PM(プロダクトマネージャー)に一番大事な"なんとかする力"とソフトスキルの話
どうも、ぶんたです。(@bunbuno0)
音声プラットフォームのプロダクトを作っているVoicyでPMチームのマネジメントとプロダクトマネージャーをやっています。
今回はPM(プロダクトマネージャー)に大事なスキルって"なんとかする力"だよね。それを分解してPMにとって大事なソフトスキルってこういうものだよね。って話をしたいと思います。
ハードスキルとソフトスキル
まず初めにソフトスキルってなんぞやというと、以下のような具体例がわかりやすいかと思います。
こうやって考えると、PMに必要なスキルセットとしてよく用いられる「プロダクトマネジメントトライアングル」で評価される部分はハードスキルが主な部分なんですよね。
ハードスキルとソフトスキルの大きな違いは、ハードスキルは世の中の流れや変化で求められるものが変わってきますが、ソフトスキルは大きくは変わりません。
例えばマーケティング一つとっても、20年以上前にはSEOやSNSマーケティングなどの概念は無かったものが、今では重要要素となり、世の中の流れやプラットフォームの流行に左右されます。
例えばFacebook、Twitter、Tiktokなどプラットフォームが大きな影響力を持てば、そのプラットフォームの理解する必要が大きく増しますし、
逆に影響力が弱まったらアルゴリズムの理解とかマッチするコンテンツの理解とかどんだけ専門性を持ってても、その意味が薄れちゃうんですよね。
そしてまた新たな主流のマーケティング手法が出てきたら、それをキャッチアップしていかないといけません。そういう意味で求められるものがどんどん変化していきます。
プログラミングやデザインも同じようなもんですよね。刻々と必要とされるスキルは変化していきます。
一方、ソフトスキル面でいうと、例えばコミュニケーション能力とか、課題解決能力とか、こういったものはよっぽどの時代の変化がない限りは普遍的に必要とされるものだと思います。
そういうことを考えると、ソフトスキルはPMだけに限らず全ビジネスマンにとって必要な能力なんだと思いますが、
PMはプロダクトを成功に導く人なので、他の職種よりもその重要度は増すのだろうなと思います。
ただ能力というのはソフトスキルとハードスキルとの掛け合わせなので、プロダクトマネジメントトライアングルのようなハードスキルの指標と、本記事で書かせていただいているようなソフトスキルを意識して、
自分の今置かれている環境では何が出来ていて出来ていないのかを、両面で客観的に評価することは大事だと思います。
また自分の置かれている環境といったのも、自分以外の誰かがカバーできればそれは自分が磨かなくていいかもしれないですし、誰もやれる人がいなければ自分が率先して磨く必要があるスキルもあるかもしれません。ということです。
PMが一番大事にしたいのは”何とかする力”
以前、以下の記事を書いた時に初めて知ったんですが、Product Managerのmanageには「なんとか成し遂げる」という意味があるそうなんです。
そうか、PMはプロダクトをなんとかして成し遂げる人なんだと。
だからハードスキルとソフトスキルを駆使して"なんとかする力"が一番大事なんだろうなと思ったりしました。
その中で、"なんとかする力"というのって何だろうと考えた時に、さとうさんの記事も見て、改めてソフトスキル的な要素が強いなあと感じました。以下引用。
特にPMは1人では何もプロダクトを推進できない(エンジニアがコードを書き、デザイナーがデザインを作る)ので、
プロダクトを成功に近づけるために、チームを推進していくようなソフトスキルが求められるかと思います。
PMに必要な"なんとかする力"を重要なソフトスキルに分解してみた
ではもう少し具体的にソフトスキルとして”なんとかする力”を分解するとどういうスキルになるのでしょうか。
特にPMに必要な"なんとかする力"を以下4つに分解してみました。
・巻き込み力と巻き込み方を考える力
・決める力と決めさせ力
・柔軟性と変化対応力
・言語化力と伝え方力
もちろん仮説構築力・仮説検証力などといったスキルも間違いなく重要なんですが、個人的にはハードスキルに近いなと思っているのと、PMは1人で思考することよりもチームを巻き込んで実行することの方が大事だと思っているので、この4つに絞ってみました。
巻き込み力と巻き込み方を考える力
まず個人的に一番大事だなあと思うのが、チーム、ステークホルダーを巻き込んで押し進める力です。
ステークホルダーもその時の状況や人員によって、いろいろ変わります。もちろん社長である場合もあるし、ビジネスサイドの人間かもしれないし、時にはチームメンバーの1人かもしれません。
以下にあるように、PM1人では本当に何も成し遂げることができないので、周りを巻き込む力というのは一番意識したいポイントだと思っています。
どれだけ良いアイデアを持っていても、巻き込みが足りないとうまく進められずに、成功に近づくことはできません。
特に意識したいことは、小さくでいいから巻き込んでいくこと。
やってしまいがちな失敗としては、大きく全体を最初から巻き込んで余計な混乱を生んでしまうことです。
確実な解やファクトが無い中で、様々な立場の、色々な思惑がある人たちの思考を一気に変えることや、意識を統一することは非常に困難です。
また自分自身でも不確かな中進めていることは数多くあると思うので、ふとロジックが崩れたときに自分自身もどうすべきか悩み、さらに方向性がブレていきます。(私自身も過去に何度もありました)
PMは責任領域が大きいので、意気込んでいきなり大きく巻き込もうとしてしまいがちですが、意気込んでいる時ほど、まずは冷静にキーマンとなる人物を巻き込めるように小さく進めることが大事だと思います。
そうすることによって、「少数でも認識がすりあっていけること」と「自分の考えが少しずつブラッシュアップされること」と二重にお得なので、1人でうーんと考える時間を使って消耗するより、まとまってなくても小さく巻き込んだり、味方になってもらうことは非常に重要かと思います。
「とにかくちょっとでもいいから進める」という気持ちで巻き込んでいくのが良いかなと。
ということで、巻き込んでいく力だけではなく、巻き込む方法を考えることもすごく重要なポイントになります。
決める力と決めさせ力
意思決定力が大事という話はよく聞きますし、間違いないことだと思いますが、PMにとっては決めさせる力も大事だと思っています。
先ほどもあったように、PMは1人では何もできないので、プロダクトが成功するために正しいであろうことに対して、チームに決めさせることや経営層に決めさせる能力も大事になってきます。
ここでいう決めさせるとは、責任転嫁をするということではなく、「全員が自分ごと化している状態に持っていく」という表現が近いかと思います。
PMが自分で決めてプロダクトがうまくいってる時は良いのですが、停滞したタイミングなどは、それぞれが自分ごと化していない状態だと、人間誰しも誰かしらに責任を押し付けたい気持ちになっていきます。
「あの人が言ってたからやったのにダメじゃない…」「彼に任せるとダメだな…」などといった感情が出ている状態だと、確実にチームとしてうまくいかないですよね。
決めさせるためにファクトを出したり、納得感を醸成したり、また本当に小さいことでもいいから、まずは決めてもらうようにするということが大事なんじゃないかなと思います。
柔軟性と変化対応力
そして不確実性の高い状況において、柔軟に思考を変えていく力というのも、これまた重要な能力の一つのように思えます。
やってたことが間違ってたとか、効果がなかったとかはざらにあります。
その中で意地を張ってこれが正しいと貫き通すのは、信頼を得られないし自分としてもしんどいことだと思います。
第一に間違った方向にプロダクトが行ってしまいます。
間違ってたら間違っていたことを認めて、次につなげていこうという柔軟性や分からないことは分からないから一緒に考えようという気持ちなどは大事にしたいポイントです。
また特にスタートアップは、市場の変化や経営の意思決定によって会社やプロダクトの方向性も大きく変えていく必要があります。
その時に、いかに自分自身が変化に対応して経営と目線を合わせて、チームに思考の変化を促せるか。PMの腕の見せ所のような気がしています。
言語化力と伝え方力
そして最後に言語化力と伝え方力。
これはプロダクトのビジョンやイシューを言語化するという能力としても言わずもがな大事なんですが、どういうメッセージで人を巻き込むかにも関わってくる重要なスキルだと思います。
どれだけ良い思考が出来たとしても、チームで物事を進める以上は、それを伝わるように言語化しなくてはなりません。
プロダクトの表現はもちろん、ステークホルダーへの理解を深める要素としてもめちゃくちゃ大事だし、磨いていかないといけない部分。
またメッセージの表現方法を一つとってもかなりステークホルダーの受け取り方への影響は大きいです。
例えば数字が「0.1ptも改善した」というのと「0.1ptしか改善しなかった」という言い方だけでも受け取る印象は全然違います。
「リリース予定が遅れてしまった」と「リリース予定には遅れたものの、品質を担保した上でリリースできた」も全然違います。
単純にポジティブに言えばいいという話ではなく、冷静に評価をして伝える必要はあるものの、PM当事者としてはネガティブな面に目が行ってしまいがちで、ネガティブに伝えることを繰り返すことによって、チームや会社の雰囲気がだんだんチリツモで「何となくうまくいってない感」を醸成してしまったりすることもよくあるんじゃないかなと思います。
それを状況や伝える人に応じて、伝え方のニュアンスを変えるということも大事なのかなと思ったりします。
ただ言語化力に関しては、自分自身もこの記事書きながらも、うまく表現出来ていない部分もあり、まだまだ課題があるなあと思っています笑。
最後に一番大事なのが自分がプロダクトに情熱を捧げられているかどうか
ということで、上記のソフトスキルもプロダクトを成功するための、一部にしか過ぎません。結構「人」に対しての要素が多くなりましたが、これらすべてが自分と一緒に仕事をする人たちが「プロダクトとユーザ」に目を向けるようにするためのHOWでしかないということかなと思います。
結局、全員がプロダクトとユーザに目を向けて仕事をしている状態が、良いプロダクトを作り出す条件なんだと思います。
言うは易く行うは難しですが、そういう状態に持っていくことはPMの役割なのだと思います。
またどれだけ良いアイデアを、自分でも他者でも作れたとしても、チームで動いている以上、実行にまで移せる仕組みになっていないと意味が無いです。なので書きながら思ったことですが、チーム全体が実行できる仕組みを作ることが一番大事なんだと感じました。
そして結局最後に一番大事なのが、自分のプロダクトに情熱を捧げられているかどうかというのは、”なんとかする力”が向上していくのに必須要素だと思います。
PMが誰よりもプロダクトに目を向けているべきですし、自分のプロダクトをなんとかしようと思える根源的な部分ですね。
自分の経験の話をすると、何年も前に初めてPM的な役割を自然とやるようになって、担当プロダクトの業界やPMの知識も何も無い中で、我武者羅に何とかするために頑張りました。
それはもうそのプロダクトが好きとかどうとか関係なく、「置かれた場所で咲きなさい」ではないですが、必死でそのプロダクトをなんとかしようとしました。たぶん情熱を捧げられるかというのは結局マインドをどう持っていくかということなのかなと思います。
(余談ですが、もし今自分がやりたいプロダクトなのかなど悩んでる人は、とりあえず置かれた場所で最大限まずはやってみるというのが大事なんじゃないかと思います。とにかくやってみないと自分がやりたいことなんて分からないので。
そうやって”なんとかする力”が磨かれていくんじゃないかなと思ったりします。)
そうしてやってる中で、自分の中でこうしたいああしたいなどの価値観が芽生えてきて、2年前に今のVoicyという会社に共感し、ジョインしました。
幸運にも自分が好きなプロダクトであり、より情熱を捧げられるような環境で、今も絶賛なんとかするために頑張っています。
Voicyはビジネスの専門家やその道のプロ、ミュージシャンや著名人など、厳選されたパーソナリティによる“声のブログ”やニュース、ラジオのような放送が聴ける新しい音声プラットフォームです。
動画のプロダクトとしてはYoutube、TikTok、Netflixなどがある意味、現時点での正解に近いプロダクトを作っていると思っていますが、音声やpodcastの分野においてはまだ正解といえるビジネスやプロダクトが世の中にありません。
ある意味、それが自分たちで正解を作っていくということでもあり、かなり面白い部分です。
そして本気でYoutubeやTikTokなどのような世界で使われるようなプラットフォームを目指していますし、ユーザーや社会がいかに豊かになれるかということも考えてプロダクトを作っています。
また社内のメンバーもそれぞれ"なんとかする力"を持った人たちばかりで、本当に切磋琢磨してプロダクトを良くするため日々頑張っています。
お時間あれば、以下にある記事も是非ご覧ください。
そしてさらになんとかしてくれる人も募集しておりますので、気になる職種があれば、是非以下の採用情報もご覧ください!
もしお話できる方もいらっしゃればMeetyでもお待ちしております。
そして最後に、この記事ではソフトスキルの話をメインに書きましたが、
もちろんソフトスキルだけではPMは成り立ちませんので、ソフトも意識しつつ、ハードスキルを日々磨きこむことも心がけていきたいと思います。
またどこかでPMのハードスキルの話も書きたいなと思います。
最後までお読みくださりありがとうございました!
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