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書評・映画評

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書評・映画評などをまとめました。次読む本・次見る映画の手掛かりに。
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記事一覧

【書評】市川沙央「異世界転生は殖民論の夢をみる――『大転生時代論』」【全文公開!…

『ハンチバック』で衝撃のデビューを飾る以前は、20年にわたってライトノベルを中心に小説投稿…

文學界
4か月前
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【書評・阿部公彦】九段理江『しをかくうま』「詩をつかまえる」

九段理江とは何者なのか?  わずか一年の間に芸術選奨文部科学大臣新人賞(『Schoolgirl』)…

文學界
10か月前
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【書評・三宅 香帆】上田岳弘『K+ICO』――うっすらとした絶望の先で

 いいなあ、と思うことがたくさんある。自分よりも年上の人に対して。それは人生を自分よりも…

文學界
10か月前
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【書評・倉本さおり】三木三奈『アイスネルワイゼン』――明滅する現実の死角

 どんなに十全に描かれているように見えても、小説を通じて提示される視界には限りがある。達…

文學界
10か月前
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小説を語る声は誰のものなのか      ―橋本治「桃尻娘」論  千木良悠子

発売中の「文學界」6月号より千木良悠子さんの批評「小説を語る声は誰のものなのか―橋本治「…

文學界
2年前
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「属性」との付き合い方―『N/A』論/中村香住

 年森瑛『N/A』を最初に知ったのは、Twitter上だった。そこでは、『N/A』に「クワロマンティ…

文學界
2年前
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批評 新海誠と「国民の物語」―『すずめの戸締まり』と七〇年代/渡邉大輔

1 「国民の物語」としての「閉じていく物語」  三年ぶりとなる新作アニメーション映画『すずめの戸締まり』(二〇二二年)の公開に先立つこと一年前の二〇二一年一二月一五日、監督の新海誠は、最初の製作発表会見の席で、本作のコンセプトについて以下のように語っている。 「扉を開いていく物語」ではなく、「扉を閉じていく物語」を作りたいということ。[…]僕たちの、少子高齢化が進んでいくようなこの国にとっては、いろんなできごとが始めることより閉じていくことのほうが難しいのではないかという

“your true colors shining through”――川上未映子『黄色い家』を読む|柳楽馨

 不遇のまま死んだゴッホへの思いを書き綴ったことのある川上未映子のことだから、彼女の新作…

文學界
1年前
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【書評】花田菜々子|静かに酔う人の美しさ――木村衣有子『BOOKSのんべえ お酒で味…

 お酒が弱い自分にとって、お酒が出てくる文学というのは決して自分が体験できない世界だ。そ…

文學界
1年前
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【作品論】菊間晴子「『受胎小説』の引力——『ハンチバック』論」

 冒頭の〈ハプバ記事〉に面食らい、息をつかせぬその後の展開と筆致にぐいぐいと引き込まれ、…

文學界
1年前
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【批評】渡邉大輔「宮﨑駿に触れる――『君たちはどう生きるか』と「工作」の想像力」

1 眞人の弓矢と「工作的なもの」  スタジオジブリの宮﨑駿監督の一〇年ぶりとなる長編アニ…

文學界
1年前
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