選書サービス「ブックカルテ」を利用してみた話
先日、選書サービス「ブックカルテ」を利用しました。
「選書サービス」とは何かというと、読んで字のごとく「書籍を選んでくれるサービス」のことです。
有名なのは北海道の「いわた書店」さん。元祖・選書サービスですね。
私が利用した「ブックカルテ」では全国の書店員さんが登録されており、その中から好きな書店員さんを選んで選書を依頼するシステム。書店員さんによって得意なジャンルや傾向があり、目移りしてしまって誰に依頼しようか決めるまで結構悩みました。
悩んだ末、選んだのは「書肆 海と夕焼」柳沼さん。
決め手は得意な書籍のジャンルと、あとは勘です。
依頼する書店員さんを決めた後はカルテの記入。
ここでいうカルテとは書店員さんに渡す自己紹介文のようなもので、「今まで読んだ本の中で印象に残っている本BEST10」や「好きなこと・嫌いなこと」「届く本に期待する読後感」等を記載します。「ブックカルテ」のサイトには「直感で答えるのがコツ」とあったので、あまり考え込まずサクサク答えていきました。
参考になるかわかりませんが、私が記入した「今まで読んだ本の中で印象に残っている本BEST10」を載せておきます。私はタイトルと作者名だけ書きましたが、印象に残っている理由やコメントを添えてもいいと思います。寧ろ、その方が親切でわかりやすいかもしれません。
①『象られた力』飛浩隆
②『幼年期の終わり』アーサー・C・クラーク
③『神様が殺してくれる』森博嗣
④『すべてがFになる』森博嗣
⑤『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー
⑥『花園の思想』横光利一
⑦『殺竜事件』上遠野浩平
⑧『煙か土か食い物』舞城王太郎
⑨『孤島の鬼』江戸川乱歩
⑩『外科室』泉鏡花
カルテが書き終わったらお支払いです。
書籍代金10,000円+送料・選書料2,500円=12,500円(税込)
どの書店員さんに頼んでも一律でこの値段です。
ここまで終わったら、書店員さんから選書リストが届くのを待ちます。
他の方のレビューを見てみると、選書リストが届くまでの期間は数日~数週間と書店員さんによってまちまちのようです。私の場合は約2週間でした。
届いた選書リストには書籍名が書いてあり、既に読んだことがある本やどうしても苦手な本は「×」をつけてもう一度選書しなおしてもらうことができます。私の場合はすべて読んだことがない本だったこともあり1回で選書が完了したため、何回までやり直しが可能なのかはわかりません。
ちなみに、選書リストには作者名が記載されていないので、「通販サイトでちょっとあらすじを読んでからOKにするか決めたい」という時に、「同じタイトルの本が複数あってどの本を選書してもらったのかわかりづらい……」ということがあって少しだけ不便でした。
選書リストにOKを出してから数日後、本が届きました。
この時、本以外に手書きのお手紙も同封していただきました(とっても嬉しい)
利用したのは「ブックカルテ」という「企業」のサービスですが、選書してくれた書店員さんの温度や手触りを感じることができて、「本を買う」という体験以上の思い出になりました。
最後に私が選書してもらった本の一覧を載せておきます。
私の質素なカルテから上手く好みや意図を汲み取っていただき、大満足の選書となりました。
・『永遠の家』エンリーケ・ビラ=マタス
・『アメリカの夜 インディヴィジュアル・プロジェクション 阿部和重初期代表作1』阿部和重
・『無情の世界 ニッポニアニッポン 阿部和重初期代表作2』阿部和重
・『セロトニン』ミシェル・ウエルベック
・『オブジェクタム/如何様』高山羽根子
・『幻影の書』ポール・オースター
・『小悪魔』フョードル・ソログープ
・『黄金列車』佐藤亜紀
計8冊