曖昧で不確かで、グラデーション豊かな世界で何かを選択することについて
僕は人生において、ほとんどの決断を、優柔不断に悩みに悩んで、結局なんとなく選択してきた。「絶対にこれが正解だ!」なんて思ったことがないし、選択後に「これが正解だった!」と思ったこともない。
「これで本当にいいかなあ?」からの「やっぱり間違ってたかも、、」の連続だ。そして「こんな選択しなきゃよかったなぁ、あの頃に戻りたい、、」と思っているうちに目の前に別の選択が迫ってくる。気づけば30歳をとっくの昔に過ぎていた。
最近はまっている、燃え殻さんのエッセイにこんなことが書いてあった。
僕もこの考え方に共感しかない。世の中はグラデーションでできていて、曖昧で不確実で不安定だ。けれども何かの選択や判断をするとき、僕たちは100点の正解を求めがちだ。でもほとんどの選択や判断は正解でもあり不正解でもあり、そもそも正解とはなんだ?点数てなんだ?ってなっちゃう。
僕の数少ない経験のうち、就職についても未だにこれが正解なのか全然わからない。
僕は人と一日中関わると疲れて鬱になってしまうので、営業系の仕事を避けて、システム系の会社を片っ端から受けて、何とか内定をもらった。
一安心したとたん、今度はパソコンと一日中向き合うのが段々と怖くなって、入社式直後に辞退してしまった。その後2年ほどニートをした。
結局今はパソコンをカタカタしつつ顧客とやりとりする、どっちつかずな仕事をしている。その仕事も最初の5年は「パソコンも人も苦手だ、、、失敗した、、田舎に帰って農家になろう、、、」と思っていた。でも結局辞めるのも面倒になってきて、今は中堅社員として残っている。
今でも1日に1回は「もう辞めて田舎でカフェのオーナーになろうかな」と考えて、メニューまで真剣に考える。資本金もないし、コミュ障なので接客も無理なんだけど。。
結婚についてもそうだ。「この子と絶対に結婚するんだ!!」ではなく「別れたくないなあ。。」「このままいくと振られそうだなぁ。。」だった。結婚の後も「こういうとこほんと合わないなぁ」と後悔し、喧嘩をすることも多かったけれど、まあまあ幸せな毎日だった、、、と思っていたら、相手が浮気をして、突如離婚を告げられた。僕の甲斐性なしなところも多分にあったけれど、予測不能だった。
僕はずっとそんな生き方をしているけれど、今思うと「これが正解!!」ってことはないと思うし、多分どの選択をしてもそれなりに苦労して後悔しているのだと思う。それに僕自身が常にネガティブで生きることが下手くそな人間なのだから、仕方ない。
それに「これが正解だ!!」と思って選択して、「全然違った、、」となるよりはダメージが小さい気がするんだよね。
職場にいる幸せそうな奥様(日々笑顔で、子供を3人育て上げ、仲の良さそうな旦那様としょっちゅう職場の人を招く飲み会を自宅で開催している)に、「○○さんは幸せそうですよね~」と聞いたら、「いやあ、いつでも離婚できるんだ、私は自由になれるんだ、って毎日思ってたら、ここまで来ましたねぇ」と笑顔で言われて唖然とした。
世の中は思っていたより不安定で、不確かで、光と影のグラデーションでできている。
だからさ、とりあえず何か選択に迫られても焦らず、どうせ後悔するんだな、と思いながら、なんとなく選んでいきましょう。そして引き続き後悔を抱えながら生きていきましょう。
どれを選んでもあなたの人生としては正解だし、良い経験になるし、別に死ぬわけじゃないんだから、大丈夫ですよ。それに生きていれば何もかもが正解に思えるときがくるんじゃないか、そう信じて何とか這いつくばって生きています。