ポエムはみんな生きている(第二回)
ネット詩には派閥がある?
ネット詩の「ポエム」と「現代詩」に、どんな言葉が使われているのか形態素解析してみた ni_ka
どうも、こんにちは、詩人・アーティスト、そして最近は東京にエンドレスに出続ける緊急事態宣言のおかけで半ば世捨て人のni_kaです。ご存じない方はお見知りおきくださいませ。ni_kaを知らなくても何も困ることはありませんけども、知っていても特に損にもなりません。
私のライフワークはネット詩観察なのですが、ネット詩と言いましても、自民党の麻生派や二階派よろしく、ざっくりとではありますが、ちょっとした派閥のようなものがありまして、今回はその派閥別に言葉の解析をしてみようと思いたちました。
まず、ネット詩人には、自作を「ポエム」や「ミニポエム」とカテゴライズする一派、「詩」や「自由詩」とカテゴライズする一派、「現代詩」とカテゴライズする一派、さらには「ミニポエム」で「ポエム」で「詩」で「自由詩」で「現代詩」であるとカテゴライズする詩の全部盛り一派などがいます。これは、客観的な評価や分類ではなく、詩人が自分の詩作品に各々のハッシュタグを付けて投稿していることによる分類なので、アイデンティティや拡散方法の問題です。もちろん、ハッシュタグを一切付けず詩を投稿するネット詩人もいます。Instagramでは、「#poem」(2187万件の投稿)や、「#poet」(1680万件の投稿)や、「#poetry」(6171万件の投稿)などの英語のハッシュタグもありますし、「#poetrysociety」や「#poetrycommunity」や「#詩を書く人と繋がりたい」や「#詩が好きな人と繋がりたい」など、詩を通じたコミュニケーションやコミュニティ形成を目的としたハッシュタグも人気です。ちなみに、「#ポエム」は46万件、「#現代詩」は4万件の投稿数で、Instagramにおいては、日本語の「ポエム」タグは「現代詩」タグの11倍以上の投稿数になっています。
また、InstagramやnoteやアメブロなどのSNSやブログ形式の場での発表の他にも、詩の投稿サイトに発表される詩作品もたくさんあります。例えば、詩や合評を目的とした投稿サイトの「B-REVIEW」(https://www.breview.org/)には比較的ネット詩での「現代詩」クラスタが集まり、「ポエム投稿サイト 詩人たちの小部屋」(https://miruko.sakura.ne.jp/poem/)や、小説投稿サイト「ノベルバ」(https://novelba.com/)には比較的ネット詩の「ポエム」「自由詩」クラスタが集まっています。このように、詩の投稿サイトにはざっくりと「現代詩」指向のサイトと、「ポエム」「自由詩」指向のサイトがあります。とはいっても、最近の詩の投稿サイトは、厳しい投稿基準をもうけず、参入しやすいように投稿者同士があまりギスギスしないように工夫していることが多いので、傾向はあるものの、様々なバリエーションの豊かな詩作品が投稿されています。
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