楚さを表したかのような繊細で滑らかなフォルムをしています。
また、描かれた女性の髪や衣服が風でたなびいている様子はないですが、女性が身体で風を感じているようにも見れます。それも、どんな風を感じているのかがわかるようです。
時代に左右されない不変さを描いた、長沼孝三先生の秀逸さが光る作品です。