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DX、仏教が先陣を ヤフー社長が講演

※文化時報2021年2月4日号の掲載記事です

 全日本仏教会は1月28日、オンラインで新年学習会を開き、新型コロナウイルス感染拡大で注目される寺院のデジタルトランスフォーメーション(DX)について、Zホールディングス株式会社とヤフー株式会社で代表取締役社長を務める川邊健太郎氏が「DXによるお寺と仏教のupdate(アップデート)について」と題して講演した。

 川邊氏は大学在学中にインターネット関連企業を設立し、合併に伴ってヤフーに入社。ヤフーニュース責任者などを経て2019年から現職を務めており、「インターネット大好き人間」を自任している。

 川邊氏は「今までアナログで行われてきたことがどんどんデジタル化していくのがDX。仏教もお寺もそれが必要なんじゃないか」と発言。全日本仏教会が実施した「仏教に関する実態把握調査」の結果から、「宗教儀式はリアルで」「周辺のことはネットで」という方向性を導いた。

 その上で「出会う」「調べる」「買う」「支払う」「利用する」といったさまざまな行動を切れ目なくつなぐヤフーの統合事業戦略を紹介。動画投稿サイト「ユーチューブ」を活用した法話や検索・通販サイトの利用、賽銭のキャッシュレス化なども実例に即して解説し、「日本社会全体のDX化を、仏教が先陣を切って推進すべきだ」と提唱した。

 また、東京オリンピックの公式イベントとして7月に築地本願寺で開催される「世界平和願いの祭典」についても紹介した。このイベントは、世界各国から文化人、アーティスト、科学者、哲学者、伝統宗教の指導者らを招き、交流と対話の場を提供。川邊氏が総合プロデューサーを務める。

 講演後、川邊氏との対談に臨んだ戸松義晴理事長は「今日の提言は、皆が考えていること。いい話だったと言うだけでなく、形にしていきたい」と述べた。

 新年学習会は、例年開催している新年互礼会が政府の緊急事態宣言で中止となった代わりに開催された。会長を務める大谷光淳・浄土真宗本願寺派門主は冒頭のあいさつで「コロナ禍では寺院、僧侶が不安な人々に寄り添うことが期待されている。法要のオンライン予約は、約5割の方が利用を検討しているという調査結果もある」と述べ、DXの必要性に触れた。

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