BBB / OWN MAKE / 1896年
レストア前
イギリスの老舗、BBBです。
個人的には、日本だとTSUGE、デンマークだとSTANWELL、イタリアだとSAVINELLI、フランスだとBCとかと同じ感じのイメージ。
エントリーモデルとして上記のどれかを通ってる人も多いのでは。
どこでも売ってて、ロット売りにも良く混ざってる。
自分で確保するためにBBB単体を買ったことはなかったのですが、銀巻きと、シェイプの珍しさが気に入って購入。
というのも、おそらくステムはリプレイスメント。
交換品。
たぶん、本当は普通のブルドッグだったと思う。
それを無理矢理アーミープッシュに仕上げてるのが、イタリアのMusicoぽくて気に入りました。
むしろ普通のブルドッグだったら買わなかったかも。
そして銀巻には、ホールマークという刻印が打たれてて、製造年を絞り込むことができます。
L・Bはシルバーメーカーのマーク。
でもLB刻印のメーカーは複数あって、どこの会社か断定できず。
たぶんLeech Brothersってとこかな?
一番左の横になってるイカリマークは、タウンマークと呼ばれる、製品を検証した検証所のマーク。
イカリマークはイギリスはバーミンガムのマークです。
一番右はのライオンマークは、銀の品質を証明するマーク。
んで、真ん中が製造年を表すマークです。
八角形の中に、前髪がくるんと上がってっるみたいな特徴的なm。
これ、1896年のマークです。
19世紀!!
そらリプレイスメントステムですよ。
手持ちの中でも多分最古。
銀巻き部分じゃない本体の刻印もOwnMakeだし、時代の確度は高そう。
よく見かけるBBBは、BBBロゴの下に、だいたいTwoStarとかBestMakeとか刻印されてると思います。
OwnMakeは、後にBestMakeに置き換えられる、BestMake以前のハイグレードラインです。
ちなみに、TwoStarとかBestMakeだと、ヤフオクとかでだいたい数千円で買えますが、OwnMakeとかの古い時代のBBB、それも銀細工が施されてるようなやつは金額が跳ね上がります。
こいつはシンプルな銀巻だしリプレイスメントぽいから金額上がらんかったけど。
銀巻部分のキャップエンドは、ちゃんと側面にも銀がまわってるので、アーミープッシュにしても違和感ない感じ。
ステムはそれなりに使用感。
でも深いティースマークは無し。
BBBマークはついてない。
ボウル内はカーボンモリモリ。
そしてボウルトップ前面がちょっと焦げで抉れてる。
でもラインの彫りとか崩れてないし、まあ。
19世紀だし。
全体的に、結構使用感高めだけど、骨格的には軽傷な感じ。
そもそもステム違うけど。
ボウルのお掃除
まずは分厚いカーボンを剥がします。
リーマーとナイフでゴリゴリ。
分厚くて全然効かない。
リューターでブーン。
あらかた削れたらアルコールメソッド。
コットンとモール詰め込んで、エタノールヒタヒタに。
数時間おきに何度か注ぎ足して一晩放置。
軽くボウル内をリーミングして、シャンクをストローブラシとかでゴシゴシ。
モールに色がつかなくなるまで。
思ってたより綺麗。
内側終わったら、キッチンペーパーとモールで蓋をして、マーフィーのオイルソープで外側を綺麗に。
原液を歯ブラシでゴシゴシ。
ぬるま湯で洗い流し。
見えにくかったとこも見えやすく。
抉れは、まあ軽症かな?
ボウルトップをヤスリに擦り付けるようにヤスリ掛け。
火皿の外壁が均等になるように、側面もヤスリ掛け。
シェイプが崩れないように注意しつつ、240〜600くらいまでで形整えたら、全体を800〜2000位までヤスリ掛けして、細かい傷なども消していきます。
銀の黒ずみもだいぶ強かったので、1000〜3000まで軽くヤスリ掛け。
銀巻含めて、全体を白棒バフをブーン。
銀巻部分は、さらに銀磨きで仕上げ。
amazonで売ってた研磨剤入ってない銀磨きを、100均で売ってた研磨剤入りの磨き布につけてゴシゴシする。
優しいのか厳しいのかわからない仕打ち。
ボウルトップとかヤスリかけた部分を改めて染色しようと思ってたけど、なんかそのままで行けそうなので、染色なしで椿油塗りたくり。
あまり放置しないで拭き取り。
ピカピカ。
銀巻部分にルネサンスワックス、全体にカルナバワックスをかけて仕上げ。
最後に、少量の蜂蜜をエタノールで薄めてボウル内に塗布。
ひとまずボウルはおしまいです。
ステムのお掃除
続いてステムのお掃除。
まずはオキシクリンにドボン。
適当な量のオキシクリンを60度くらいのお湯で溶かして放置。
泡が出なくなったら取り出して、激落くん的メラミンスポンジで表面のヌメヌメを洗い落とします。
その後、エタノールにドボン。
しばらくするとヤニがもわ〜っと出てきます。
ストローブラシで内部をゴシゴシ。
モールに色がつかなくなるまで。
シャンク部と同じく、思ってたより汚れてない。
ステム新しくしてからあんま使ってないのかな?
外側、結構使用感あったけど。
リップ付近を400から、それ以外を800くらいから2000までヤスリ掛け。
細かい使用感を一掃。
アーミープッシュはテノンとか気にしなくて良いので楽。
白棒バフとコンパウンドで仕上げ。
ピカピカ。
変色防止液を塗りたくって放置。
翌日、余分な油を軽く拭き取っておしまいです。
完成
ピカピカツヤツヤです。
銀巻もピカピカ。
分厚いカーボンも、ボウルトップの抉れも無くなりました。
ステムもピカピカ。
普通のステムに変えて、普通のブルドックに戻す予定は無し。
でも、サドルじゃないアーミープッシュの方が似合いそうなので、今後ジャンク品とかで入手できたら交換するかも。
21世紀へようこそ。
以上でレストア終了です。
おつかれさまでした。
(検)
パイプタバコ パイプスモーキング パイプ