『真夜中の底で君を待つ』汐見夏衛著
汐見夏衛『真夜中の底で君を待つ』
いまの自分にほしい言葉がたくさん散りばめてあって、共感して泣けてきました。
恋愛というより、人間関係とか進路とか、生きてる意味とか、なんかそういうモヤモヤを、明るくかいてるような小説だったと思った🥰
大切な人に読んでほしいな〜と思う本ですね。
なんて言ったらいいかわかんなくて、うまく話せないこととか、相手にどう思われるか考えすぎてタイミング逃して何も言えなくて、誤解されたままで話が進んでしまうこととかに共感。それでそれが積み重なって、言葉にする意味や価値を感じられなくなって、話さなくていいや、伝えなくていいや、と思ってしまうこととか。そんなことに、たくさん共感した。
そうそう、あるある。って。
主人公の口癖は、「いや、別に」なんだけど、実はすごく考えてて、話しかけてくれたことも、本当は嬉しかったり、クラスの打ち上げやバイトの遊びに誘ってもらっても、本当は感謝していたりするのに、それを伝えられなかった。
私も、自分があれこれ考えるスピードが遅いのか考える量が多いからか知らないけど、何か返事をする前に会話が進んでしまうことはよくある話だなと思って読んでいた。そんなふうに割とあるなと思うことに共感しながら読んでたんだけど、「ありがとう」の一言を言うだけで違うよってことはこの主人公に言いたいなと思いながらはじめの方は読んでた。
だけど、最後に心からの感謝とか、自分の言葉で伝えている主人公をみて、私は口先だけのありがとうじゃなくて、ありがとう以上に感謝を伝えられるような返事とか言葉を使いたいなと思った。難しいことだけど、できるようになればなるほど、相手も自分も傷付けず、自分の盾となってくれるようになると思った。
言葉にする大切さとか、自分の考えとか感情をできるだけ的確に相手に伝えるために、言語化をする大切さを、読者に訴えかけられるようなエピソードが出てきた一方で、
2人で夜の公園で過ごす、会話があんまりないのに心地いい時間を描いているところもあり、その対比がいいなと思った。
無理に話さないでいいよってことも、気を遣って何か話さなきゃって思わないでいいよってことも、沈黙の心地よさも、ここでは教えてくれている気がした。
ギブアンドテイクだったということ。
一見助けてもらった様で、お互いの視点から同じエピソードについての描写があり、相手に対する感謝も、影響することも、成長することも、一方通行の矢印ではなくて、お互いに成長したり感謝したりしていた。
それはなんか、ここでは助けるっていうエピソードだったけど、私にとって教えるってことと重なった。
高山さんにも言われた。私からも学ぶことがあると言ってくれた。
やっぱり、人との関わりって、必ずと言っていいほど双方向に影響すると思う。
相手の幸せを心から願えるところ。
端々に更紗の成長を感じてうるっときた。
とっさだと、言葉が出てこないことに共感しまくり。
夜、2人で過ごす公園は、なんだか安心しそう。
言葉にする大切さ、わかっていても、怖いと思って言えないことがたくさんある。
主人公が、相手の表情をものすごく読んで、察せるんだけど、たぶん、変化とか感情とかは読めてても、考えてることとか、その時本当に相手が思ったことまでは読めてなくて、そこで誤解を生んでいることが多かったように見えた。
相手の気持ちを伺いすぎるあまりに、言葉を発すこと自体が怖くなる。ということに、とても共感してしまった。でも主人公は、それじゃあだめだって思って、少しずつ行動に起こしていて、強いなぁって、思った。優しくて、敏感だからこそ、そんなふうに強くなれるんだと思う。
人の気持ちを伺ったり、変に思われたかなとか、あの時ああ言えばよかったとかって、思う人ほど、もしかすると、人の変化とか感情とかに気付きやすいのかもしれないですね、、。
「どんなに『善い言葉』も、誰かにとっての攻撃と背中合わせになっている」ってセリフが刺さった。
読書感想文まともに書けなかった小学生だったので、
拙いんだろうなと思います笑
でも、いいや、この本すごくよかったから…!!!笑