政治と宗教と文学と──あるいは言葉の非お守り的使用にむけて
批評の復習(第一回) 須藤輝彦 7月8日は僕の誕生日だった。
だからというわけではないが、2022年のその日、元首相が何者かに銃撃されたという知らせを、僕はまず冗談のようなものとして受け取った。いや、冗談よりももっと酷い。また質の悪いフェイクニュースが流れてきたと、反射的にそう思った。しかし昼過ぎにもう一度スマートフォンを眺めてみると、どうやらそれは冗談でもフェイクでもなく、元首相は瀕死の重態らしい。衝撃だった。とっさに頭をよぎったのは「政治テロ」という言葉だが、それもかな