BUNGU SQUAD STORY #7『嚆矢』
2019年4月13日。
今からちょうど4年前。思い切って僕はとある行動に出た。
ゲームの内容もある程度固まり、あとは5月のゲームマーケットに向けて準備を進めるだけだったが、その前にまずは文具メーカーに片っ端からアプローチをしてみる事に。
「かくがくしかじかで、こんなゲームを作ったので、良ければ遊んでみませんか?」と言った内容を、“気は確かか?”と疑いたくなるような長文で送りつけていた。
当時のメモによると、計16社の文具メーカーのWebサイトから問い合わせをしていて、興味を示してくれたのは以下の2社だった。
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✒︎ 1社目:ニチバン株式会社
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一番最初にアポを取る事ができたのは、「セロテープ」でお馴染みのニチバン株式会社だった。
当時の広報担当だったSさんから、
「早速社内で情報共有したく、面談をさせてください」
と、快く返事をいただいた。
その10日後に約束を取り付けたので、慣れないスーツを着て、文具と野望を詰め込んだアタッシュケースを持ち、ニチバン本社までプレゼンに向かった。
今でこそ、キャラクターがいたりフライヤーがあったり、公式SNSや活動の方針もあるが、当時はまだ何の用意も無かった。
拙いルール説明をしながら、必死にゲームについて語っていたのを、Sさんはとても興味深く話を聞いてくれていた。
一通りのプレゼンが終わり、ゲームにもとても好リアクションをしてくれて、この活動を応援したいと言ってくれた。
その時の体験が、今の僕の自信を作ってくれているのは間違いなくて、あれから4年経った現在でも、Sさんには定期的に近況報告をしている。
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✒︎ 2社目:株式会社SEED
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次に興味を示してくれたのは、青いケースの消しゴム「Rader」でお馴染みの株式会社SEEDで、最初は大阪にある本社の担当の方からメールの返信が来た。
その内容というのは、
「文具を使ったゲームという事で、業界の一端にいる私共としても嬉しく思います。
弊社は大阪の会社ですので、お越しいただくのは忍びないため、またの機会にお願いしたいと思います。」
と、興味は持ってもらったものの、距離的な問題で面談は叶わなかった。
が、その後すぐに同社の東京店の方からメールをいただき、
「とても面白そうなので是非東京店にご来社ください」
と、連絡をくれたのだった。
そして後日、例の如く“なんちゃってサラリーマン戦士”の格好で東京店を訪問し、ゲームのプレゼンを行なった。
今なら、もう少し規模の小さくてわかりやすいミニゲームから体験してもらうのだが、いきなり5目版の方から入ると、やはりその情報量の多さに面食らってしまうようだった。
立ち会ってくれたWさんには、ゲーム自体は少し難しそうな印象を持たれてしまったが、先般のニチバンのSさんのように、活動自体には大変賛同して応援してくださった。
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面談後、両社から「良かったらイベントで使ってください」と、看板商品である文具をたくさん協賛していただいた。
当時は、16社に連絡をして「たったの2社か…」と残念に思っていたが、とんでもない。
あんな乱筆乱文に2社も反応してもらい、その上こんなに応援までしてもらったのは、幸運以外何物でもない。
この時の恩は、一生忘れない。
〜BUNGU SQUAD STORY #8 へ続く〜
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