プロダクトの成長サイクルを理解する"Racecarフレームワーク"
どうも、ぶんたです。(@bunbuno0)
音声プラットフォームのプロダクトVoicyのPMをしています。
今回は特にtoC向けプロダクトのグロースをどのようにしていくかを理解するための良い記事を発見したのでご紹介しつつ、
プロダクトを成長させていくにはどういうことを行えば良いか、それを整理することに役立てられればと思って書きます。
主に「https://www.reforge.com/」と「https://www.lennysnewsletter.com/」の記事から引用・紹介しています。
まずご紹介したい記事は以下。
toC向けプロダクトが成長するのに必要な要素をわかりやすく分類分けをしてくれています。
これを意識するかしないかで大きく認識が変わりますし、それによって戦略が全然違ってくるので、とても良い分類の仕方だなあと思いました。
個人的には「エンジン」と「潤滑油」が特に重要かと思ったので、厚めに書いています。
ちなみに余談ですが、私は英語ができないので、自動翻訳を駆使して頑張って理解しています。
なので、英語ができない方もchromeなどの自動翻訳機能を利用すれば簡単に読めるので、元記事の内容を是非読んでみてください。
日本だとプロダクトマネジメントなどの情報はあまり出てきませんが、本当に海外はSubstackやMediumなどで、現場の、生身の、血の通った成功体験・失敗体験・様々な分析の記事やPodcastがそこら中に落ちているので、色々見てみるのはオススメです。
しかも記事内のリンクから飛んでいけば、様々の方の発信をいろいろ辿ることもできます。
と余談はここまでで、以下本編です。
エンジン(The Growth Engine)
まず、エンジンが無いと車は走りません。
記事でも紹介ありますが、最も大事なことが「(成長)エンジン」を理解すること。
これはユーザーを呼んでくる仕掛けの様なもの。
この「(成長)エンジン」が確立されることで、持続可能な複利的な成長ループに入っていくことができるということになります。
そしてまた別記事からの引用になりますが、実はこのエンジンの種類は4つしかなくて、toCサービスでいうと3つになります。(セールスがユーザー獲得のエンジンとして経済的であることは稀なため)
例えば、Facebookは最初は特定の大学しか使えないようにし、うまくコミュニティをうまく作って口コミでどんどん広げていったことは有名な話ですが、
マッチングアプリのTinderも、大学生の誕生日パーティーを開催し、Tinderアプリのダウンロードを参加条件として、大学生の間でとても話題になり、初期グロースを生み出したりしていました。
そのように世界を代表するような数々のプロダクトたちは、グロースサイクルを生み出す渦のようなものを、初期の段階で確立していたりします。
以下記事の中の、「最初の1,000ユーザーを見つける方法」は実際の事例がたくさん書かれていて非常に面白いです。
ターボブースト(Turbo boosts)
次はターボブーストです。これは一定期間の成長を加速できる戦術ですが、継続的な加速はできません。例えば以下のようなものです。
PR
イベント
ブランドマーケティングキャンペーン
これらは単発で持続可能ではなく再現性が乏しいですが、
一方で、新製品や市場の立ち上げなど、会社にとって重要な転換点において、成長率を加速させるためのツールとして非常に有効な場合があります。
他は具体的な施策としては、
テレビCMや大物インフルエンサーへの投稿依頼などもこの「ターボブースト」に当てはまるのかと思いました。
こちらも以下、いろんな先人たちのアイデアを紹介してくれているのは参考になります。
潤滑油(Lubricants)
この部分が、成長ループをいかに滑らかに回せるかの重要な部分。
特にその中でもリテンションは重要なものです。
そして以下記事の中で面白いのが、リテンションは重要であることは皆が思っているが、その重要な意味を分かっていないという点です。引用します。
穴の空いたバケツの話ではないですが、その部分だけに目が行きがちですが、ユーザー損失以外の点も含めて、このリテンションに力をかけることは意味があることなのです。
以下、結構当たり前のようにも感じることではありますが、
改めてリテンションが与える影響が広範囲で、いかに重要なポイントなのかを再認識する意味で、とても重要なように思います。
つまりリテンションが改善すると、
▶︎ユーザー増える
▶︎そのユーザーがコンテンツ作ったりシェアしたりしてユーザー招待を促してくれる
▶︎使う人が増えればお金を払う人が増える&ずっと使うから払う金額も増える
▶︎その売上でより広告に投資できる&投資対効果もより速く回収できる
▶︎もっとユーザーが増える
というループを生み出すことができる。という話です。
なんか言われれば当たり前ではあるんですが、結構見落としがちな部分が「リテンションを改善することで、新規ユーザーの獲得数も増加する」という点かもしれませんね。
例えばこれ、Pinterestのループがわかりやすい。
ただ年々いろんなサービスが出てきて熾烈な争いになっているため、2010年代の市場環境よりもこのようなループは回りにくくなっているような気もします。
様々な魅力的な商品がある中で、企業同士では可処分時間の奪い合いの一方、ユーザーの目は肥えていくので、より最初の体験でいかに魅力的な商品かをアピールできないともう一生使ってもらえない。そんな環境になってきているのでしょう。
この記事は続編もありますので、気になった方は読んでみてください。
Why Retention Is The Silent Killer
Retention is Hard, and Getting Harder — Here’s Why
あと潤滑油の話は重要なので厚めにはなりますが、
リテンションの話でいうと、そもそもどう測定して運用するのがベストか?みたいなことは常に考えておきたいところです。
またどのくらいのリテンション率が良いのか?に関しては以下の記事が参考になります。
単純比較はできないかもしれませんが、自社サービスがどのような基準なのかをみる参考としても使えるかなと思います。
そして、ではどうやってこのリテンションを改善するのか?については、以下がアイデアの参考になります。(途中から有料記事になりますが、半分くらい無料で読めます。)
以上、このパートは長くなりましたが、この「潤滑油」こそがプロダクトのグリップを強める根源なので、細かくご紹介しました。
この部分は本当に難しい部分です。記事内でも以下表現ありましたが、その通りだなと。
ただこの状況の中でいかに短時間で興味を持って熱中できる期待をしてもらえるか。
レーシングカーがグングンスピードを上げられるように摩擦をいかに減らしておけるかが、プロダクトの肝であるということですね。
燃料(Fuel)
そして最後、これがなければ、どんなに最適化されたエンジンでも動作しません。
ただし必要な燃料の種類は、実行している成長エンジンの種類によって異なります。
例えば、広告のグロースエンジンを回すには資金が必要だし、SEOでユーザーを呼ぶには多くのコンテンツが必要だし、バイラルするにはユーザー数が必要だよねという話です。
ただここで注意が、燃料を積みすぎると実際に速度が低下する可能性があるということです。
例えば
・マーケティングに費用を突っ込めば突っ込むほど、コンバージョン率やリテンション率が低下していく可能性もある
・コンテンツのボリュームを増やせば増やすほど、それで満足してしまう可能性も出る
・友人紹介などを執拗に進めればバイラリティは増すがユーザー体験が低下し離脱する可能性が出る
のようなことです。
なので、燃料は多ければ多いほど良いというわけではなく、エンジンにふさわしいだけのボリュームで積めるようにしておくことが重要だということです。
さいごに
以上、Racecarの紹介とそれに付随するものの紹介をさせていただきました。Racecarの記事は続編があるので、さらに深く見たい人はこちら。
ただこのモデルも今後どうなるか分かりません。
AIも実用的になって、獲得のチャネルも全く違うものにガラッと変わる可能性も大きいですし、利用者もどんどん変容していきます。
スマートフォンが登場して15年くらいも経ちますし、デバイスも大きく変わっていくでしょう。
という部分もありつつも、現状こういった考え方をするだけで、全然新たな視点や良い戦略が作れるということもあるかと思うので、是非参考になる部分は取り入れてみてください。
今回は気になった海外の記事紹介ですが、プロダクトマネジメントを中心に他にもいろいろnote書いているので是非ご覧ください。
参考になったとか、こういう考えがあるねとか、感想でもなんでも、是非シェア&コメントくださいね!
またこういう内容を一緒に考えてくれる仲間も募集しているので、Voicyという会社が気になる方はぜひ以下も見てみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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