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遅すぎる、2023年度振り返り
春、職場と自宅と病院の往復をしていたら、今年度が4か月も過ぎていました。書きかけになっていた振り返りを、久しぶりに椎葉に戻り山々に癒された今日、今さらですが出してみます。
今年の夏は、椎葉で役場や地元の方のお力をいただき、自然体験チポリーノを夏休みバージョンで開催できることになりました。毎回発見やいろんな子どもの姿がありますが、一緒に場を作ってくださる方、楽しんでくださる方々に感謝!
*イベントの詳細はこちら
https://www.instagram.com/p/C9dy4vVSZnE/?igsh=YW10Ym9xc3lscGh1
ようやく、、2023年活動振り返り
〇遊び広場ぽらん
椎葉村交流拠点施設Katerieにて、子どもと大人のためのイベントやワークショップを開催しました。
昨年度に比べて、開催回数をぐっと減らしました。自分が作りたいものと望まれているもののギャップや、椎葉の子育て世代の忙しさから、集客に苦戦し、やることとやらないことの線引きにトライした1年でした。
自分の力不足を実感し、こうした活動を椎葉村の中での連携プロジェクトにできなかった、という活動当初からの課題の結果を受け止めざるを得ませんでした。
一方で、昨年に引き続き、九州中・日本中の講師や協力団体に恵まれたことは、本当に有難かったです。「椎葉まで行きますよ」「椎葉の子どもたちやママたちのためにできることがあれば」「椎葉にとっていい場になりますように」と、遠さを物ともせず、一緒に子どもの育つ場・親御さんを笑顔にする場を作ってくださったプロの熱意とあたたかさのおかげで、イベントを積み重ねることができました。
開催実績
・33回
・約550人
開催内容
・運動遊び
・木の広場
・おもちゃの広場
・シャボン玉デー
・しいばのやまがっこう
・お絵描きワークショップ
・おもちゃイベント
・フライングプラネタリウム
・野外で算数
・足育講座
・ペタペタアート
・わらべうたワークショップ
![](https://assets.st-note.com/img/1721135416868-hk4FTBI3P9.jpg?width=1200)
協力団体・個人(順不同・過去イベントについても含む)
・もっくわーく那須
・東京おもちゃ美術館
・Treebranch 青柳幸枝さん
・てげてげ夢作房 真志喜耕一さん
・星つむぎの村 高橋真理子さん跡部浩一さん
・みやざき足育センター 成田あす香さん
・ペタペタアート 福島ともみさん
・一般社団法人sol 中山千春さん
・リトミック 寺原有香さん
・ほるぷ九州 戸高るみ子さん
・睡眠栄養指導士 椎葉ゆう子さん
・"もうひとつの"こどもえんyattara 上村かおりさん
・マルウッド 田丸貴久さん
〇自然体験チポリーノ
2023年春に始まり、村のワーケーション事業の中に組み入れていただき、村内・村外の方と共に2024年2月まで活動しました。主に十根川地区と上椎葉地区の森で親子で遊んだり、季節の遊びを楽しみました。
活動をする中で、改めて椎葉の自然の鮮明さや地域の文化が、子どもの育つ土壌になっていること、子どもたちは互いに影響し集団の中で育つことがわかりました。最初は斜面を歩ききれなかった子どもたちが、半年後にはで遊びながら歩いていたり、小さな子が大きな子を倣って同じ遊びを楽しむ様子に、積み重ねの効果を実感しました。
山間地で救急体制も都市部とは異なり、遊ぶ場所も崖地など、常に危険と隣り合わせな状況で、毎回何かしらのハプニングを乗り越え、保護者の見守り力、遊び力もぐぐっと深まり、子どもが育つ文化を一緒に作っていただきました。
また繰り返しになりますが、参加者のみの取り組みで子どもが育ったのではなく、周りの風景や文化、地域の人の関わりがあったからこその空間でした。
開催実績
・52回
・266人
・ワーケーション参加世帯受け入れ13回
開催内容
・針金橋裏山での運動遊び
・十根川集落での散策遊び
・博物館・厳島神社での文化体験
・近隣の保育団体との地域交流
・大人のための勉強会(救命講習・子育て講座・映画鑑賞など)
協力団体・個人(順不同)
・十根川集落の皆さん
・八村の皆さん
・椎葉村総務課防災グループ
・椎葉村役場教育課
・中塔渓谷の館
・古民家ゲストハウス湯合
・椎葉小学校放課後子ども教室
・松尾小学校放課後子ども教室
・椎葉民俗芸能博物館
・ツリーハウスの森(尾前設計)
・eスポーツ講師 ソーントン・マイク・直樹さん
・森のようちえんおてんとさん
・"もうひとつの”こどもえんyattara
・椎葉村交流拠点施設Katerie
〇野外で算数@椎葉村
野外で算数ワークショップの詳細はこちらへ。
山間地で学びの場を作る大変さがありましたが、何よりワークショップの中身が面白く、大人になっても「知るって面白い」「わからないって面白い」という体験を、参加者の背景に関わらず共有できた貴重な時間となりました。
目の前にある自然と学びをどう関連付けるかという視点と、子どもの学びを作る大人に必要な力、その中でも特に子どもは自ら学ぶ存在であるという視点は、その後の自然体験活動でもとても役に立ちました。
開催実績
・3回 累計49人+元気な子どもたちたくさん
開催内容
・野外での科目学習のワークショップ
・子どもの学びに関する講義
・スウェーデンでの野外教育に関する講義
講師
・NPO法人TEC 山本幹彦さん 風音さん 草さん
〇学習塾ブランチ
役場の起業補助制度を使わせていただき、最初は中学生一人の子のために開いた塾でした。今は小学生二人の小さな塾ですが、子どもたちが自分で勉強に向かう姿勢ができました。これは送迎や調整をしてくださる保護者のご協力があってこそ、、子どもたちにもその有難さを伝えてきました。
4月からの継続について、子どもたちが続けたいと言ってくれ、そして運営をやりたいと自ら手を上げてくださった若い方のおかげで、学習の場が続いています。今度は夏休みバージョンで、授業に加えてクッキングをするそうです。
ブランチでなくても、地域で子どもを含めた住民がやりたい学びや体験の選択肢が増え続けている(正確には以前からいろんな活動があった)と聞き、見通しの良い自治体規模で、個人の意志をサポートする村や地区の体制があり、個人が場づくりに参加しやすいこと、子どもと大人の距離が近いからこそ成り立つ「学び+α」の場になっていることも、改めて貴重であると感じています。
子どもが育つ文化のこと
今回椎葉で久しぶりにお会いした方が「子どもが小学生になって、小さな集団で先生にじっくり教えてもらえたり、放課後教室で大きい子に優しくしてもらえたりと、改めて椎葉で良かったと強く思っている」と言われていました。若いお嫁さんとして椎葉に来て子育てを始め、椎葉の子どもたちの仲の良さや、大人と子どもの距離の近さがとてもいい、と以前から言っていたママさんでした。
その方も椎葉の子育てにおいて、日常の不便さや悩みはあると思いますが、「ここで良かった」という言葉の背景には「自分一人で子どもの育ちを担ってはいない、地域の中で子どもが育っている」という実感があるのではないかと思います。教育やサービスの選択肢が少なく望み通りの子育ては難しくても、子どもにとって良い時間を地域や周りの人からもらっていることを実感しているようです。
そして不便さや手間も裏を返せば、子どもとの関わり方において優先順位をつけやすくしているようです。他の方からも同じことを聞くことがありました。いろんな制限があるからこそ、子どもの生活がシンプルになり、工夫できたり、気持ちの切り替えにもなっているとのことです。
町で育つ子どもたちと親御さんたちを見ていると、それぞれの暮らしに、大量の情報や刺激・選択肢にあふれているのに驚きます。選択肢が多いゆえに、時に子どもの生活ペースを保つことも大変に見えます。
また、情報の取捨選択や子どもに関わりを保護者が単独で背負う割合が多く、家庭や学校以外の場所で、自分の子どもの育ちを実感する機会が少ないように見えます。
これはどちらの環境が「よい」「悪い」「正しい」「正しくない」という議論ではありません。
ただ、それぞれの環境の難しさを嘆くより、大人が子どもの姿を見ながらこういうことが子どもを育てるんだなあと実感できる機会を増やせれば、その時の優先順位や長い期間の展望を持ちやすく、子どもへの関わり方がより前向きに、より手ごたえを感じることができるのではないかと思っています。
椎葉で一緒に活動してくれた皆さんの「椎葉の(他の地域でも)子育て環境のこの要素が良いよね」という話も、村内でもっと共有できたら良かったなという反省もあります。
埼玉で学んだ保育の文化と、椎葉で学んだ暮らしと子育ちの文化を、必要としている方々に還元していけたらと思います。そして、都会の子どもたちを椎葉に連れていく機会を作ったり、こういう話に興味があるマニアックな人々(保護者・保育者)のゆるりとした輪もいつか作れたらいいなあと思っています。
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