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インタビュー

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文學界noteに掲載されている、インタビュー記事をまとめました。
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記事一覧

《追悼》楳図かずお「大嘘をついてこそ芸術」【インタビュー】

 漫画家の楳図かずおさんが、先月28日、胃がんのため88歳で亡くなりました。22年には代表作『わたしは真悟』の続編となる101枚の連作絵画『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』を発表して話題を集めていました。その作品を中心とした展覧会の開催を機に「文學界」で掲載されたインタビューを全文公開します。聞き手は同誌で楳図かずお論を発表した三輪健太朗氏です。 聞き手●三輪健太朗 構成●吉田大助  撮影●山元茂樹 酒井七馬から学んだこと――楳図さんの作品は、「正統

【特別インタビュー】吉本ばなな「思想だけが人と人を繫ぐ――『小説家としての生き方』を語る」

〈読んだら少しだけ心が静かになった。生きやすくなった〉──そんな数々の小説を送り出してきた吉本ばななさん。 最新作『はーばーらいと』や『吹上奇譚』(全4巻)の着想から『小説家としての生き方 100箇条』で明かす自由への意志、最近気になるワードまで、未来への示唆に満ちた特別インタビュー。 ◆プロフィール 吉本ばなな(よしもと・ばなな)●1964年東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で

プラトーノフが書いた「もうひとつの革命」

二〇世紀最重要作家の代表作『チェヴェングール』がついに翻訳された。 難業に挑んだのはなぜか? プラトーノフとは何者なのか? その作品の尽きせぬ魅力とは? 翻訳者があますところなく語った。 聞き手●編集部 写真●平松市聖 ■ついに出た『チェヴェングール』 ――ロシアの作家アンドレイ・プラトーノフの長篇小説『チェヴェングール』(作品社)がついに邦訳されました。プラトーノフは「二〇世紀世界文学の重要な作家のひとり」と言われながら、その代表作である『チェヴェングール』を日本語で読

筒井康隆×Dos Monos「だんでぃどん」ができるまで/荘子it インタビュー

筒井康隆氏の朗読を元に、Dos Monosが楽曲「だんでぃどん」を制作。その過程について、文學界9月号の特集「声と文学」より、荘子itのインタビューを抜粋する。 ■「ダンシング」で繋がる 「ダンシングオールナイト」は「文學界」(2020年11月号)の誌面で読んでいました。ジャズの特集に惹かれて購入したんですが、筒井さんが自分の半生を振り返りながら独自の切り口でジャズの歴史を語る「ダンシングオールナイト」を読むと、冒頭が、韻こそ踏んでいないのですが、自分の感覚からするとラッ

AI研究者・三宅陽一郎インタビュー   「AI研究は世界と知能を再構築する」   

文學界2022年2月号の特集「AIと文学の未来」から、山本貴光さん&吉川浩満さんによる三宅陽一郎さんのインタビューの一部を抜粋して掲載します。 三宅陽一郎 みやけ・よういちろう●1975年生まれ。ゲームAI開発者。京都大学で数学を専攻、大阪大学大学院物理学修士課程、東京大学大学院工学系研究科博士課程を経て、AI研究者に。『人工知能が「生命」になるとき』など著書多数。 ■「知能」は定義されていない 山本 この特集では「AIと文学の未来」をテーマに、吉川浩満君と私で三人の方