キーワードは【抑えられない、好きの気持ち】 彼女、お借りします #好きなアニメを語る
『彼女、お借りします』は,現在テレビアニメ 3 期まで放送され,4 期の制作も決定している人気作品.だらしない大学生・木ノ下和也が,レンタル彼女・水原千鶴をレンタルしたことをきっかけに,二人の関係性が進展していきます.借り物から始まる本物の恋を描いた作品です.
本作の魅力は何といっても,千鶴の変化.ダメダメ和也に呆れ,干渉してくるなとあれほど言っていたのに,和也の不器用ながらも本気の姿勢に心を打たれ,少しずつ好きの気持ちを抑えられなくなっていくのです・・・!
というわけで,今回は時系列でいくつかのシーンを取り上げながら,千鶴がいかに和也を意識するようになっていたのか,各シーンの良さを語っていきたいと思います!
⚠️ 以下ネタバレを含みます ⚠️
出会いの第 1 期
麻実にフラれたことをきっかけに,レンタル彼女・水原千鶴をレンタルした和也.実は千鶴は,同じ大学で,家もお隣さんだった!?
というわけで,出会いは最悪(?)でした.
和也は,一度は幸せにすると誓った麻実への未練も抱いており,千鶴にとっても和也は所詮お客さん.この二人の関係はすぐに進展することは無く,そもそもレンタル彼女とそのお客さんの関係という,禁断の恋でした.
しかし,海でのフェリー落下事件などを通じて,二人の関係性は,二人も気づかないまま少しずつ特別なものへ.
そして最終話.千鶴がレンタル彼女だと気づいた麻実によってレンタルされた千鶴.和也の誠実な未練を知っていて,麻実と和也の関係を戻してあげたいと思っている千鶴は,麻実の想いを確かめます.
それを陰から見てた和也の麻実への気持ちは吹っ切れ,千鶴への想いを自覚し,好きの気持ちが言葉から溢れてきます.
キュンとしてる千鶴,可愛い……
第 1 期は登場人物の一通りの紹介的な側面もあってストーリーの進行はやや遅めでしたが,最後に凄いのがぶっこまれた感です.
和也の麻実に対する真剣な恋心を知って,それを擁護したくなった千鶴.それを見て,自分のことを真剣に想ってくれている千鶴へと気持ちの対象が移り変わった和也.そんな和也の口から溢れ出た言葉を聞いて,思わず意識せずにはいられなくなってしまった千鶴.なんだこのコンボは! 両想いかよ!
好きが止まらない第 2 期
堰を切ったようにクサいセリフをたくさん吐き出すようになった和也を起点に,急速に二人の間が縮まっていくのが第 2 期.
まずは第 1 話から,こっそり観劇していたことがバレて,和也が言い訳をするシーン.
そして,千鶴が役を勝ち取れなかったことを知って,
帰宅.真っ暗な部屋で,一人落ち込む千鶴.でも,有言実行して大量のレンタルを申し込んできた和也の通知を見て,雰囲気がパッと明るくなるのでした.
和也の魅力は,こういう風に気持ちを真っすぐ伝えられるところですよね.勢いが凄くて,気持ちの強さが圧で伝わってきます.そして,それに反応して顔を赤らめる千鶴までがワンセット.最高のコンビです.
続いては第 8 話.千鶴をレンタルしようと思ったら値上がっていて,もうちょっと欲張ってもいいのではと気づいた和也.制服デートを要望.初々しさ全開! 早速手を繋いだり,チュロスを一口もらったり,理想のデートを次々体現していく和也.見てるこっちもキュンキュンが止まらない!
そして場所はプリクラへ.ハグは普通って本当なの? いや,事務所的には OK なんだろうけど,和也を意識している千鶴的には大丈夫なの?? 終わってからの離れ方の勢い.からの素の顔へ切り替える演技力が凄い.
チューのかわし方も可愛かった……
デート中は持ち前の演技力を活かしてなんとかプロのレンタル彼女を演じているものの,時折表情に出てしまう千鶴.気持ちが溢れ出して,抑えきれないんだよね……良い!
そしてついに最終話.和也は千鶴に,クラウドファンディングでの主演映画制作を提案します.
そう,千鶴がついに,和也の前でも表情を抑えられなくなっているのです! まあこのシーンは,和也への恋愛的な想いというよりも,おばあちゃんに映画を見せられるという喜びからくるものもあるのでややズルい気もしますが,それにしても千鶴の気持ちがグッと前へ進んだシーンでした.作画も神.
特別な関係性を育む第 3 期
本筋とずれますが,第 3 期といえば八重森みにの登場! 和也と千鶴の双方の想いに気づき,二人を繋ぎ合わせようとするオタク.作品の世界に入れるなら誰もが憧れる最強ポジションでは!?
いよいよ始まった映画制作プロジェクト.資金集め中はなんだかそっけない千鶴.それも,少しずつ自分の気持ちに気づいて,それを隠すために,和也と直面する機会を避けようとしているのではないでしょうか.
でも,裏ではしっかりと和也のことを想っています.第 2 話から,夜のシーン.ベランダでたそがれて,音楽を聴く千鶴.就寝時間のアラームが鳴って,隣室を覗き込み,まだ電気が付いていることを確認.きっと和也は今も自分のために,一生懸命クラファンを準備してくれてるんだ.
こういう,静かにひっそりと相手を想う気持ちも,良いですよね.恋愛関係ではコメディ要素多めで勢い強めの本作の中では珍しいしっとりとしたシーンで,実は結構好きです.
続いて第 3 話.クラファンの返礼品を探しに部屋にやってきたみにの言葉が,千鶴を揺さぶります.
以前自分が麻実に言った言葉とオーバーラップして,将来のことも含めて和也との関係性が頭によぎる千鶴.というのがストーリー上は重要なところですが,個人的にはその直前の「それは決して,バカなことじゃない!」という言葉,芹澤優さんの演技も非常に印象に残っています.バカなことじゃないっす,じゃないんすよね.先輩と後輩とか,そんな関係性を通り越して,本気で言葉をぶつけるみに.それも,千鶴が直前に言った言葉を否定する内容.和也のことを,勝手に決めつけないでほしい.レンタル彼女という枠にとらわれず,真剣に向き合って欲しい.そんな切なる願いを感じました.
そんなこんなで支援金が集まり,撮影も終盤へ.ラストシーンの撮影旅行では,新幹線の洗面台でこっそり照れる千鶴が可愛かったですね.もう好きやん.そして夜,千鶴の方が眠れないという,温泉旅行とは逆のシチュエーション.千鶴の想いが以前に増してどんどん大きくなってきていることがわかります.
そして……いよいよ小百合ばあちゃんが……
第 8 話と第 9 話のエンディングは,Ballad Version となりました.特殊エンディングに弱いのよ……
かのかり全 3 期を通して OP・ED は 6 曲あるわけですが,この演出も含めて『エンドロール』が一番好きです.
諸々が落ち着いて,第 3 期も最終話.強がる千鶴.素直になってほしいと思う和也.
和也の胸で,思いっきり泣きだす千鶴.ずっと抱えていた,おばあちゃんへの気持ち.それを吐き出す相手が,和也であったこと.映画制作のパートナーという関係を経た,今期の終着点でした.
まとめ
レンタル彼女から始まった恋.壊してはいけない関係性.
それでも,和也は千鶴への想いを強く自覚し,ときに想いが勢いある言葉となって,千鶴へ響く.千鶴は冷静ながらも,本人も気づかぬうちに和也への想いが募り,表情や行動に現れる.
そんな二人の,抑えきれない,好きの気持ちが情熱的に描かれているのが,本作の魅力と言えるでしょう! 見ているこちらもムズムズしつつ,時折爆発する二人の感情に心を動かされます.制作決定している第 4 期でも,そんなシーンに期待ですね!