言葉の運動と時間感覚
文芸批評時評・7月 中沢忠之
『文学+』のウェブ版を始めた。文芸批評を加速させるという意図がある。毎月複数の文芸誌が出版されるように日々動いている現在進行形の文学にキャッチアップする時事性にフォーカスした文芸批評の言葉がもっとあってもよいのではないかという思いから始めた。生きた文芸批評を腸まで届けたい。文学のメタ言説を増やしたいという思いもある。もちろんそういった文芸批評はいまも方々で試みられていて、その運動に一同人誌――しかも現状は私一人が運営――が参加するにすぎない。おそらく足手まといになり、無益な死に至る結果は目に見えている。自分でもなぜこういうことを始めたのかいまだにわからないところもなくはないのだが。
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