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2021年9月の記事

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過去記事は有料です。9月の記事を格納しています。 ①【文芸時評・9月】『文學界』から干されたオレがなぜかまた文芸時評をやっている件について(第三回) 荒木優太 ②【時評・書評を…
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ポエムはみんな生きている(第二回)

ネット詩には派閥がある? ネット詩の「ポエム」と「現代詩」に、どんな言葉が使われているのか形態素解析してみた ni_ka どうも、こんにちは、詩人・アーティスト、そして最近は東京にエンドレスに出続ける緊急事態宣言のおかけで半ば世捨て人のni_kaです。ご存じない方はお見知りおきくださいませ。ni_kaを知らなくても何も困ることはありませんけども、知っていても特に損にもなりません。 私のライフワークはネット詩観察なのですが、ネット詩と言いましても、自民党の麻生派や二階派よろし

些細な目

【書評】第四回阿波しらさぎ文学賞受賞作 なかむらあゆみ『空気』 評者:川村のどか  自分にとっては些細なことではないが、取り立てて大騒ぎするほどでもない事柄というのが、人生の中には意外に多くある。劇的なものよりも妙に記憶に残ってしまうそういう事柄が、普段の生活で意識されることは稀であり、ほとんどの時間、忘れたまま過ごすのだが、かといって無意識というほど、深く埋没しているわけでもない。  具体例を挙げれば、なんとなくポジティブなものとして捉えていたモンシロチョウが、実は野菜や花

「物語」に耳を傾ける──『東京の生活史』に参加して

【書評】岸政彦・編『東京の生活史』 評者:倉数茂 9月21日に発売される『東京の生活史』(筑摩書房)という本に参加した。自分の手元にはもう届いているのだが、ご覧の通りレンガのようなヴォリュームの本である。鈍器オブ鈍器。鈍器界のラ・マンチャの騎士。一部ではすでに話題になりつつあるみたいだが、ちょっと変わった本で、150人の聞き手が150人の語り手からその人の「人生」を聞き出している。こういうのを「生活史」といい、ライフ・ヒストリー、あるいはオーラル・ヒストリーともいう。「聞き書

「さみしさ」を分有することと「恥じ」を感じること

文芸批評時評・9月 中沢忠之 文学界隈では、先ごろ刊行された小川公代の『ケアの倫理とエンパワメント』が話題である。『群像』に短期連載されたもので、「ケア」の観点から文学作品を読み直すという方法に依拠した評論だ。この評論を紹介し、同じように「ケア」の観点から複数の小説を評した文芸時評から一つの論争が起こった。論争のプレイヤーは鴻巣友季子と桜庭一樹である。  事の発端は、桜庭の自伝的小説「少女を埋める」(『文學界』9月号)を評した鴻巣友季子の文芸時評(『朝日新聞』8月25日「ケア

振動する純文学──非平衡開放系現象としての文学

時評・書評を考える(第二回) 大滝瓶太 非平衡な文学 まずはこれらの動画を観てもらいたい。  これはベロウソフ-ジャボチンスキー(Belousov-Zhabotinsky:BZ)反応という。手短に説明すると、系のパターン(視覚的には色や模様)が時間周期性を持ち、系の状態が振動しながら化学平衡へ収束するという、熱力学や複雑系で「非平衡開放系」の例としてよく取り上げられる現象だ。  いきなり見せられたところで、ビーカーのなかの「ちょっと不思議な現象」程度にしか思えないかもしれ

『文學界』から干されたオレがなぜかまた文芸時評をやっている件について(第三回)

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